私の2013年10大ニュース 戦闘的ゴジラ主義者編

構成・鎌田浩宮

毎日が
お正月だったら
いいのに。

エプスタ、
今日も、
正月気分。

僕、
お笑い番組が好きで
お正月も
色々
観てたんですね。

そしたら、
その中で、
「毎日、新聞に目を通す40代男性 59.2%(新聞通信調査会調べ)」
ってデータが
いきなし
ドーン、と
出てきて。

ショックだったなや。
いや。
その
少なさ
に、であるよ。

うち、
子供の頃
ドビンボー
だったけれど
新聞は
取ってたよ。

ま、
読売や産経や日経
だけ読んでても
バカになっちゃうけども、
ヤフーニュース
だけ読んでても
世界は解らないど。

ああ、
40代の男たち…。

さてさて。
新春恒例連載企画

最終回、
ラスト
飾るのは

「二番館へ走れ」担当の
戦闘的ゴジラ主義者くんです。
どうぞ、
思う存分
書きなさい。

 

2013年の重大ニュース

 

渋谷宮下公園における年末の野宿者排除

締切を守り四日に提出していればリアルタイムで意味があったんだけど、もうずれちゃったな。まあでも入れておこう。越年闘争が終わってからマスコミもようやく報じ出したようだ。大晦日のカウントダウン時に渋谷駅近辺への立ち入り規制が行われたこととも連動しているのだろう。見たくないものを見えないところへ追いやっても問題は解決しないのに。アベノミクスの効果はこんなふうに現れる。金が廻るのは金持ちの間だけさ。

 

2020年東京オリンピック開催決定と特定秘密保護法の成立

あまり区別の必要を感じなかったので一つにした。僕にはつながった話だ。

そもそも今のオリンピックそのものが問題であり、どこであろうと開催されない方がいいのだ。震災、あるいは原発事故から立ち直るさまたげになるから東京オリンピックに反対、でも、利権にまみれた資本主義そのもののオリンピックに反対、でもない。他国もそう変わらないのだとは思うが、この国は僕が物心ついて以来メダルの数を通じて国威の発揚を行い続けてきた。全てのスポーツイベントはナショナリズムと強い親和性を持つが、オリンピックはその中でもずば抜けている。オリンピックとは何よりもスポーツを通じたナショナリズムの祭典である。2020年の開催地決定前夜のマスコミの浮かれ方を思い返せばいい。異論を封殺して国名を連呼し続ける馬鹿馬鹿しい光景がこの先七年も国家的事業として繰り返されるのかと思うと本当に嫌になる。国家と一体化することで得られる熱狂など、いずれ身を滅ぼす毒による熱でしかない。

秘密保護法については改めて言うことはない。僕はソクラテスを師と思っているが彼の行いのすべてを正しいと考えている訳ではない。悪法に従う必要はないし、悪法にはむしろ抗うべきだ。法律は僕たちの行動を縛り、僕たちの身体を罰することができるが、しかし僕たちの行動の基準にはならない。僕たちは正しいと考えることを、法律が認めているから行うのではない。僕たち自身が正しいと考えるから行うのだ。法律にできるのは、僕たちを縛りつけることだけだ。その国の住民全員をスパイとして取り締まる法律の存在は、僕たちにとって試金石にもなるだろう。いや、金になんかなりたかないから、そんな石も要らないだけどな。

ついでに言うと石破という国会議員の、法案に対する反対デモへの「テロ」発言は、権力の側からすれば間違っていない。むしろ当然の発言である。大勢の集ったデモは、何かのきっかけで警察の規制やデモ主催者、デモ指揮者の思惑を離れて、もしかすると参加している当人の思惑からさえ離れて動き出すことがある。そう、デモとは潜在的に暴動へと発展する可能性を秘めている。どんなに平和的なデモであろうとその可能性があることを政府や警察は、たぶん今デモに参加している僕たちよりよく知っているからこそデモを事実上の許可制にし、監視し、抑えつける。石破の発言はデモに対する正当な評価だ。それは権力が僕たちの力を恐れているという証である。

 

山本太郎の天皇直訴

あまり取り上げたくないのだが、無視する訳にも行かないよな。

政治利用してきたのは自民党だとか憲法ではとかはどうでもいい。山本太郎に対する評価は僕の中では相当に下がった。なんだ、お前も天皇好きなのかよ。何を期待してんだよ。ただこれは彼一人の問題ではなく、例えば昨年末の朝日新聞の論壇回顧で高橋源一郎が去年のベスト3に、美智子の五日市憲法草案に対する発言を挙げていたり、同じ発言を「週刊金曜日」が好意的に取り上げたり、同誌上で坂本龍一が鈴木邦男との対談で天皇も原発には反対のはずだと発言したりと、左の側にも天皇に好意を寄せる者は多い。…お前らな。

基本的なことだけ確認する。天皇制とは、生まれながらに人の上に立つ偉い人がいる、と言う制度である。必然的に生まれながらに人の下に踏みつけられる人がいるということになる。人の上に立つ、その下には当然踏まれている人がいるのだ。人を踏みつけるのが大好きだ、と公言して文字通りそのように振る舞う人には喜ばしい制度だろうが、そんな人と本気で仲良くしようと思う人は多くはないだろうし、人を踏みつけることを望まない人にとっては心底勘弁して欲しい制度ではないのか。「あなたは生まれた時から人を踏みつける人と人に踏みつけられる人が決まっている世の中を望みますか」と質問して、望むと答える人がどれだけいるのだろうか。それがこの国にずっと行われてきた歴史であり制度だ、この国の基本なのだというのなら、そんな糞みたいな国なんか要らない。ぶち壊してやる。そういうことだろ、本当は。民主主義と相反する、なんて言い方をしなくともそもそも人の道に反する。そんなものに何を期待する?

 

レイ・ハリーハウゼンの死

11年の重大ニュースに「竹内博の死」を入れ忘れたと、しばらくして後悔した。そんなことにならないためにも今回は入れておく。

人形アニメで数多くの怪物たちを生み出し、子どもだけでなく多くの人々を驚かせ、喜ばせた人である。今僕たちが映画で見る恐竜たちは元をたどるとたいていこの人に行き着く。最近だと『GANTZ』の千手観音はこの人の手掛けた『シンドバット 黄金の航海』に出てくるカーリー像へのオマージュだ。現役を退いて三十年を越え、九二歳での死だから大往生と言っていいのではないかと思うがそれでもやはり悲しい。(まったくの蛇足を承知で付け加えておくと、僕は靖国解体派の最左派なので追悼とか黙祷の類は一切拒否している。それは自分一人ですることだ。だから追悼とかコメントしないように。)

高遠るいの傑作『ミカるんX』の最終回は、かつて多くの人々の期待を完膚なきまでに粉々に打ち砕いてみせた『さよならジュピター』の主題歌、松任谷由実の『VOYAGER』を使って、かつてを覚えている者に感動をもたらし涙さえ流させると言う離れ業を見せたが、その冒頭にはこんな献辞が掲げられている。「すべての偉大な先人たち、そして、画面狭しと暴れ回り、戦い抜いた、すべての変身ヒーロー、ロボット、怪獣、怪人、宇宙人たちに捧ぐ」。

職に就いたり離れたりは最早何のニュースにもなりゃしない。はあ~。

以上、
戦ゴジくんでした。

僕自身、
彼とは
違う考え
だったりもするんだけども、
いいのだいいのだこれでいいのだ。

いろんな
意見を
これまでも
これからも
わっしわっしと
載せていきたいな
と思う正月です。


2014.01.17