2012年7月6日(金)も、首相官邸前、行ってきたど!

取材/撮影/文・鎌田浩宮

どこ
よりも
詳しく。
首相官邸前
から
中継
します。

 

いやあ、今日は疲れた!
でも、無事、帰ってきました!
でも、原稿書いてて足はつるし肩は外れそうだし。
おっさん、頑張ってます。
しょっぴかれてもいいように、持病の薬、今日も持ってったんだもんね。

雨。
再稼働も、してしまった。

毎週不安になるんだが、今日こそは集まりが、先週より減っているんじゃないだろうか。

それがさあ、混んでるんだよ!
千代田線、1つ手前の駅にて。

続々と、「国会議事堂」には用のなさそうな、非・ネクタイ、スーツ姿の人々が降りる。

 

先週
とは、
変わって
しまった。
不快
が、
増した。

 

ヴェ?
改札前に、もう、おまわりさん?!

右の貼り紙の主は、区長となっている。

先週、ここはデモの待ち合わせで人が一杯だったのに、今日は警官だらけ。
彼らが最寄りの3番出口を封鎖しており、主催者の誘導係が、4番出口のみへ案内している。

僕はここで、もう気分が悪くなってしまった。
毎週のこのデモで、今日初めて権力の圧力を感じたってわけだ。
今日は、どうなるんだ?

混み合っているせいか、地上へ出る階段でも時々歩みがストップしてしまい、ようやく地上へ。
午後6時少し前、開始時間はもうすぐ。

前回より警官の数は多く、主催者と一体となって参加者の流れを管理している。
先週は道路の向かい側にも人が沢山いたのに、今日は立入を禁じられている。
ああ、気分が悪い。

逮捕者なしに、権力の強権なしにデモを毎週続けていくためには、仕方がないんだろうけれども。

 

最後尾
が何故、
あまりに
静か
だ。

 

最前列を全く見ることができないまま、あっという間に遠ざけられ最後尾へ誘導されてしまった。

最後尾は、最前列から数百m並んだところを右折しさらに右折した、約500mほど離れた所。
シュプレヒコールが全く聴こえてこないし、雨で傘を持っているせいか、プラカードの数も少ない。

というよりかは、先週はこの位置でも、メガホンを使ってシュプレヒコールをしている「先導者」がいたんだけど、今日は見かけないのだ。
主催者の人に「メガホンを禁止されたんですか?」と訊いたが、それはないとのこと。
なんだこりゃあ。
参加者の気勢もトーンダウンしている。
うんざりしてくる。

最後尾から逆行して最前列のいる首相官邸前、つまり国会議事堂前駅付近へ向かおうとすると、この映像のように警官が通せんぼ。
一般の人も「今日は国会議事堂前駅は使えません。霞ヶ関駅か溜池山王駅を御利用下さい」とされている。
一般の人も10分以上遠回りして行け、って言ってるんです。

 

どう
して
も、
先週の大群衆に、
したく
ない
彼等

 

地図を使って説明。
相変わらず見づらく聴きづらくってごめんね。
(このくらい画素の粗いほうが、デモ参加者で顔、映りたくない人のためにはいいのよ)

要は、画面左上のT字路に、先週我々が車道を占拠し、60年安保以来のような大群衆の風景がテレビでも大々的に報道された。
警察は、政府は、今日はそれをどうしても避けたいわけです。

最後尾は、嫌だ。
車道に出て、人波より早く先へ進む。
すると交差点に出た。

交差点の向かいは、1つ先の駅、霞ヶ関駅からわざわざ歩いてやってきた群衆でいっぱい。
これは先週も観られた光景で、こうなってくると、主催者も参加者の人数集計が難しくなる。
だから先週以降、発表が遅れるのね。

この、ものものしい映像は、最前列ではなく、そこから数百m離れ、右折し、さらに右折したた交差点。

今日は、ヘリコプターの数も少ない。
天気のせい?
カメラを持った報道陣自体は先週よりも多いんだけど。
そして何より、参加者も、この雨の中、先週と同じくらいは来ていると見た!

まだ、6時半。
終了の8時まで、まだある。
時を、待とうじゃないか。

午後7時。
僕はさらに強引に歩を進め、最前列まであと数百mの所まで来た。
国会議事堂通用門の近く。

この映像の中盤以降、中学生か高校生の少年の野太いシュプレヒコール、聴こえるでしょ?
スマホで何か、打ちながら。
誰かにこの熱気を伝えてるのかな?
一緒に、頑張ろうぜ。

とにもかくにも皆が最前列の官邸前へ行きたくてたまらない。
徐々に人波は太くなり、車道の一部をもっと列に開放してくれと折衝する警官と主催者。

 

遂に、
車道、
奪還す。

 

そして、7時26分。
この、つたなく、見づらい映像から感じてほしい。

俺達は、自由に歩きたい。
俺達は、自由に動きたい。
俺達は、自由に叫びたい。
おかしなことは、何もしていない。
おかしなことは、何も言っていない。
おかしなことを、おかしいと言うだけ。

遂に、人波は車道へなだれ込み、先週と同じ情景を獲得した。

車道、占拠。

いかに先週までが、自由に歩き、自由に動けていたか。
警官の多さとその抑圧に、うんざりしていた。
フラストレーションは、爆発した。

自由に歩き、動く僕たち。
警官も、もう制御できない。

車道の真ん中に、パーカッションやトランペットなどの楽器の輪ができた。
メガホンとマイクが繋がっていて、彼らと僕が、交互に「再稼働反対」とシャウト。
野太い声の方が、僕です。
テヘ。

なぜ、国民の半数以上が反対していることが、嘘に塗りつぶされて、自分たちが願っている方とは全く別の方に進まねばならないのか。
これは、その感情の、発露なんです。

最前列の、それも官邸の目の前の所だけ、車道はすぐ警官に封鎖されたが、主催者がこっそりと、車道に出ちゃっていいよと言ってくれた。
最初は警官と一緒になって列を制御していた彼らも、フラストレーションが沸点にいっちゃったのかしら。
いいじゃんいいじゃん!

なので、再び車道、中央分離帯に登り、仁王立ち。

 

最後
の、
灯。

 

皆、もう、気づいているはずなんだ。
この街は、僕らの愛していた街じゃない。
一部の独裁者が、とんでもない方へこの国を運んでいっている。

多くの人が、60年・70年安保以来、初めて我慢することを止め、自分たちの声を発するようになったと言っている。
40年、かかったのだ。
この灯を、大切にしていかなくっちゃいけない。
この灯が消えてしまったら、もう、この国は、おしまいだと思うから。

デモが8時に終わり、それまで待っていてくれていた空から、土砂降りの雨が降ってきた…。
明日は七夕なんだぜ…。


2012.07.06