「11.11 反原発 1000000人大占拠」行ってきたど!

取材・戦闘的ゴジラ主義者
文・鎌田浩宮

休むことなく、毎週金曜の午後6時から8時まで、
首相官邸前と国会正門前、及びその周辺で行われている、反原発デモ。

エプスタでも、幾度となく、どこよりも詳細にお伝えしてきました。

その主催者「首都圏反原発連合」が、定期行動とは別に、
「11.11反原発1000000人大占拠」を、昨日開催しました。
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=1275

当初は午後1時より、日比谷公園集合/出発のデモを予定してたんだけれど、
東京都が公園の使用を認めず、東京地方裁判所の申し立て棄却をうけ
東京高等裁判所への抗告を行ない、それも棄却となったことが、
一部では大きく報道されていたので、逆に宣伝になったかな?

こういうのは、規制すればするほど、宣伝になるかもです。
RCサクセションの「カバーズ」だって、そうだったもの。

結局、午後3時より7時まで、
国会前、
官邸前、
経産省前、
文科省前、
財務省前、
外務省前、
厚生労働省前、
東電前、
Jパワー前、
経産省前テントひろば、
なんと10カ所に渡る広範囲でデモが行われ、
午後5時からは国会正門前にて大集会が行われました。

大集会の内容は…
司会:千葉麗子

スピーチ:
民主党 大河原雅子 参議院議員

国民の生活が第一 姫井由美子 参議院議員
日本共産党 志位和夫 衆議院議員
社会民主党  福島瑞穂 参議院議員
新党きづな  中後淳 衆議院議員
減税日本  小林興起 衆議院議員
新党大地・真民主 平山誠 参議院議員
新党日本 田中康夫 衆議院議員
無所属 亀井静香 衆議院議員
みんなの党 川田龍平 参院議員

鎌田慧(さようなら原発1000万人アクション/ルポライター)
落合恵子(さようなら原発1000万人アクション/作家)
吉岡達也(脱原発世界会議/ピースボート代表)
伊藤達也(原発なくす全国連絡会)
渕上太郎(経産省前テントひろば代表)

飯田哲也(環境エネルギー政策研究所 所長)
湯川れい子(音楽評論家)
藤波心(タレント)
山川健一(小説家/東北芸術工科大学教授)
坂本龍一(ミュージシャン) ※録音メッセージ
津田大介(メディア・アクティビスト)
松原広美(サーフライダー・ファウンデーション・ジャパン事務局長)
竹内昌義(建築家/みかんぐみ)
宇都宮健児(元 日本弁護士連合会 会長)
他 となっておりまして。
ああ、相変わらず政治家にも喋らせるのね。
嫌だわあ。

それにしても、掲げた数字、すごいなあ。
100万人だものなあ。
それに比べて、明けて翌日月曜、テレビ各局、どこも報道しない。
ひどいなあ。

というわけで、今回は「二番館へ走れ」を担当している、
戦闘的ゴジラ主義者(長いペンネームだど)が取材してきました。

戦ゴジが国会議事堂前駅に着いたのは、午後3時半過ぎ。
改札に警官はいませんでしたが、いつものように出口規制をしていて、
封鎖してある出入口の階段には、数人の警官がいたそうです。

雨は既に降っていて、4時過ぎから本降りになったそうです。
しかし、既にそこには最盛期くらいの多くの人が。
年配がやはり目立つものの、老若男女万遍なく集まり、
20代や子連れなど、様々な人々が合羽を着て参加して。

天気予報で分かっていたので、
雨に濡れて困っている人は見かけなかったとのこと。
また、僕が以前よく見かけた、
参加者と警官ないし、参加者と主催者との言い争いも
特には見かけなかったとのこと。

 

くくり

「原発反対」
だけ。
だから、
成功
した。
よね?

 

戦ゴジはその場の首相官邸前を素通りし、
知り合いのいる経産省前テントひろばへ。

なお、移動の際に、
本来集まるはずだった日比谷公園周辺で
主催者とは別のグループによる、デモを見かけたそうです。
見かけただけなので、警察との衝突があったかどうかは、
分からなかったそうです。

さて、テントひろばではフリーター全般労働組合がスピーチを。
そのスピーチの内容は、
福島第一原発で現在働く孫請け、
もしかしたらそのまた孫請けかも知れないほどの作業員の方が、
一方的に契約を打ち切られ、寮から追い出されようとしている
という深刻なものでした。

しかし、大雨のせいもあるのか、他に9カ所もエリアがあるせいか、
立ち止まって聞く人がいなかったのが、残念に思えたそうです。

そもそも、毎週金曜から始まったこの集まりは、様々な考えの人々が、
「反原発」という、非常に大きなくくりで集まっています。

だからシュプレヒコールも、大まかに言って
「再稼働反対」
「規制委解体」
「大間を造るな」
この3点に限られています。

なので、不安定な労働条件で働く福島の原発労働者に、
関心のない人もいるでしょう。

さらに戦ゴジは、この反原発運動を突き詰めると、
日本の核武装反対につながっていくべきだ、と考えています。

つまり、様々な問題を多々抱えているはずなのに、
それらを主催者は切り捨ててしまっている、と戦ゴジは言うのです。

僕は戦ゴジとは逆で、
入口を、この3つの大きなくくりだけにしたからこそ、
これだけ多くの主義主張のある人々を1つにまとめ
政府をも動かす大きな運動になったと思っていますが、
戦ゴジのような考えの人が多いのも、全くおかしくはないと思います。

 

Do
we
love
Japan
?

 

戦ゴジはその後、警官による規制の少ない、東電本店前に移動。

ここでは150~200人が集まっていたそうです。
今回のエリアの中で2番目に遠いので、この人数は仕方ないでしょうね。

ここではさすがに、被曝労働に関するシュプレヒコールもあったそうです。
また、一方で「We love Japan」というコールもあったそうで、
あまりの幅広さに、苦笑してしまったそうで。

この辺も、難しいんです。
右翼も左翼もそういったものに興味のない人も
参加者として、全て一堂に集まっていますからね。

 

デモ

主導権

警察

ある
のは、
日本
だけ?

 

さて、戦ゴジが東電前に来たのは、もう1つ理由があります。
他のエリアは、車道に出られないよう、歩道を細かく鉄柵で区切ってあり
狭いその内側に押し込められ、参加者は何時間も同じコールを
シャウトし続ける。

これは僕も以前、何度も書きましたが、心身共に疲弊するものです。
ストレスが大きい、一体感が薄まる、足は棒のようになる。
このデモを長年続けていくのなら、改善したいですね。

しかし戦ゴジが言いたいのは、
警察がデモの主導権を握っていること、
それを主催者さえもが守らせようとしていること、
そしてそれに従う参加者の多さ、
これはいかがなものか、と。

デモは主催者、というよりかは市民が主導権を握るからこそ、デモなんだ。
この鉄柵の中に入るということは、主導権のないことを認める事だ。

このことは僕も、暗にこれまでの記事に書いてきましたが、
歩道にこれ以上参加者がいられないほどの人数になり
遂に警備を振り切り、一斉に官邸前の車道に飛び出して。

この写真、有名ですよね。
この、解放感。
暴動を起こしたいわけ、じゃない。
だけど本来、
どこを歩こうが、
どう動こうが、
市民の自由なんだ。

これは、去る7月6日、遂に人波が車道に溢れ出した時の映像。

海外のメディアが
「日本のデモは礼儀正しい」
と報道していますが、あれは皮肉であって
「日本には民主主義がない」
と言っているのと同じなんだ、と戦ゴジ。

僕らは暴動を起こしたいわけじゃないし、
この和やかさがあるから老若男女が気軽に参加でき、
安全なデモだから子連れでも参加ができる、などの利点もあります。

ただ、自由な移動もできず、
同じ場所にすし詰めに立ち尽くし何時間もコールをしろと言うのは
心身共に、無理があります。
(実際、立ち続け疲れ、途中で帰ってしまう人も見かけますし)

さて、東電前デモは、午後5時で終わったそうです。
午後5時から国会正門前で始まる大集会に合流するためですが
大雨のため、ここで帰る人も多かったそうです。

戦ゴジも、この大雨と、国会前も鉄柵規制が激しいし、
この時点で帰宅したそうです。

 

今回は稀に見る前代未聞の各地拡散デモ。
なので総動員数は何十万人かは、判らないかもです。
(後に主催者発表で、10万人程度とありました)

僕は、主催者を応援してますよ。
内輪もめで崩壊しちゃったら
ヤツらの思うつぼ、ですからね。


2012.11.12