緊急連載「有志連合と協力して」⑮

構成・鎌田浩宮

Who’s
gonna
stand
up?

 

この連載も長くなりました。
長く継続して考えるべき問題だから、投書も絶えないのかも知れません。
再び、オーストラリア在住の方から投書がありました。
以下、お読み下さい。

Bさん(匿名希望)より:
エプスタインズ、拝見しました。
つたない文章なのに掲載して頂いてありがとうございました。
ウェブマガを拝読してひどく共感したので、感想を送らせたつもりでしたのでびっくりしました。

「有志連合と協力して」全て拝読しました。
④で「ネトウヨ」と呼ばれる人達について触れておられましたね。
後藤さんのお母様がTVに出られてから、田母神さんという人が「違和感を感じる」という発言をしたり、後藤さんのご家族は在日ではないかという話になったり、反原発を訴えただけで「反日」にされたり、という状況に心を痛めておりましたので、日本の方が私の言いたい事を表現して下さった事が嬉しかったです。

でもこういう人達(Nationalists)って、IS達と共通する部分がありますよね。

ネットでIS、又はIS崇拝者と思われる人間と会話をしたことがありまして、二人の日本人の殺害をどう正当化できるのかを問うてみたんです。
ネットのことなので、暇つぶしでISを名乗っていたのかもしれませんが、話すことにとても信憑性があり、チャットの間震えが来ました。

彼は「日本政府は′我々’を殺す為に2億ドルを払った。だから日本人は殺されて当然なのだ」と言いました。
あなたに何もしていない個人を殺すことをどう思うのか、と更に問うたのですが、結局答えては貰えませんでした。
「人道支援の為のお金なのだ」と説明しましたが、聞き入れて貰えず。

自分達を’殺す’為のお金を払った国の人間だから殺す。
右翼と呼ばれる人達は、日本を批判する国とその国民に対し、異様なまでの憎しみを持っている。
憎しみが強すぎて人としての優しさを失ってしまう。
怖いことですね。

私が書いた「芸能人」の一人は仰るようにデヴィ夫人です。
黙っていれば良いのにどうしてわざわざそういう事を言う必要があるんですかね?
正論を言っているから認めて欲しいとでも?
発言に真実があったとしても、人間性を疑います。
ま、放っておくに限りますね。

日本人は責任とか常識という言葉が大好きですよね。
でも人の価値観なんて人それぞれですし、日本の常識が世界の常識とは限らないんです。
多少非常識でも無責任でも、人としての優しさを持つ事の方が大切じゃないか、と思います。

感想のつもりでしたが、また長くなってしまいました。
沢山のメールが届いているようで、お忙しいのにありがとうございました。
普段日本語を使う機会があまり無いので、読みづらい部分がありましたらお許し下さい。
これからも拝見させて頂きますね。

ISはアメリカが生んだのだ、という論調がありますね。
2001年の911テロの後、アメリカはアフガニスタンとイラクへ理由なき戦争を仕掛け、その土地に住む罪のない人々の怒り、恨みを買いました。
その中に、アルカイダを支持する一定層もあり、そこから分裂してできたのが、ISだからです。

一方、日本で起きているマイノリティーの排斥というのは、欧州での、アフリカや中東からの移民を排斥する動きと似ているのではないかと思っています。
パリで起きた新聞社(僕はゴシップ紙と変わらないのではと思っていますが)襲撃事件も、マイノリティーであるイスラム教徒をからかう漫画を掲載し続けた事で、怒りが爆発しました。
国内に問題が山積すると、その鬱憤のはけ口をマイノリティーへ向けるのは、この国でもどこの国でも、昔から絶えた事がありません。
日本の右翼が弾圧する中国では、ウイグル族やチベットを差別し弾圧し続けています。

さて、お子さんを持ち、実際に子供たちが学校でISに対し、どのような教育・指導を行っているかを毎回投稿して下さっているあーちゃんママさんからお便りが来たので、早速掲載します。

あーちゃんママさんより:
まず、ここは安心して意見交換できる場所であること嬉しく思い感謝します。

私も以前にデヴィ夫人や田母神氏のコメントを見たんですが後藤さんのように、じっと我慢する事ができず反論コメントを送ってみました。
デヴィ夫人や田母神氏が勝手に言ってるだけなら、別次元の人間お好きにどうぞとほっとけばいいんでしょうがデヴィ夫人のブログに賛同のコメントばかりなのが、どうにも納得がいかず反論コメントを送ってみたのです。
結果はやはり掲載されませんでした。
炎上を避ける為に操作されてるんでしょうけど影響力のある有名人が偏った意見しか掲載しない一方的な意見しか聞かない見ないと言うのは、どうなんでしょう?
公の場でコメントするからには反対意見にも耳を傾けてこそ意義があると思うんですがね。

私はFacebookもTwitterも使ってますが、ほぼ初心者で恥ずかしながら後藤さんの活動も今回の件で初めて知った未熟者です。
ですが集団的自衛権の行使容認や憲法9条の改悪には以前から関心があり危惧していました。
何故なら私の子供は今12歳です。
娘ですが、このまま日本が戦争のできる国に進んでいけば5年後10年後どうなっているのか?
もしかしたら娘のクラスの男子が、いずれ出来るであろう娘の恋人が、昔のように戦争に行かなければならない世の中になるのではないかと心配だから。
身近に危機が迫っているのではないかと感じるからです。

もし自衛隊の海外派兵が可能になれば辞める人も増えるでしょう。
隊員を確保する為に様々な策が練られ
(集団的自衛権の法案があった際に現役高校生大学生の家庭に大量に自衛隊員募集の資料が送付されてきたとの記事を見ました!!)
貧しさゆえに入隊を考える者や徴兵制度もあり得ます。
それが怖いんです。
正直、ISの脅威よりも怖いです。
日本の未来が心配だから怖いから今回の事件も含め様々な情報を見るようになりました。
もう知らない関係ないでは済まされない状況になってきていると思うんです。

匿名さんのコメントのように周りの友人知人は関心がないのか?
政治的関心を持ち発言すると引かれるような空気も感じます。
政府批判すると遺族でさえ反日だの在日だの低レベルの反撃をされる。
私は直接コメントしてませんが政府批判のツイートに共感しただけで反論コメントが届きました。
今の日本は戦前のようで、とても怖いです。

これまでの後藤さんに関してのコメントとは今回の投稿は違うかもしれませんが、こちらは賛否両論、冷静に意見が交わせる場であると思いコメントさせて頂きました。
毎回、上手く纏められず長文スミマセン。

貧困層が兵役を志願するのは、中東でもアメリカでも同じなんですよね。
そしてその波は、日本にも来ています。
東京新聞・2014年9月3日特報面での記事にありました。

貧困層に「経済的徴兵制」?奨学金返還に防衛省で就業体験

文科省は先月末、大学生らの経済支援に関する報告書をまとめた。有識者会議メンバーの一人はその検討過程で卒業後に就職できず、奨学金の返還に苦しむ人たちについて「防衛省でインターンシップ(就業体験)をさせたらどうか」と発言した。

(記事より抜粋)

集団的自衛権が確定し、理由なき海外での戦争参加を忌嫌する自衛隊員が、大量に退職することを見込んでの「政策」なことは明らかですね。
後藤さんが、こんな事を望んでいるわけがありません。

これからも、後藤さんの志を、継いでいきましょう。

引き続き、この連載に関するご意見ご感想をお待ちしています。
この画面右上の[contact]からお入りください。

エプスタインズでは、様々な人から原稿を取り寄せ、2月2日から集中連載をしています。
連日更新が途切れないよう、皆さんよろしくお願いしますね。
後藤さんの殺害が、憲法9条改悪に利用されてしまう、大変な時です。


2015.02.18