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私の2017年映画ベストテン 土岐弥生編
文・土岐弥生
おい、あれ見ろよ。
2017年だぜ。
笑っちまうな。
元Wowful(株式会社アカツキ)
のライター達が、一丁かますぜ。
弥生兄貴の、拳闘随筆。
知らざあ読んで聞かせやしょう。
ちなみに、土岐弥生がWowfulに書いた記事は
「陶芸体験 よいちの館」などである。
みなさん、あけましておめでとうございます!
年末から年始にかけて各種ベストテンが発表される時期がやってきましたよ。僕のもとにもこのサイトの編集長から「映画ベストテンを書いてね」との依頼が。いいっすよと軽く返事をしたんだけど、その1時間後くらいに「あ、しまった!」と激しい後悔の念にとらわれることに!
というのも、僕が映画を見るときは、ぼんやりとスクリーンに向うことが多く、ストーリーの大事な部分を見逃すことが大半だったりするのだ。例をあげるなら、感動作というふれこみで公開された「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。ぼんやりどころか日頃の寝不足でうとうとしてしまい、ほとんどストーリーを把握できず……。見終わった後の感想は、カトリーヌ・ドヌーブがなにやら奇妙なダンスを踊ってる映画というものだった(ファンのみなさん、許してね!)。
そういうことなので、とてもじゃないがベストテン、10作品を選ぶことはかなり難しいっす。しかも映画だけに限るとほとんどセレクト
するネタがなくなるんで、2017年に印象に残ったエンタメ系のベストなものということで許してください。スイマセン……。
まず、取り上げるのはこいつらだ!
■玄界灘からの春の嵐!韓流バイオレンス映画3連発!
「アシュラ」
「お嬢さん」
「哭声/コクソン」
このサイトにたどりつく方なら、韓流バイオレンス映画の魅力について、あれこれと語る必要はないだろうけど、2017年の春に怒涛のように公開された3作品には、そんな方々でも正直ぶっとんだのは間違いないはず。
よくジェットコースタームービーという言葉があるけど、「アシュラ」はそんな表現が足元にも及ばないトンデモっぷり。
例えるなら、●ャブをガンガンにキメた運転手が猛スピードで突っ走る、制御不能のダンプカームービーいう感じか。イケメン俳優のチョン・ウソンも、キレイな顔してそこまでやるか! という怪演ぶりで、とにかく映画の始めから終わりまで口あんぐり状態だった。
「お嬢さん」は日活ロマンポルノと鈴木清順の美しい出会い。
日本統治下の朝鮮を舞台に、韓国俳優もほぼ全編日本語をしゃべり通すという、なんとも不思議な映画だった。
そしてラストの女優ふたりの名(迷)演技は、エロティックを通りこして爆笑もの!? なんだか石井輝男の東映エログロナンセンス作品も思い出してしまった。
「哭声/コクソン」ほど、2017年にいろんな解説やネタバレレビューを読み漁った映画はない。
いったい、主人公の娘に取り憑いたのは何者なのか?謎の祈祷師の正体は?
時折現れる巫女のような女性は?そして國村隼はなぜ韓国の山奥でふんどし一丁で暮らしているのか(笑)……などなど。
映画でこんなにも深く考えさせられた体験は久しぶりだった。
お次はテレビ番組から。
■過去と向きあえ!歴史を忘れるな!NHK秀作ドキュメンタリー
「NHKスペシャル 731部隊の真実 ~エリート医学者と人体実験~」
8月15日近辺になると、毎年のようにNHKで戦争関連のドキュメンタリーがオンエアされるのは、珍しいことではないが、2017年の場合はちょっと事情が違うんではないだろうか。
「クローズアップ現代」の大幅なリニューアル(キャスター国谷裕子氏の降板)に代表されるように、現政権からさまざまな「圧力」がかかっていると思われる昨今のNHKで、ゴールデンタイムに戦時中の暗部や恥部をこれでもかと連続であぶり出した番組編成には、素直に拍手を送りたい。
NHKの報道スタッフの気概をビンビンと感じさせる一連の秀作ドキュメンタリーだった。
そして最後はこれ。
■松方弘樹、渡瀬恒彦……三角マーク熱きオトコたちの惜しまれる死!
70年代東映を代表する役者が立て続けに亡くなったのはショックだった。
松方&渡瀬って、現在の日本映画では見ることのできない「不良性感度」を体現する役者だっただけにね。相次いでの死は、ホント悲しかった。
松方弘樹って、ギラギラした演技を思い浮かべがちだけど、個人的にはその合間にみせるやり過ぎ感のある演技、言い換えるならアホっぷり(失礼!)にも見逃せないものがあった。
例えば「暴力金脈」での腰ヒョコヒョコや、「暴動島根刑務所」での水難救助、「県警対組織暴力」の「どうどぅ~♪」という乗馬シーンとか。
カッコイイことだけやってればよかったのに、きっとサービス精神旺盛な役者だったんだろうな。
渡瀬恒彦については、当時の東映で「不良性感度」がいちばん濃かった役者だったんではなかろうか。
だって、出演した映画のほとんどでスタントマンなしのアクションや、カーチェイスをやったりしてて。しかも実際のケンカでも芸能界最強だし。
数年前に、阿佐ヶ谷ラピュタで渡瀬恒彦の特集上映が組まれたときのタイトルも「狂犬NIGHT」だった……そう、まさしく彼こそ70年代東映が生んだ狂犬なのだ!
その狂犬ぶりがフューチャーされている「暴走パニック大激突」「狂った野獣」の2本は特にオススメ。
「狂った野獣」撮影のためだけに大型免許を取り、自らハンドルを握り決死のバススタントシーンに挑戦するって……。イマドキここまでやる役者いないよね?
とまあ、ぼんやりながらも、2017年の個人的ベストを振り返ってきたわけだけど、ホントにセレクトするネタが少なすぎて申し訳ない気持ちでいっぱいです。今年(2018年)こそは、真摯な態度で映画と向き合い、ちゃんとしたベストテンを発表できるよう固く心に誓いたい
っす、はい……。