- 2013.12.19:第118話 第5章「パパになる?」の巻
- 2013.06.29:第117話 第4章「ろんどんからの浅草、なう」の巻
- 2013.06.23:第116話 第4章「London Calling? そんなのあったよね?」の巻
- 2013.03.28:第115話 第4章「ノッティングヒルのカノジョ」の巻
- 2013.03.21:第114話 第4章「ロンドンの春はまだ遠い」の巻
- 2013.03.15:第113話 第4章イングリッシュブレックファーストの巻
- 2013.03.07:第112話 第4章「パインツとクリスプス、そしてプール」の巻
- 2013.02.28:第111話 第4章「さよならクリス、そしてこれから」の巻
- 2013.02.07:第110話 第4章「ロンドンの曇り空な朝」の巻
- 2013.01.31:第109話 第3章「カノジョの香りのする部屋」の巻
サブ・コンテンツ
- 2023.03.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑦
- 2023.03.04:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑥
- 2023.02.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑤
- 2023.02.25:[Radio] walkin’ to the beat everlasting④
- 2023.02.19:[Radio] walkin’ to the beat everlasting③
第84話 第2章「ため息な1週間」の巻
キャバ友のアゲハんとこにでもいるんだろうな
もしかして、オトコんとこだったりして…
あーあ、もうアイツが出てって1週間か
こんなことはいつものことだけど
なんだか、今回はもう二度と帰ってこないっていうか、
会えない気がしてならない
毎日が無性に寂しいな
携帯に電話?
アイツ電話換えやがるし…
ホント徹底してるよな…
唯一の絆のクリスもアイツが連れてったし…
なんか、多分おわった。そんな気がする
・・・。
「あ、おはようございます」
「おはようさん、いつものね」
朝イチ、いつもの通りにいつものオーダーのいつものお客さん
「そういえば、またカノジョは出て行ったのかい?あれ以来みないけど」
「はい…」
「なんだか深刻そうだね?」
「はい…」
ボクはことの顛末を話した
「ふーむ、難しい問題だね。そもそも男と女の関係は会社経営より難しいからね」
そういって、微笑みコーヒーを啜った
「まあ、そろそろいいかな」
「何がですか?」
「キミの大切なカノジョとワンちゃんはウチにいるよ」
「はぁ~? いまなんていいました?」
「ははは、日本語がわからないというか、意味が分からんようだね、今いった通りだよ。すっかりカミさんもムスメが戻ってきたようで喜んでるよ」
そういってまた微笑みコーヒーを啜った
「・・・。そうですか、ってそうじゃないですよ!スミマセンご迷惑かけて」
「だから言っただろうに、迷惑どころか喜んでるって」
老眼鏡をテーブルの上にコトリと置いて話し始めた
「先週の今日だよ、ワンちゃんと一緒に散歩ついでによってくれたんだよ。そうしたらカミさんが喜んでね、それで一緒に昼飯を食ってね。その後、スコーンやらを一緒に作りだして、そんなこんなで夕飯も一緒にね。ワイン飲みながらカミさんと話が弾んだみたいでね、私は先に休んだんだけど、朝起きたらまだいたんだよ」
そして、また一口コーヒーを啜った
「それで、結局娘のようにうちで暮らしてるって訳だよ」
最後のコーヒーを飲み干し立ち上がる
「はい、500円。置いとくよ」
そういって、彼は立ち去った
「はぁ~?」
「そっか、あの方のウチにいたんだ…」
変な安堵感に包まれながらも複雑な気分だった
迎えにこいってことかな?
まあ、そうだろうな
でも、なんで毎日店にきてくれてたのに1週間も黙ってたんだろう?
でもって、なんで今日話してくれたんだろう?
まあ、いいや。とにかく迎えに行こう
意味なく久しぶりにワイシャツとスーツに着替え
看板をCloseにしてボクは店を出た
2012.06.14Column&Essay
