創刊5周年企画 平和を感じられるもの

構成・鎌田浩宮

戦争法案に関する記事が、多くのメディアで展開されています。
川内原発が、再稼働されてしまいました。
エプスタだったら、どんな企画を掲載しようか?
明日は、70年目の終戦記念日。
そこでエプスタでは、平和を感じさせてくれる音楽や映画、写真、絵画、小説、俳句、落語、お笑い等々を読者から紹介してもらって、平和の良さをしみじみと噛みしめ、実感しようと思いました。
これから紹介されるものをご覧いただき、平和っていいなあ、戦争なんてまっぴらだと満喫してもらえたら嬉しいです。

 

 

大友麻子さん

平和な気持ちになれるのは、映画ならば「サウンドオブミュージック」です!
なんとも美しい。優しい。歌も素敵。
最近、徴兵を逃れるために自らの死亡届を出した山田多賀市という作家の存在を知りまして。
すごいな、よくやったな!と感動した。
ずるいとかみんな我慢してるんだからと言われても、嫌なものは嫌なんだということ。
逃げ出したトラップ一家のようにね!

あとは、文学でしたら「骨風」です。クマさんの新刊です。
お父さんからの暴力を受けて逃げ出した故郷、東京で出会った深沢七郎さんや若松孝二監督、山梨の人たちを、クマさんが見つめる世界の、その濃度と湿度と温度が、クマさんの言語という表現の中で、不思議な化学反応を起こしていて、決して牧歌的でも平和的でも何でもないのですが、ふとしたお弁当の包み紙をくるむ紐の結び目のささやかなきっちりさなど、一つ一つが、ああ!という存在感で迫って来るのです。
生きるということの、不条理な哀しさをしみじみ感じるので、世界がとても濃密に感じられるのです。
「平和」という言葉が薄っぺらくなってきたなーと思う時代にこそ、この濃度を。

あとは、やはり今夏の映画は「野火」を推させてください!
人間の精神と肉体を見事に打ち砕く戦場を体感します。
戦争は嫌だと強く心に刻みます。
悲惨だから嫌だとかなんだとかではなくて、完全に嫌なんです。
だだっ子のように、やだやだやだ!とジタバタしたいです。

 

 

Bさん(オーストラリア在住。匿名希望)

平和とは違うかもしれませんが、私は「エリン・ブロコビッチ」が大好きです。
理不尽なことが正されるところが多分好きなんだと思います。
後藤健二さんの「ダイアモンドより平和がほしい」。
日本で生まれたことがいかにラッキーなことかと思わされました。
国民は、特に今はそうは思えないかもしれませんが、日本は内戦も無い良い国だと思います。

 

 

鎌田浩宮

映画「サウンド・オブ・ミュージック」(1965年)
塾(城南学習指導協会)で大好きだった、二口(ふたくち)先生も言っていた。
「もう何十回も観ていて、ストーリーも音楽も全て頭に入っているのに、テレビでやっていると、また観てしまうんだ。困っちゃうよ」
子供の頃、家族4人全員で、淀川長治の日曜洋画劇場で観たのかな。
あの頃は「禁じられた遊び」とか、白黒の名画もしょっちゅうテレビでやっていた。
今は、もうやらないね。
ジブリと、テレビドラマの映画化されたものばっかり。
この映画のテーマは、平和そのものというよりかは、平和への渇望とその行動力というか、自由への尊厳なのだけど、スクリーンから伝わってくるものは、平和をとても感じさせてくれる。
「さようなら ごきげんよう」、「ひとりぼっちの羊飼い」、「もうすぐ17才」、「エーデルワイス」、「私のお気に入り(マイ・フェイバリット・シングス)」、そしてこの「すべての山に登れ」。
平和で満ち足りた気持ちにさせてくれる。
「すべての山に登れ」の歌詞は、人生訓というか、人生をこのように歩みなさいというメッセージなのだけれど、僕には平和が感じられて仕方ないんだ。
実話に基づいた西ドイツ映画「菩提樹」から生まれた、映像と音楽と物語と役者の全てがこの上なく噛み合った、人類の創った傑作の1つです。

 

 

H.Kさん

…難しいです。
平和を感じるとは。
答えになっていないと思いますが、人の笑顔って大好きです。
老若男女、日本人はもちろん外国人だろうが宇宙人だろうが、人が笑顔で居られると言うことは、きっとその人にとって平和だし幸せなんだろうなって感じます。
人の笑顔を見て自分も嬉しくなるように、私の笑顔でどれだけの人を救えるかな?
「和顔施」ですね。

 

 

匿名希望の名無シーさんことエヌシーさん

Azymuth “Un Amigo”
友人といるときのような穏やかな空気。


2015.08.14