緊急連載「有志連合と協力して」⑯

構成・鎌田浩宮

「なぜ戦場で取材するのか シンポジウム」

シリアを取材中、銃撃戦に巻き込まれて亡くなった山本美香さんの遺志を継ごうと設立された財団が、17日夜、なぜジャーナリストは戦場に向かうのかについて考えるシンポジウムを開き、学生など100人を超える人たちが参加しました。

シンポジウムは、3年前に内戦状態のシリアを取材中、銃撃戦に巻き込まれて亡くなった山本美香さんの遺志を継ごうと設立された財団が開いたもので、東京・渋谷区の会場には学生などおよそ140人が集まりました。
会場では後藤健二さんの事件を受けて、なぜ戦場に向かうのかについて意見が交わされ、山本さんと共に長年戦場を取材してきた佐藤和孝さんは、山本さんが「すべてのジャーナリストの口を塞ぐことはできない。きっと誰かが立ち向かっていくだろう」と語っていたことを紹介しました。
また、山本さんと親交があったフォトジャーナリストの藤原亮司さんは、拘束され殺害された後藤さんについて、「普通の生活のすぐそばで戦闘が行われ、理不尽に命が奪わていくことを伝えたくて取材に入ったのだと思う。現場に行かなければ戦争の実態を伝えることはできない」と話しました。
参加した女子大学生の1人は、「さまざまな議論はありますが、本当のことを伝えるために現場に行くことは必要だと思います」と話していました。

(2015年2月18日 NHK NEWSWEBより)

「私はむしろなぜ戦場に行かないのか、と問いたい。戦場には人々の生活がある。誰にも知られず、理不尽に命を奪われる戦争を伝えたいというのが後藤さんの思いだったのだろう」。パレスチナやシリアの取材を続けるジャーナリスト藤原亮司さん(47)は、人質として殺害されたとみられる後藤健二さんをしのびつつ、こう説いた。

(2015年2月18日 東京新聞朝刊社会面より一部抜粋)

後藤さんの取材を
「蛮勇」と称した人達に、
ぜひ読んでほしい報道でした。
政府は、
彼らの渡航を禁じるのではなく、
有志連合への参加を取り止め、
ISに対し意味のない刺激を
与えないようにすべきでしょう。

さて先日、
保育士である夫のご意見を
紹介して下さったH.Kさんから、
4通目の投書が届きましたので、
以下、掲載しますね。

 

 

H.Kさんより:「自分に何ができるのか」

ここ何日もずっと考えていました。
後藤さんの志を繋いでいくにはどうすればいいのか?私に何が出来るのか?と。

今日の情報番組で、戦場ジャーナリストについての内容が組まれていました。
皆さん、覚悟を持って戦地へと取材に行かれているということ。
今、ありのままを伝えなくては意味がない、もっともっと日本の国民に、悲惨な現状を知ってもらいたいと。
皆さん、後藤さんと全く同じ気持ちでした。

鞄に御守りをつけて、「母親が色んな御守りを買ってくるんです」と語られたその背景に、息子の無事を願う母の想い、ジャーナリストに転身したいと告げた時に、黙って賛成してくれたという奥様の心の中。
私だったら、と考えずにはいられませんでした。

これが仕事なんです。
そう仰ってましたが、御守りを忍ばせる、聖書を忍ばせる、そんな「仕事」はほんの一握りですよね。命懸けの仕事なんてやらないに越したことはない。
それでも自分がやらずに誰がやる、そんな崇高とも言えるこのジャーナリストという職業。
自己を省みないだとか、無謀だとか、命を落としても自己責任なんだなんて、誰にも言う権利はありません。
命をかけて取材されてこられた映像を見て、知って、考えて。
そこからもう一度、自分に出来ることを探してみようと思います。

続きまして、
子供が通っている学校で、
この事件について
どのような教育や
指導がされているか
お便りを下さった
あーちゃんママさんからの、
4通目の投書を掲載しますね。

 

 

あーちゃんママさんより:「願い~Change the world ~」

度々の投稿を毎回取り上げて下さり有難うございます。
今回のBさんの御意見も大変共感しましたし、毎回鎌田さんの情報、御意見も大変参考になります。

私も今回の事件で後藤さんを知り、これまでの活動に感銘を受け、FacebookやTwitterでI AM KENJIへの参加投稿するうちに様々な記事を拝見してエプスタインズにもたどり着きました。
ここは冷静に賛否両論意見を交わせる場であると思いますので、あらためて皆様からの御意見を聞きたく先ずは私の率直な気持ちを述べさせて頂きます。
なかには不愉快な思いをされる方がいるかもしれませんが決して個々の思想を一方的に批判するつもりではなく出来る事なら理解したい思いがあっての事とご理解下さい。

私は無宗教です。
正確には葬儀の際は一応この宗派です程度の家庭です。
困ったときの神頼み的な気持ちはありますが神様仏様と願うよりは亡くなった祖父母やペットの方が見守っていてくれるだろうと考えます。
なので信仰心のある方の思い行動が理解できません。
どちらかと言うと特定の宗教に信仰心のある方、宗教家には嫌悪感を抱くこともあります。

実際に普段は深い交流もないのに選挙となればお願いしてくる人、幼い頃いとこが病気で入院してた時、入信すれば助かるからと残念ながら亡くなった際には入信を断ったからだと言ってきた人、祖母だけがその宗教ではないとの理由で仲間外れにし陰口を言ってた近所の人々…
こうした経験から何のための信仰心なのか?
誰の幸せを願っているのか願っていないのか?
この人達の神様仏様は何を教え説いているのか疑問で理解できません。

更にはオウムのようにテロ行為を起こす新興宗教もありますし戦争もそもそもは宗教の違いからくる迫害が原因だったりもしますよね。
なので私は宗教、信仰心が怖いと思う面もあります。
もちろん私が述べたような行動をする人は一部の心ない人で本来の教えとは違うのだろうし今回のイスラム国(IS)とイスラム教とは全く異なる考えであることも理解、区別しています。

ですが、ずっと昔からどの宗教においても異教徒への迫害、人種差別は無くなりませんよね。
かくゆう私もこうして宗教家の理解が出来ないわけだし、ある国のモラルやマナーの低さに嫌悪感も感じたりします。
でも、だからといって特定の国や宗教や人種を攻撃しようとは思いません。
日本人でもマナーの悪い人はいくらでもいるし私も時には心ない対応をしてる事もあるだろうし性別年齢人種信仰を関係なく、誰にでもありますよね。
なのでネトウヨと言われる方が特定の人種や思想に攻撃的な批判をするのも理解できません。

私が思う神様仏様は困っている人、助けを求めている人、弱者の心の拠り所であるわけで拠り所にするのは何でも誰でもいいやんと思うんですが何故お互いの信仰を主張してばかりで争うのでしょうか?
日本にはトイレの神様、台所の神様、海や山の神様、七福神etc. よろずの神様がいると思いますが他の国では、そういった考えは無いのでしょうか?
日本が他国に比べて様々な宗教にも寛容だと言われているのは昔からよろずの神様への感謝の気持ちがあるからでしょうか?

毎回、話が纏まらず長くなり申し訳ありません。
ただただ世界中で皆が皆違って皆いいと他者を認められたら争いがなくなるのにと思います。
最後に記す詩は子供の小学校で広島への修学旅行で戦争と平和を学び考え運動会でテーマとしたシュプレです。
FacebookやTwitterでI AM KENJI にも投稿したのですが、こちらでも皆様の心に届けば嬉しいです。
どうか子供達の思いが無駄になりませんように。

願い~Change the world ~

あなたに伝えたい
戦争のおろかさを
あなたに伝えたい
命の尊さを
あなたに伝えたい
何気ない日常の幸せを
あなたに伝えたい
人間の絆の強さを

今日 私たちは全員の心を一つにすることができました
世界も一つになれるはずです
戦争のない平和な世界にしたい
私たちは願います
願います

僕も、無宗教です。
ジョン・レノンの「イマジン」そのままです。
また、多くの人々が、宗教や新興宗教の、勧誘や様々なことで、嫌な思いをしたことがあるでしょう。
また、ある宗教法人が基盤の政党は、およそ平和とは遠い政策の実現を掲げています。

それとは別に、チベットのダライ・ラマ14世は、平和活動のため世界中を飛び回っています。
チベットの自由と自治のために奔走するシンボリックな存在ですね。

また、イスラム教の多い地域でも、東南アジアや、産油国として経済的に豊かな中東の一部の国は、イスラム教の戒律を平和のうちに遵守し、ジハード(聖戦)の意味を取り違え、戦争・紛争を起こすこともありませんし、男尊女卑でもありません。

中東で紛争が絶えない原因の1つにパレスチナ問題があります。
アメリカが、アメリカ国内の大きな有権者層であるユダヤ人に過剰な配慮をし、イスラエルへの倫理なき支持支援を止めないために、パレスチナを含む近隣のイスラム教徒の憎悪は増す一方です。
異教徒同士の対立は、宗教的な理由ではなく、政治的であることが主なのです。

僕はこの連載で、自身の意見をなるべく述べないようにしています。
上記はあくまでも、宗教を理解するための1つのメモ書きだと思って下さいね。

これからも、後藤さんの志を、継いでいきましょう。

引き続き、この連載に関するご意見ご感想をお待ちしています。
この画面右上の[contact]からお入りください。

エプスタインズでは、様々な人から原稿を取り寄せ、2月2日から集中連載をしています。
連日更新が途切れないよう、皆さんよろしくお願いしますね。
後藤さんの殺害が、憲法9条改悪に利用されてしまう、大変な時です。


2015.02.19