2012年8月17日(金)も、首相官邸前、行ってきたど!

取材/撮影/文・鎌田浩宮

キャマダ、
今回、
怒鳴りました。

楽しかったオリンピックも終わり、今日も、行ってきます。

東京は暑い日が続いています。
が、陽は短くなりました。
ここに毎週来ていると、日没の時間を直に感じるのです。

午後6時の開始少し前に着きました。
地上に出てすぐ、田中康夫本人から白い風船をもらいました。
先週紹介した、それです。

首相官邸前から数百メートル離れた、デモの最後尾よりやや前です。
まだお盆休みの人もいるせいか、親子連れも見かけるし、若い人もやや多くなってきましたね。
10代の少年も見かけます。

僕が隣り合わせになったおじさんと喋っていると、周りの人々が続々と僕に質問してくる。
このデモに参加されたのは何回目ですか?と逆に僕が尋ねると、2回目とのこと。

初めての人も、多そう。
まだ、新たにデモに来る人は多いんだなあ、感激。

警察車両と車両の間には、警官がいつも立っていて、車道へ人が飛び出ないようにされていたのに、今日はいない。
それどころか、車道へ出られないように張られていた、あの危険な青いロープもなくなっている。
鉄柵も赤いコーンも少なくなっている。

全体的に、警備が軽減されているのが嬉しかったです。

紫陽花革命と呼ばれ、早数か月。
以前は皆片手に紫陽花でしたが、今日は向日葵を持った人が多いですよ。

日没が早くなり、写真を撮るのが難しい。
ここを離れ、国会正門前に移動しました。

国会正門を横断歩道で渡った、まん前。
主催者自身がマイクとスピーカーを使ってやるので、さすがにシュプレヒコールも迫力が増す。

 

スピーチエリア
の、
苦痛。

 

先週同様、誰もが参加していいというスピーチが始まりました。
共産党の国会議員が2人続けてスピーチ。
彼らが勇ましいことを言うたびに
「そうだ!」
と声を上げる聴衆。

彼らはなぜスピーチの最初に
「すみませんでした」
と謝らないのだろう?

僕らの血税と尊き1票で成り立っている国会議員が非力だから、50基以上も原発ができ、福島の事故が起こり、大飯の再稼働さえ止められなかった。
オリンピックでメダルを取れなかった選手さえ、すみませんでしたと謝るのにね?
彼らの雄弁さが、僕には信じられない。
この場にいるの、苦痛だ。

「希望の牧場」という団体の人。
http://fukushima-farmsanctuary.blogzine.jp/
原発周辺の警戒区域にて見捨てられた家畜の世話をしているそうです。
既に白血病などの症状がみられ、蚊に刺されたりして一旦出血すると、なかなか止血しないのだそうです。

先週もスピーチしていた女性。
「皆さんには耳の痛い話かもしれませんが、廃炉と皆さんは簡単に言うけれど、原発作業員は廃炉のためにどれだけ被曝をし、いわれのない差別を受けているか」
と、時折涙を見せながらのスピーチ。

 

気づくと、
怒鳴り
つけて
いた。

 

デモ終了の午後8時も近づいてきたし、もう1度首相官邸前に戻ろうと、国会正門前を後にし少し歩くと、僕とは逆に国会正門前に行きたがっている年配の女性と、それを通せんぼしている警官数名と出くわしました。

「やっとの思いでここまで来たのに、なぜ通してくれないの」
「この先は混雑しているので交通規制をしています」

全然混雑などしていません。
たった今、至極スムーズに歩いてこられました。

僕は毎週このデモに参加してきて、警官も上からの指示で、車道に人が飛び出さないよう規制をし、デモ参加者と言い合いになっている場面を沢山見ました。

でも、これは違う。
20代の若僧の警官が、自分を産んでくれた親や祖母ほどの年齢の女性に、なんの畏敬もなく嫌がらせをしているように見えた。
ただでさえ不愉快なスピーチで腹が立っているんだ。

この人がどれだけ遠くから、やって来たかも知れない。
この人達が頑張ってきたから、この国がある。

カメラを向けていたら、自然にこうなりました。
この映像を、どうぞ。

怒鳴り散らしてるの、僕です。
別に逮捕されたっていい。
というか、それさえも脳裏をよぎらないほど即座に、怒り狂ってました、僕。

この撮影の後も、しばらく
「てめえが後ろへ行って見て来いよ全然混雑なんかしてねえだろ」
とシャウトしてますと周囲の人も集まってきたので
「おい皆も言ってやれよこちらの方が可哀想じゃねえかよ」
とシャウト増ししまして、皆も加勢し始めて。
主催者が弁護士を連れて飛んでやって来て、すぐに警察と協議。
少しして、通行は自由になりました。

僕、弁論大会で1位になれなくっていいから、目の前で困っている人がいたら身を投げ出せる人になりたいです。

帰宅すると、報道ステーションが重要なニュースを報じてました。
アメリカが、原発の核燃料再処理に行き詰まり、脱原発に方向転換をし、自然エネルギーの発電で雇用を生み出すというニュースです。

こりゃあ、動き始めたぞ。

 

2012年8月17日放送 21:54 – 23:10 テレビ朝日
報道ステーション

「アメリカ原子力規制委員会 原発の延長と新設の凍結問題
http://datazoo.jp/tv/%E5%A0%B1%E9%81%93%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/584362

アメリカで、140の原発の内60基が古く新たな原発建設を検討していたが、NRCは凍結と延長を決定した。アリソン・マクファーレン氏は核燃料の最終処理は緊急問題であると認識しており、委員会の優先事項とコメント。

広大な敷地をもつネバダ州・ユッカマウンテンに、中国企業のソーラーパネル工場が建設されることとなった。ユッカマウンテンはもともと核燃料の最終処分場になる予定であったが、反対派のオバマ氏が大統領に就任したことなどを理由に、計画が頓挫したという。これについてNRCのその他は、「核燃料サイクルの最終過程は大事です。常にこのことを考えなければなりません。後回しはいけません」とコメントした。

番組のコメンテーター・古賀氏はアメリカは昔から核燃料処理施設など考えながら原発に取り組んでいたが、福島第一原発事故以降答えがなくなり、もう一度向きあおうとしているとコメント。さらに、ドイツについては、使用済み核燃料を保管できる場所が見つからなかったため脱原発へ進んでいったとコメント。しかし、日本の議論は、電力量や料金ばかりで安全性が議論になってないと指摘した。


2012.08.18