冬は、この曲であろう。16日目 冬のノフラージュ  

構成・写真/鎌田浩宮

五輪が終わっても、この企画は弾みます。

15日目
Nauflage En Hiver/冬のノフラージュ
MIKADO

文・鎌田浩宮

YMO散開後、細野さんが起ち上げたノン・スタンダード・レーベル。すごかったなあ。ピチカート・ファイヴにSHI-SHONENにワールド・スタンダードにアーバン・ダンスに美晴ちゃんにそして大好きなF.O.E.ことフレンズ・オブ・アース。

その中にいたミカド。

この頃、僕は高校生から大学生にかけての時期。細野さんだけでなく、教授や幸宏さんもそれぞれ自身のレーベルを始動し、それぞれが面白いミュージシャンを発掘しリリースするもんだから、すごかったです。でもって、小遣いやバイト代ががいくらあっても足りませぬ。

教授のschoolレーベルは、ハジメちゃんに高橋鮎生さんにおしゃれテレビ。
幸宏さんは慶一さんと組んでT.E.N.Tレーベル。いとうせいこう&Tinnie PunxやFairchild。

嗚呼、話が脱線トリオ。要するに、当時はミカドまで買う金がなかった。
当時のCDは2800円。
高校1年、僕の新聞配達でのバイトは時給600円。
1日に1時間半配達するので、1日900円。
日曜以外の6日勤務なので、1月に約26日勤務。
1月の稼ぎが900円×26日=23,400円。
それで通学定期券、鉛筆やノートや部活動費などに充てる。
それで余裕があると、ウッディ・アレンや大林宣彦や森田芳光や石井聰亙を観に行く。
まだ余裕があると、RCサクセションやジェームス・ブラウンとF.O.E.のライヴや如月小春さん率いる劇団NOISEを観に行く。
その頃もうバンドを始めてたんですが、シンセサイザーはいまこ(今泉見海)の持っていたJUNO106やDX-7を使わせてもらっていました。
映画を作った時の8㎜カメラや編集機材は、こばちゃんから借りたのかなあ。
レコードを買うのは、その合間ですね。
当時のLPレコードは2500円。シングルレコード(EP)は700円。
大学生の頃から出てきたCDは、2800円。

ひもじかった話をしているのに、何だか楽しくなってきたぞ。
一時期ですが、父が女を作って家を出てしまい、家に金を入れなかったので、働かざるを得なかったんですね。
文化祭の当日でも、新聞配達を終えてから通学。
夏休みの臨海学校は集合時間が早いので、さすがに新聞配達を休みました。
とにかく寝不足で、1時間目から6時間目まで全部寝ていました。(弁当の時間だけ起きてもぐもぐタイム)
放課後になると元気になって、部活動や生徒会を楽しむ。
帰宅して、谷山浩子のオールナイトニッポンなど聴こうものなら、もう朝ですぞ。
楽しいです。
つらいです。
高校1年生の1学期で、成績はクラス最下位になり。
算数でも、足し算引き算につまづくと、掛け算割り算ができないのと同じで、3年の卒業時まで全授業が理解できず、最下位のまま卒業。本当は単位が取得できず留年のはずだったが、先生からの恩義かな、卒業できました。

ただ、当時僕の周りにいた音楽仲間も、さすがにミカドまで購入していた者はいなかったんじゃないかなあ。とにかく、素晴らしい音楽家があっちからこっちからでしたので。

そして35年後の現在、ミカドを楽しんでいます。

皆さんからの「冬に聴くお勧めの曲」をお待ちしています。
hironomiya.kamada*gmail.comまでお待ちしています。
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冬は、この曲であろう。
開会式
開会宣言
初日 White and White
2日目 My Funny Valentine
3日目 おもて寒いよね
4日目 Doctor Zhivago Main Title
5日目 木枯らしに抱かれて
6日目 窓の外は雪
7日目 White Love
8日目 NIGHT TOWN/Christmas Lovers
9日目 Gemini/Chovendo Na Roseira
10日目 Let’s Start/Ye Ye De Smell
11日目 北風小僧の寒太郎
12日目 Yuki-ya-konko
13日目 Walter and John
14日目 March for March March
15日目 ロマンスの神様
16日目 冬のノフラージュ
17日目 Ederlezi
18日目 Dwa Serduszka(2つの心)
19日目 悲しみのラッキースター
20日目 I’m Not in Love
21日目 December
22日目 雪の扉
23日目 Po La’i E (Silent Night)
24日目 山のふもとで犬と暮らしている
25日目 大寒町
26日目 大寒町再び



2022.02.21