第114話 第4章「ロンドンの春はまだ遠い」の巻

寒いな

 

3月も後半になろうというのに

吐く息がいまだ白い

 

さすがはロンドンだ

トーキョーは桜が咲いてるって話だけどね

 

クリス2世との散歩道

今日もあいかわらずの曇り空

ここまで毎日どんよりしているとはね

 

そこいくとアイツは相変わらずの能天気だ

どこにいっても、どこで暮らしてもマイペース

ホント、羨ましい限りだよ

ボクなんて、いろいろ人生考えちまう

しかも、この厚い雲の下じゃ

建設的な考えにはならないってもんだしね

 

朝起きて、

朝飯たべて散歩して

ダラダラしながら昼を待つ

すると、なにもしなくても腹が減る

そこで昼飯を作るという、行為が生まれる

そこで小一時間時間を費やすことができる

また、ダラダラする

夕方、バイトの時間がくる

バイト中は、唯一、気が紛れる時だ

時給のためだけの労働

将来なんの役にも立たなそうな単なる労働

でも、その時間が結構いまの生活にはありがたい

金銭的というより、精神的にね

 

バイトが終わり、まかないを食べて真っすぐ帰る

ロンドンの地下鉄はやたらとルーズだ

時間通りどころか、いつくるかもわからない

 

まあ、いまの生活

時間に追われることも無いのでそれがどうってこともないんだけどね

 

いま、ボクには“義務”というものがほとんどない

学生時代、社会人になっても“義務”と共存してきた

けれども、いまはその“義務”がない

つまりは自由、なはずだ

 

しかし、この自由というのがイマイチしっくりこない

これが日本人の性ってヤツなんだろうか?

 

まだまだ、

ここ、ロンドンの生活には馴染めそうにないな

2013.03.21