- 2010.05.21:第1便「そんなものは、なかった。」
- 2010.07.29:第2便「我、遂に発見せり。」
- 2010.08.05:第3便「没個性と、荘厳。」
- 2010.08.18:第4便「日本で1番、ナウい区の。」
- 2010.08.30:読者アンケートとゆーのを、実施しまして。
- 2010.09.24:第5便「SOSな落書き。」
- 2010.10.22:第6便「サヴァイヴァルシチー、トシマ。」
- 2011.01.25:第7便「大阪は、ふけない。」
- 2011.01.31:スピンオフ企画「カメラ=万年筆① すいかサイダー」
- 2011.02.08:スピンオフ企画「カメラ=万年筆② W山内」
サブ・コンテンツ
- 2023.03.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑦
- 2023.03.04:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑥
- 2023.02.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑤
- 2023.02.25:[Radio] walkin’ to the beat everlasting④
- 2023.02.19:[Radio] walkin’ to the beat everlasting③
第1便「そんなものは、なかった。」
輝けるエプスタ第1回編集会議の際、スタッフの1人が言い放った。
「官公庁のトイレの落書きって、面白いと思うんですよ」
なるほど。東大卒のエリート官僚。ワシントンへ出張、赤坂高級料亭、ポルシェ、月2回のゴルフ、子供のお受験、エトセトラエトセトラスイッチョスイッチョエコエコアザラク。
そんな彼が、職場のトイレに、書く。何を。
好奇心を、そそられた。
エプスタの、トイレの落書きを探す、長い旅が始まった。
であるが、いきなり私はヘナチョコだった。
霞ヶ関、怖い。霞ヶ関、遠い。
完全な想像でしかないんだが、即、警備員さんか受付にて、アウト。ヘタしたら、警察。私、前科者になるし、エプスタ、閉鎖になるやも知れず。
そこでまずは、失業中の私が足繁く通う、ハローワークなんかはどうだろう?大不況が続いている。失業者は何を書くか?
まずは私の用事を済ましてぇ~。失業給付の手続き♪これで1か月分の給付をもらえるわ。物凄い数の人が溢れかえってる。数十分も待たされる。もちろんその写真はないわよお。
さて!給付の後は、仕事探しならぬ、トイレ探しへ。1階から6階までくまなく回る。何やってるんだ私。
全階のトイレを、時間をかけて、しかも不審者に見られないよーに、洋式も、和式も、くまなく探す、何を、落書きを。
しかし!ないのである、落書き。求職者、物凄いストレスを抱えているだろうに、落書きてんこ盛りかと思いきや、全くないのである。清潔そのもの。
あるのはこんな張り紙のみ。しかし、芯を捨てるなんて、やはりストレス溜まってるのか。否、職員か?まさかね。
こんな注意書きもあった。敷居に囲まれた洋式トイレの中なのに、手から離したら盗られるのか?んでもって殺られるのか?んで盗り返すのか?殺ったら殺り返せか。結構危険だぜ。ブロンクス並みか。とゆーか、やはり私たち求職者、金に困って以前、ここで何か事件を起こしたか?
否、職員か??
とゆーかですね、落書きする心の余裕もないのかと思うと、少し切なくなる。うーむ。
とゆーことで、ハローワーク/労働基準監督署をあきらめ、すぐ近くにあるこんな所へ、めげずにin!
元々は社会保険庁○○事務所って名前だったのだが、例の年金問題で、社会保険庁って廃止になったのね…知らなかった。今は、日本年金機構と言います。
しかし、ここもガッツリ回ったのだが、一切落書きなし。つーか、ここ数時間、トイレに入り、大のほうに入り、鍵を閉め、息を潜め、臭いを我慢し、人が来ればわざと大きな咳をしながらシャッターを切る…一生就職できんぞ私。
それにしても何でだろう…?ここだって一時期は相当な批判を浴びて、憤懣やるかたない人で溢れかえっていたのに。即、消したか落書き。
その後も様々な場所を回った。法務局、税務署、区役所出張所、エトセトラエトセトラエコエコアザラシ。でですね、総じて言えるのは、皆トイレが新しいんですよ。建物は古くとも、中のトイレは新しい!お金に余裕があるのか、悪戯を極度に恐れて常に新しくしてるのか分からないんですが、使い古されたトイレに出遭う事が、まずない。
これでは駄目だ!なので逸脱、こんな所にも行ぐ!
区役所前公衆便所、なわけだが、トイレ診断士って何だ。トイレット博士なら知ってるぞ。小学校の頃流行った漫画だが。沢山あったなあ、あの頃。がきデカ、へんちんポコイダー、そしてへんきんタマイダーなど、もー、「そのネタ」だけでガンガン押していく漫画だ。漫画も、それを読んでいる子供も、IQが底まで低くなるほど下品で、しかし尋常ではないパワフルさで。今、あんな漫画、あるんかなあ?あんな子供、いるんかなあ?
って、そーゆー事だったんかい!スゲーなあ。診断士、白衣でも着て虫眼鏡持ってるのか。よし、私を驚かせてみせなさいよってば!って、既にトイレマニアになってる私が不可思議だが。
出た!「みつを系」!この手の張り紙は、居酒屋だけだと思ってた。油断大敵。恐怖は隣人にこそありけり。
で、肝心の「大」のほうの、だが!
ありゃま。汚。
診断士呼んでこい!嘘をついちゃいけないって、子供の頃がきデカが言ってたぞ。んが!八丈島のきょん!
しかし、である。ここにも、落書きは、一切なかったのである。
世界は、どうなってるんだ?落書きさえも見逃さない、そんな管理社会になってしまったのか?あるいは、落書きを書く心の余裕もないほどの閉塞社会か?
…。そんなものは、なかった。
いや、くじけないわ、私。次回までに、きっと探してくるんだから。IQが底まで低い、愛と平和やいろんなものに満ちた落書きを。
つづく
2010.05.21