緊急連載「有志連合と協力して」⑦

構成・鎌田浩宮

昨日のAさんとの対話に関して、読者の皆さんからご意見ご感想をいただきました。
とっても嬉しいです。
ありがとうございます。
以下、掲載させていただきますので、お読み下さい。

ワオ君(仮名)より:
エプスタインズの記事、あるいはフェイスブック等を見ていて、気になったのでメールします。
以前にもメールしたとおり、本件については、言説を重ねれば重ねるほど、遺族の悲しみを逆なでするようで、あまり言論に参加すべきではないと思っています。
ただ、やはり間違っているのではないかと思うことを、そのまま見過ごすのも、不幸を拡大するようで、悩みつつメールしています。

1. 政府は謝罪すべきだという意見について

公害や、薬害等行政の施策失敗について、市民に対して非を認めさせるという話とは違うと違うと思います。
誰に対して、謝らせたいのでしょうか?
今回の事件に関して、政治家や政府が、遺族に対して謝るのを、公開の場でする必要はあるのでしょうか?
何か公開裁判を求めているようで、被害者がメディアの前で「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と謝罪することを、強要する圧力と、
同じことになっていないだろうか?
政府は謝罪すべきだという考えは、怒りの矛先としては理解できないこともないのですが、逆に、「謝罪」強要社会を是認してしまう危険を感じます。

2. 自己責任論

みなさんが言っているように、大人ですから、ある一定どの自己責任があるのはあたり前です。
わざわざ言う必要もない。
自己責任論で問題にすべきは、自己責任論を展開する人たちが、「自己責任だから○○だ。」という○○が問題ですよね。
自己責任であろうが、なかろうが、人の命は助けようとするもんです。
見捨てることができないわけです。
自己責任かどうかという話だけに、なってしまうと何の意味もない言説になります。

舌っ足らずですが。
遺族では無いのだから、怒っているから、謝罪を求めるでは、ダメだよ。
それでは、本当に憎悪と暴力の連鎖に入っちゃうよ。

Nさん(匿名)より:
市民のいる場所を空爆しようとしている人がいなければ、そう言う空爆は起きないわけで、Aさんの空爆に結びつけた話には違和感を持ちました。
多くの意見であるかのようにwebのニュースに踊る視点から距離を置くことは大事ですが、今回の空爆と結びつけたご意見に沿えば、爆撃をする側まずありきで、誰しもそれに巻かれた行動をとるしかないという事になってしまいます。

でも、実は爆撃はほかの理由でもとってつけたように付けてなされてきたことは周知の事だと思います。
サッダーム・フセインの時のCIAとホワイトハウスの攻防は有名です。
実際に現地で起きている事を探ろう伝えようと言う人が居なければ、我々はそう言うからくりもわからず、前大戦の戦時下、大本営発表の巨大な張りぼてを信じた人々のように生きる事になるのだと思います。

加えて、これは全体的な與論についてですが、「自己責任」かどうかなどという切り口自体が誰かの弁明への誘導めいた「與論の醸成」の感があって、単純化されすぎた議論とも感じています。
後藤氏の行動を擁護する意見は法規に対してメタな人道的理念の側によっていて、「自己責任」と言う言葉は政権への責めを塞ぐ事務的な部分への機能になっています。
今回のことは「自己責任」だったと落ち着けたところで、人道的に憂慮すべき情勢は何も好転しない。
自己責任か否かと言うことに対する相反する二つの回答は、実は議論の立つ場所がずれているんです。

本当に話すべきことは、自己責任かどうかと言う問題ではなく、苦しめる人々を減らすにはどうするか、そこだという気がします。
Aさんも、空爆を憂慮していた。
つまり人道的理念をお持ちの方だと思います。
そういう意味ではこの文章の出だしで指摘したようなことが何より些末かもしれませんね。
皆、理念に向かって何事か考えていて、それを俎に出してゆく事が求められてゆくんだと思います。

皆さんが、感情に流されることなく、また、Aさんの意見を尊重しながら丁寧に自身の考えを述べて下さっている事が、とっても嬉しいです。

引き続き、この連載に関するご意見ご感想をお待ちしています。
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エプスタインズでは、様々な人から原稿を取り寄せ、先週から集中連載をしています。


2015.02.08