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震度6強だったので相馬へ行きました 4日目
撮影・文/鎌田浩宮
2022年3月23日(水)
2人分のあさめしを作る。炊き込みご飯。相馬のあおさのりを使った汁。好評。
2人分の洗濯をして、干す。
東京は、そろそろ桜が満開らしい。
お父さんは1日中テレビを観ていて、ワイドショウのそう言っているのが聞こえる。お父さんは、2時間サスペンスも映画も高校野球も観ている。福島県から2校出場しているし、珍しい離島からの出場…奄美大島の大島高校など、観たい試合がいくつかあったのだが、僕に観ている時間はない。
昨晩、寒くて眠れなかったことをお父さんに伝える。
僕の寝ている部屋は地震で歪んでしまい、障子が閉まらなくなってしまっているのだ。エアコンの設定を最強にしても、廊下から吹き込んでくる冷気が勝ってしまうのだ。眠れなかい時間を有効に使うために、聴き逃しそうだったラジオ番組をラジコで聴いた。だが、家にはWi-Fiがないので10秒毎に音声が途切れた。
家の中に2か所あるトイレ。午前は2時間かけて、1階のトイレを掃除。小便用と大便用、2つの便器をきれいにする。
建て増しして作った2階のトイレに比べ、1階のトイレは破損が激しい。床に散らばったタイルの細かい破片も取り除く。り災証明に必要かもしれないので、大きな破片は袋に入れて保存する。壁・扉・窓・便器を裏の隅々まで清掃する。
11時過ぎ。少し時間ができた。記録用に写真も撮っておきたい。昨日の雪が溶け始めていたので。
洋子さんの家に行き、屋外に積まれていたミネラルウォーターのペットボトル6本入り5箱(だったかな)を、部屋の中の台所まで運ぶ。東京に住む娘さんから送られたもの。
昨日のお礼に、洋子さんが「浜の駅 松川浦」の中にあるレストランに連れていきたいとのこと。2020年10月22日にオープンした、道の駅のような市場だ。コロナに負けず、連日混み合っている。相馬で1番の人気スポットになり、地元の誇りにもなっているんじゃないかな。
https://www.instagram.com/hamanoeki_matsukawaura/
https://www.facebook.com/%E6%B5%9C%E3%81%AE%E9%A7%85%E6%9D%BE%E5%B7%9D%E6%B5%A6-105586598011224
ただ、飲用水の確保が難しく、レストランは営業していないかも知れない。でも、行ってみることに。
地震の影響で、道と橋の境い目などには段差ができている。そのまま通過すると、ドスンと車がバウンドしてしまう。市内の至る所で発生しており、その度に徐行しないといけない。
また、市の中心にある歩道橋(ひょっとしたら市内唯一?間違ってたらごめんなさい)の階段部分が崩落しており、利用できない状態に。写真はこちら。
段差、崩落。いずれにしても、修復工事には時間がかかるだろう。
相馬に着いてからずっと、杉ちゃん家と洋子さん宅での作業。遠出をしておらず、市全体の被害状況を間近に見ることができなかった。
車中で洋子さん、お父さんに訊いてみたが、築年数というよりかは、その地域の地盤で被害状況が異なるのではないか。特に松川浦周辺は、瓦屋根が破損しブルーシートで覆っている家が多いように感じた。
原釜港に寄る。お父さんが昔から買いつけている、飯塚商店(丸合水産)の若旦那に声をかける。僕も先日カレイ・ヒラメ・メヒカリを購入し三軒茶屋へ送ってもらったので、その節はありがとうございましたとお礼を言う。
地震の被害で、漁のできない状態が1週間も続いている。大変なはずなのに、白魚を2パックいただいてしまった。東京で、生は手に入らないんじゃないか。
浜の駅松川浦は営業していたが、地震の影響で客足は少なかった。レストランはやはり休業だったので、車からは降りず素通り。残念。1度中に入ってみたかったのだが。
水道水が飲用に使えない地域もあり、飲食店は休業が多い。家に帰って僕がひるめしを作ろうかと思っていたところ、うなぎ屋が。1時を過ぎ「準備中」の札を下げていたが、顔見知りの洋子さんが掛け合い、入れることに。洋子さんのごちそうで、お父さんも僕も特上をいただいてしまった。
洋子さんを家に送り、杉ちゃん家に戻る。閉まらなくなった障子の修理に取り掛かる。お父さんに訊くと、カンナはなく、のこぎりしかない。仕方ないので、のこぎりで障子と溝が接する側面を削り、溝を通るようにする。
この写真のように、地震のせいであちこちの溝が傾き、障子が閉まらなくなってしまった。一部のドアも開閉できなくなった。床が隆起したので、ドアが途中でつっかえてしまうのだ。洋子さんの家も築年数が古くないものの、台所と茶の間を遮る引き扉が動かなくなってしまったそうだ。
見かねたお父さんが、寺島さんに電話。大工道具を携えた寺島さん、すぐに来て下さる。カンナで障子の側面を削る。障子だけではなく、溝の方もカンナで削る。
これだけでもかなり時間がかかり、寺島さんもそれなりに疲れる。まずは僕の寝室だけ完了していただいた。
相馬にいる被災者全てが、寺島さんのような知り合いを持つわけではない。東京とは違いまだ冬であり、夜は寒さが増す。こうした事は、実際に来てみないと分からない。
風呂掃除。料理。
今日も洋子さんを呼んで、3人でばんめし。
特上には肝汁や漬物や小鉢や茶碗蒸しやサラダもついていた。2人は腹が減ってないと言う。朝作った炊き込みご飯は、洋子さんもおいしいと食べてくれた。
腹は減ってないが、呑んで、食って、笑って過ごす。
いただいた白魚が、とんでもなく旨い。
大勢での食卓は楽しい。
僕もお父さんも洋子さんも、普段は独りでめしを食っている。
明日は洋子さんの友達・原田さんも呼ぶことにした。
こんな時は、毎晩が宴会でいいのだ。