キャマダの、ジデン。⑭馬鹿丸出し軍団

さて、転校早々いじめとの戦いに明け暮れた2年生の3学期が終わり、
3年生へ進級する際に、クラス替えがあったんです。
当時は3年次・5年次にクラス替えをするのが通例となってまして。

新しいクラスは3年2組。
いじめのリーダー格だった飯田くん、佐口くん Robe demoiselle d’honneur rose
と別のクラスになったせいか
今まで“鎌田殺し”に参加してた、しみけんやおおちゃんも、
あっけないほどすぐにいじめをしなくなりまして。

それとは別に、3年生になったら実行したい、ある計画、がありまして。
僕、自分の「真面目で成績もよく理知的で品行方正」な性格に、
飽き、が来てたんですよ。

なんだか、つまんない。

んでもって小学2年にして「賄賂をした田中角栄は許せない」
とか言っちゃって、その場にいる親戚中を震撼させてしまうし。

そんな時に、毎朝家族で聴いていたTBSラジオで、
今より遙かに元気のええ大沢悠里が抱腹絶倒の番組をやっていて、
盛んに自分らの事を「馬鹿丸出しRobe demoiselle d’honneur violette 軍団」と自称してたんですね。

あ、馬鹿って楽しそうだな。
自由で、メチャクチャで。

僕も、馬鹿になっちゃおう。

そして、3年生になったら、クラス中の馬鹿を集めて、
馬鹿丸出し軍団を結成しちゃおう。

こーして、アイデンティティーを自覚的に再構築しちゃおーとゆー、
小学3年生にしてはまたしてもIQ高すぎなアイデアを、即実行したのだ。

集まった集まった。
先日「脱原発キャッチコピー対決」にも登場した今泉見海に、
さときっちゃん、ふんぎ。
「俺は馬鹿じゃないから」と入団を拒否しつつも仲間になった
「二番館へ走れ」担当の戦闘的ゴジラ主義者くん。
恐ろしいのは、43歳になった今でも深い交流があるという点。

ここで書いておきたいのは、
馬鹿になる＝子供らしさの奪還、ではないということだ。
集まった4人と僕は、子供らしくありたいなんて愚かな考えを
一切持ちあわせなかった。
ただひたすら馬鹿な事をし、人に迷惑をかけ、傍若無人に振る舞い、
自己を爆発させたいだけだったのだ。

それは43歳になった今でも変わっていない。
進歩がないだけなのか、
それとも、既に小学3年生でアイデンティティーを確立し得たのか、
どちらなんだろう。

次回からは、
僕らが行なった馬鹿丸出しな行動の多々を書きなぐる事にする。
僕らの半生の中で、最も楽しかった日々の事を。

2011.11.15

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