冬は、この曲であろう。9日目 Gemini/Chovendo Na Roseira

構成・写真/鎌田浩宮

五輪が始まると、この企画も始まります。

9日目
Gemini
Chick Corea
Chovendo Na Roseira
Radames Gnattali

文・名無シー

冬の歌、と言うか、冬の曲です。

冬の歌というとぱっと浮かぶのは石川さゆりのあの唄とか、幼稚園から小学校に上がる頃の頃聴きまくった井上陽水のあの歌が思い出されるが、個人的にはもっと冬と直結しているのはアバとかジンギスカンのダンスミュージックだった。

と言うのも我々北国の子供達は冬季、スキー場で週末を過ごしたが、当時スキー場は冬場のダンスホールとして機能しており、若大将や青大将を気取った若者達で溢れかえっており、それに混じって我々雪ん子達がちょこまかと雪上をせわしなく滑っていると言うブリューゲルの村の冬景色の絵をスキー場に置き換えたような賑わいがあったが、スキー場ではどこでもずっと当時流行のダンスミュージックが流されていた。

とは言え曲調という事ではどれも冬らしくない。

曲調で冬を連想するのはチック・コリア「ジェミニ」。
雪の降らない町の冬の、駅前ロータリーを葉の落ちた街路樹を眺めながらバスでぐるりと通り過ぎるような心持ちがする。

あるいは本来は春の曲(歌詞にプリマヴェーラとある)のアントニオ・カルロス・ジョビイ~(トム・ジョビイ~)「ショヴェンド・ナ・ホセイラ」(薔薇に降る雨)。スタン・ゲッツが「ダブル・レインボー」として繊細さを殺したようなカバーをしているので、知っている人も多いと思う。

これはそもそもトム・ジョビイ~を発見して音楽業界に引き揚げたハダメス・ニャタリによるピアノ カヴァー。

冬山の樹林帯の新雪の中に身を置くような心持ちがする。
ウサギの足跡を雪上に見付けるあの美しい体験はまさにこんな感じだった。

皆さんからの「冬に聴くお勧めの曲」をお待ちしています。
hironomiya.kamada*gmail.comまでお待ちしています。
(*を@に変換して下さいね)

これまで[contact]から送って下さった方、大変申し訳ございません。システム不調のため、上記メールアドレスへ再送いただければ幸いです。恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。



キャマダより。

最早、エプスタインズの編集長。裏番長。
名無シーさんの選曲でした。
彼は北国の生まれなので、スキー場も身近だったんですね。
そんな彼の選曲。

いい曲ですねえ。
冬を感じさせてくれる曲だよなあ。

Gemini は双子座という意味なんですって。
となると冬ではないことになるんですが、いやいや、これは冬を想起させてくれる曲ですよね。

プリマヴェーラは、イタリア語で春を意味するんですって。
さらに、アントニオ・カルロス・ジョビンはブラジルです。
ブラジルは熱帯・亜熱帯地帯なので、冬(5月から9月かな)でも温暖なんですって。
でも、とっても冬を感じさせてくれる曲ですよ。

今日は、2022年2月14日の月曜日。
東京は、予想されていた雪もそれほどで、次第に晴れるそうです。
そんな朝、この2曲がさらに彩りを加えてくれますね。
もう、このまま春までずっと毎日、選曲してもらおうかしら。




冬は、この曲であろう。
開会式
開会宣言
初日 White and White
2日目 My Funny Valentine
3日目 おもて寒いよね
4日目 Doctor Zhivago Main Title
5日目 木枯らしに抱かれて
6日目 窓の外は雪
7日目 White Love
8日目 NIGHT TOWN/Christmas Lovers
9日目 Gemini/Chovendo Na Roseira
10日目 Let’s Start/Ye Ye De Smell
11日目 北風小僧の寒太郎
12日目 Yuki-ya-konko
13日目 Walter and John
14日目 March for March March
15日目 ロマンスの神様
16日目 冬のノフラージュ
17日目 Ederlezi
18日目 Dwa Serduszka(2つの心)
19日目 悲しみのラッキースター
20日目 I’m Not in Love
21日目 December
22日目 雪の扉
23日目 Po La’i E (Silent Night)
24日目 山のふもとで犬と暮らしている
25日目 大寒町
26日目 大寒町再び

2022.02.14