冬は、この曲であろう。15日目 ロマンスの神様

構成・写真/鎌田浩宮

五輪が始まると、この企画も始まります。

15日目
ロマンスの神様
三谷幸喜

文・喜楽屋笑太

鎌さんからまたまた難題が届いた…

冬の曲と聞かれ真っ先に浮かんだのはこの曲。
しかしあまりに有名であまりに定番すぎるので、最初はいったん除外した。
好きな映画を聞かれて『タイタニック』と答えるようなものだと思ったからだ。

だが他にあれこれ考えてみても、どれもいまいちしっくりこない…
それから2~3日考え抜いた末に、最終的に出た結論は…
けっきょく一周回ってこの曲だった(笑)。

この曲は僕が中学生だった頃に流行っていた曲だ。
電車に乗ってどこかへ出かけることがようやく許される身分になった僕たちは、友達とよく2駅先の街に繰り出しては、カラオケやらゲーセンやらで遊んでいた。
そこは僕らにとってはちょっとした都会だった。
そのとき町のあちこちで流れていたのがこの曲だった。

そのとき話した好きな女の子の話、中学男子のちょっとエッチな話、くだらない遊び…そんなのがこの曲とともに鮮明に蘇ってくる。
世の中のことはわからなかったが(子ども時代の中では)“一番楽しい時代”だった。

ちなみに本家の歌はもちろんだけど、僕がもっともお気に入りなのは脚本家の三谷幸喜さんが歌う『ロマンスの神様』だ。
たしか昔KinKi Kidsの番組に出演された時に歌われたはずだ。
あのときの衝撃と感動は今でも忘れられない。
あれから動画を探してみたけれど残念ながら見つからないので、もし見つけた方はぜひ一度観てほしいです。
そしてできれば僕にも教えてください!!(笑)

あれを見れば“世界を救うのは勇気と幸喜”かもしれない、と思えるはずです(笑)。

小諸のオモロい人力車
きらく屋俥夫 喜楽屋笑太


皆さんからの「冬に聴くお勧めの曲」をお待ちしています。
hironomiya.kamada*gmail.comまでお待ちしています。
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これまで[contact]から送って下さった方、大変申し訳ございません。システム不調のため、上記メールアドレスへ再送いただければ幸いです。恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

キャマダより。

喜楽屋笑太さん。
長野は小諸にて、訪れた人々を人力車に乗せ、懐古園の周辺や市内を駆け巡っています。彼は有名人。東京のテレビ番組で小諸を特集する際、かなりの確率で彼が取り上げられるようになりました。

笑太さん、「夏は、この曲であろう。」ではこんな選曲をしてくれましたよ。

広瀬香美さんの「ロマンスの神様」、1993年なんですね。既にバブル景気が終わり、大不況となっている頃です。にしては、曲が明るい!

僕や周りの友人を振り返ると、生まれてからずっとビンボーであり、バブルの恩恵を全く受けることなく、バブルの前も崩壊後も変わらない生活を送っておりました。僕のように就職しなかった友人、大学を出て就職した友人、ごっちゃになって集まっては酒を酌み交わし、音楽を作るんだ、映画を作るんだと、ああだこうだ騒いでいた頃です。

一方笑太さんも、社会がどうあれ、とっても楽しい日々を過ごしていたんですね。

僕らもそうでした。恋の話。とにもかくにも、恋の話。友人を捕まえては、その話ばっかりです。どうしてあの人は僕を好きになってくれないのだろう。そりゃあお前が悪い。いやお前は間違っちゃいない。なんだこの野郎、俺のどこが悪いんだよ。馬鹿だなそういうところが悪いんだよ。嗚呼、ジンセーの浪人だ。もう、すったもんだ。全くもって寅さんと同じです。

20代になり、僕は「男はつらいよ」を映画館で観るようになりました。一方では六本木シネ・ヴィヴァン、ビクトル・エリセやタルコフスキー、張芸謀や侯孝賢を追いかけつつ、新宿松竹や東銀座東劇辺り、寅さんの封切に駆けつけていました。

コロナがひと段落したら、再び小諸を訪れます。
笑太さんや仲間達と再会し、ああだこうだと酒を酌み交わすのを楽しみにしています。


冬は、この曲であろう。
開会式
開会宣言
初日 White and White
2日目 My Funny Valentine
3日目 おもて寒いよね
4日目 Doctor Zhivago Main Title
5日目 木枯らしに抱かれて
6日目 窓の外は雪
7日目 White Love
8日目 NIGHT TOWN/Christmas Lovers
9日目 Gemini/Chovendo Na Roseira
10日目 Let’s Start/Ye Ye De Smell
11日目 北風小僧の寒太郎
12日目 Yuki-ya-konko
13日目 Walter and John
14日目 March for March March
15日目 ロマンスの神様
16日目 冬のノフラージュ
17日目 Ederlezi
18日目 Dwa Serduszka(2つの心)
19日目 悲しみのラッキースター
20日目 I’m Not in Love
21日目 December
22日目 雪の扉
23日目 Po La’i E (Silent Night)
24日目 山のふもとで犬と暮らしている
25日目 大寒町
26日目 大寒町再び

2022.02.20