沖縄慰霊の日を今年で区切りにしてはいけない

文・鎌田浩宮

今日は、慰霊の日。

太平洋戦争で唯一の地上戦となった、沖縄戦。
1945年4月1日に米軍が沖縄本島に上陸し、むごいことに沖縄県民全人口の1/4ほどが亡くなった。
その中には、日本兵に殺された、または自決を強いられた例も非常に多い。
6月23日に、沖縄防衛第32軍司令官牛島満中将が自決し、組織的戦闘が終了した。
実際にはその後も、餓死などが絶えなかった。

詳しくは、こちらのサイトに書かれています。

http://www.tai-ga.co.jp/johositu/minijoho/sonota/ireinohi1.html

エプスタインズでは、毎年この日には必ず記事を編んでいるけれど、今年、2014年の慰霊の日は、特別な意味合いが加わってしまっている。
1つは、辺野古移設への工事が始まってしまうかも知れない、危機的状況。
1つは、集団的自衛権を認めた解釈改憲になれば、米軍基地の多い沖縄は、さらなる標的にされるという事。
さらには、沖縄県知事選も控えている。
沖縄の未来を左右する事がいくつも折り重なり、沖縄戦で亡くなった方々を、心安らかに慰霊するのも困難な状況。
来年の慰霊の日は、一体どうなってしまっているのだろうか。

こんなにひどい状況になってしまったのは、311を前後とする民主党政権に失望し、政治不信となり選挙へ行かなくなった人が圧倒的に増えた事。
そして、命よりも経済を優先する自民が圧勝した。
東京でも、福島でも、沖縄でも。

だけど、今からでも、武器よりも平和をチョイスする事はできる。
沖縄を、これ以上絶望的な状況にするのは、止めさせようよ。

平和は、楽しい。
平和は、酒をより旨くする。
平和は、腹一杯チャンプルーを食べ、力一杯カチャーシーを踊る事ができる。
平和は、サッカー・ワールドカップを面白くさせる。
人を殺さない事は、人を殺されない事は、豊かだ。
楽しいという事は、何よりも豊かだという事。

給料は相変わらず上がらず、非正規雇用者が増えた、さらには残業代さえ出ない世の中になるかも知れない。
そんな不満の鬱積は、マイノリティーへの暴力に向かう。
ヘイトスピーチに向かったり、沖縄の反基地行動への蔑視に向かったりする。
平和だの、憲法9条を守ろうなんて言ってる人々が、間抜けに見えてきて、いら立ちを覚え出す。
結果、アベノミクスなんて嘘っぱちの犠牲者が、安倍の大好きなナショナリズムに囲われる。
全ては、作戦通りだ。

平和を作るのは、まどろっこしくって、遠回りで、議論ばっかりで、格好悪くって、勇ましくなくって、途方もなく疲れる事も、ある。
でも、殺し殺されるより、よっぽどいいんだよ。

正午には、黙祷を捧げます。

エプスタインズ、2013年の記事2012年の記事はこちらです。


2014.06.23