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EPSTEIN TALKS ABOUT FUTENMA#53「宜野湾市長選」
写真/文・鎌田浩宮
0
から
プラス
ではない。
マイナス
から
0
への
作業。
僕は、昨年末に左腕を骨折してから、リハビリがまだ終わらない。
1日1時間を課せられたリハビリは、痛く、苦しく、うんざりしてくる。
普通のスポーツなどなら0からの出発で、プラスを目指していく。
成長していくのが楽しくもあろうが、リハビリはマイナスからの出発で、怪我をする前の0の状態に戻す作業だ。
達成感も、あまりない。
先日、宜野湾市長選があった。
自公が推薦する者の圧勝、となった。
投票結果、
理解できるよ。
例えば、僕の住む東京都世田谷区に米軍基地があって、東京湾に隣接する港区のお台場や江戸川区の葛西臨海公園辺りに移設計画が持ち上がるとしよう。
そうすれば、いくらオール東京都と言っても、世田谷区民は移設推進を掲げる者に票を投ずるだろう。
お台場や葛西に親戚や友人でも住んでいなければ、そういった場所へ基地を追いやりたいのは自然な感情だろう。
いやそれでも、お台場や葛西に住居や職場を持つ人に申し訳ないという感情を切り捨てるという行為とは、違うと思うのだ。
そうしなければ、世田谷区民は基地の固定化を望んでいると誤解されかねない。
基地経済に依存していると、嘘っぱちを言われ続けられる。
国から防音などの補助金でぬくぬくと暮してるんだろうと、陰口を叩かれる。
ここはとにかく、移設を大にして訴えなければならない街なのだ。
翁長県知事の闘いというのは、こうした様々な感情をうまくまとめ上げつつ、オール沖縄として、これ以上日本政府とアメリカの言いなりにはならない、真の民主主義をつかむのだという、マイナスから0へ戻す行為だ。
沖縄は戦後70年間、民主主義を全く手に入れていないという、マイナスからの出発だ。
マイナスからの運動は、痛みや苦しみの方が大きい。
いっそ、もうリハビリなんぞ諦めてしまい、完治しない左腕のまま生きた方が楽に思える。
しかし、宜野湾市民の1票も、0に戻そうという行為の結晶なのだ。
沖縄のあらゆる街が、その街のエゴをむき出しにして、いい。
そこから、総意としてまとめ上げ、0に這い上がっていくのだ。
多くの患者やスポーツ選手などがリハビリから立ち直り、0の状態に戻った時の歓びは、大きい。
その事をしっかり頭の中にイメージしながら、地道なリハビリを、頑張っていこうじゃありませんか。
沖縄を、返そう。
沖縄に、返そう。
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