福島県相馬市のダチからの便り 第7便

鎌田浩宮

とても中身の濃い、
充実した便り、有難う。
 
足の怪我は、どう?
まだかなり痛むのかな?
 
バスに乗って遺体安置所に
「行ってくっから」
のところ、決してマスコミでは語られない
被災者のなんとも言えない気持ちが表れている描写だね。
心に響いたよ。
 
本や雑誌がほしい、
というのも、とってもよく分かる。
 
ついでに言うと、
僕はテレビが大好きなんだけど
避難所では、テレビは観られるのかな?
 
子供もお年よりも、
テレビで野球なんかを観て心を和ませられたら
いいのになあと思うんだよ。
 
もっとついでに言うと、
パソコンは置いてあるかな?
これがあると、
様々な情報収集ができるんだよなあ。
 
あと、
先日のメールにも書いたけど
杉ちゃんの家庭では
水道水は飲用として使ってるんだよね?
 
不安はない?
 
水道の他にも、雨に濡れることや、
様々なことは不安にならないかい?
 
それとも、政府の発表を鵜呑みにするわけではないけど
そんなに心配はしてないかい?
 
あるいは、心配しても、他に選択肢はないし
考えても仕方がない、とか?
 
・・・と、避難所に関して、そして
水道水などに関して
色々質問を書きました。
 
ぜひ、お返事もらえたら嬉しいです。
 
それでは、怪我の方、お大事にね。

 
杉本敏之
 
返事おくれて、ごめんね。
足はもう大丈夫で、普通に歩けるんだけど、なんだか、長く歩いていると怪我したところが痛み出してくるね。

質問に対する答えなんだけど、
今はヤマト運輸のバイトに復帰していて、ボランティアはやっていない。
だから今の避難所の状況はわからないけど、私が行っていた、避難所には、大勢で見られるような、大きなテレビが1台あったよ。

そういえば、避難所の中庭に、一緒に避難していた飼い犬が、何匹か繋がれていて、子供が、近寄っていた。
あれは心が和むねえ。

パソコンは、避難者が自由に使えるのはなかった。

水道水についていえば、本当にみんな心配はしていない。
心配な人は、早いうちから、自分で、避難していると思う。
私も水道は大丈夫だと思う、しかし、原発がまだ、これからどうなるかわからないから、情報だけはしっかりと見ておくようにしたい。

雨はちょっと心配だなあ。
なるべく濡れないように、気をつけてはいる。
風向きも気になる。 
 
まあこんなところだと思うけど、政府の言うことを全部信用しているわけではなくて、政府の発表内容をみて、他の専門家の言うことを参考にすると言ったところかな。
原発に近いところに住んているだけに、みんな、原子力や放射能について、結構詳しくなっているかもしれない。
何しろ、震災直後から、テレビでは原発の話ばかりだったからなあ。
 
それじゃあね。鎌田君も元気でね。

2011.05.02