沖縄を返せ

文・鎌田浩宮

固き土をやぶりて
民族の怒りに燃ゆる島
沖縄よ

我らと我らの祖先が
血と汗をもて
守り育てた
沖縄よ

我らは叫ぶ 沖縄よ
我らのものだ 沖縄は
沖縄を返せ
沖縄を返せ

(「沖縄を返せ」 歌詞)

 

40年が、
経っても。
5月15日は、
祝う日、
ではない。

 

1972年5月15日に沖縄が日本に返還されてから
今年で40年。
この日は「復帰の日」と言われている。
けれど、米軍基地はそのまま残り
当時からこの日は、祝うべき日とされなかったんです。

また、日米間で結ばれた沖縄返還協定に際し、
「アメリカが地権者に支払う土地現状復旧費用400万ドル(時価で約12億円)を日本政府がアメリカに秘密裏に支払う」
という密約が存在するとする沖縄密約事件(西山事件)が
アメリカ側の情報開示により事実が確定したことは
TBSドラマ「運命の子」でも描かれましたよね。

こんなことがあって、
アメリカから日本への復帰を熱望し
日本への復帰運動の際に歌われたこの歌は
時が経つにつれて歌詞を変え
「沖縄を返せ 沖縄へ返せ」
と歌われるようになったんです。

 

世論誘導。
いい人ほど、
欺かれて。

 

この話題になるとよく言われるのが
「米軍基地で働いている人はどうするんだ」
ということ。

まるで沖縄では何万人もの人が、
基地で働いているように言われているけれど
実際には、約8800人。
http://www3.pref.okinawa.jp/site/view/contview.jsp?cateid=29&id=9154&page=1

沖縄県の総人口が1,401,730人なので
http://www.pref.okinawa.jp/toukeika/estimates/estimates_suikei.html
全体の0.6%という、非常に少ない割合なんです。

基地がなくなって、返還された土地を再開発した方が
地元経済の活性化、雇用者の拡大にダンゼン効果があることは
北谷の美浜エリアなどを見れば、火を見るよりも明らか。
ここも、元は基地。
返還された後、大きな娯楽商業施設を建てたおかげで、
今では旅行ガイドブックに載るほどの観光スポットになりました。
(写真は2つとも北谷の再開発エリアです)

正しい情報が伝わらないのは
政府やマスコミのウラがあるんじゃねえの?
世論誘導ってヤツだよな、と思ってしまうんです。

アメリカは沖縄にだけじゃなく、
今や世界中に米軍基地を造り駐留しているのは
例えば日本を北朝鮮の脅威から守るため、ではなく
アメリカ経済の中枢である軍需産業、軍産複合体を守るため。

軍産複合体が利益を追求し利潤を拡大していくためには
国外に基地を増やし続けるしかないんです。
これが手っ取り早く1番儲かる!ってやつだ。

このことは、イタリアのドキュメンタリー映画「だれも知らない基地のこと」
http://kichimondai.com/
が分かりやすく描いていて、お勧めだど。
日本全国にて、ロードショウ中。

沖縄基地問題にしても、
原発再稼働推進論にしても、
善人ほど、だまされてる。

事実は、
テレビの裏っ側に、
あります。

沖縄へ、返せ。

このCDに「沖縄を返せ」が収録されています。


2012.05.15