- 2013.12.19:第118話 第5章「パパになる?」の巻
- 2013.06.29:第117話 第4章「ろんどんからの浅草、なう」の巻
- 2013.06.23:第116話 第4章「London Calling? そんなのあったよね?」の巻
- 2013.03.28:第115話 第4章「ノッティングヒルのカノジョ」の巻
- 2013.03.21:第114話 第4章「ロンドンの春はまだ遠い」の巻
- 2013.03.15:第113話 第4章イングリッシュブレックファーストの巻
- 2013.03.07:第112話 第4章「パインツとクリスプス、そしてプール」の巻
- 2013.02.28:第111話 第4章「さよならクリス、そしてこれから」の巻
- 2013.02.07:第110話 第4章「ロンドンの曇り空な朝」の巻
- 2013.01.31:第109話 第3章「カノジョの香りのする部屋」の巻
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- 2023.03.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑦
- 2023.03.04:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑥
- 2023.02.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑤
- 2023.02.25:[Radio] walkin’ to the beat everlasting④
- 2023.02.19:[Radio] walkin’ to the beat everlasting③
第85話 第2章「ブリティッシュなティータイム」の巻
「なんだキミは?なにしにきた?」
明らかに機嫌が悪い
「今朝ここにいるって伺ったから迎えにきた」
「ふーん、別にいつまででもいていいってママがいうからいるんだよ、アンタにゃカンケーのないことだ」
「・・・。」言葉に詰まる
しかもママってクラブじゃねーっつーの…
クリスが近寄ってくる
「なあ、クリスおジャマだからウチに帰るぞ」
ボクはそういってクリスを抱き上げると
クリスをベロベロとボクの顔をなめ始めた
「あーあ、こういうヤツをヒキョーモノっていうんだろーね、世間では」
「な、おい、ヒキョーモノクン!」
「いや、別に、ってなんだよけんか売りやがって」
「どっちがけんか売ったんだよ!バーカ!」
いきなりそんなボクらを見かねてか奥さんが仲裁に入る
「まあまあ、喧嘩してないでお茶でもいかが?」
「このこが焼いたスコーンと手作りジャムもあるわよ」
「すみません、なんだかお伺いして早々…」
奥さんは優しく微笑んでお茶の準備にキッチンへと消えた
「なあ、悪かったよ、帰ってこいよ、謝るからさ」
「いやなこったね、あたしゃここで暮らしてるのがイチバンなんだよ」
「迷惑だろ~が」
「いったぢゃん!メーワクなんかぢゃないもん!それに…」
「それに、なんだよ?」
「アンタにゃカンケーないことだよ、バカ!」
さっきからバカにバカって言われ続けて
怒りというか、切なさを感じるよ…
いいタイミングで奥さんがお茶とスコーンを持ってリビングに現れる
「家はいつまででもいていいけど、そろそろ帰ってあげたら?彼も心配してたのよきっと、それに寂しいでしょうしね」
“まあ、慣れてるんで心配はしてないんですが、寂しいのは確かです”と、口に出そうと思ったけど、やめておいた
「ママ後で夕飯の買い物に行こう!それか、今日はパパと3人で外食しよっか?アタシがおごるから!」
なんだよ、今度はシカトかよ
リビングに流れるこれはショパンか?
なんとも、イングリッシュティーとスコーンにぴったりだ
ボクが紅茶を啜る音だけが、何とも不釣り合いに思えてきた
そしてクリスは床で寝ている
たかが5分くらいなのに2、3時間くらい経った気がする
おかしいな、この前伺った時と違ってなんとも居心地が悪い
いたたまれずに声を発した
「ごちそうさまでした。帰ります」
そういって、奥さんの引き止めるのを振り切り
スーツのジャケットを着て外に出た
何とも蒸し暑い昼下がりだ
2012.06.21