第二十九話「レバにらとにらレバ」

文・鎌田浩宮

「俺がレバにらで」「あたしがにらレバです」刑事である野口(光石研)と夏木いずみ(篠原ゆき子)は、コンビを組んで事件にとりかかっているが、まるで前世はカタキ同士だったのではないかというぐらい、ソリがあわない。刑事という仕事への理解も、捜査手法も、何もかもが異なる二人は、ことあるごとにぶつかりあっている。
野口は、ある殺人事件で夫を失った未亡人・三上佐代子(阿部朋子)とその娘の相談にのっており、単なる同情以上の感情を佐代子に抱いていた。同僚たちは「ありゃ病気だな」と噂しており、これがはじめてではなさそうだ。それを知ったいずみはマスター(小林薫)に、野口とのコンビ解消をこぼすのだが….
(公式サイトより抜粋)

nothing
like
Harry
Callahan.

この回は、のめり込めなかったなあ。
映画にしてもテレビにしても、ドラマにのめり込めないということは、すなわち感情移入ができないということ。
その他、ドラマによっては、カタルシスがないということ。

感情移入ができない場合、原因の1つとして、人間を描き切れていないということがある。
今回の場合、この刑事2人は若干のカリカチュアをもって描いているのだけれど、例えば唯一笑えた
「ぐらぐら来る~」
のところは、「深夜食堂」であれば、あのロビン・ウイリアムズの名演のように、笑わせているのに泣けてくる演出でなければならないのではないかしら?

念のために書くと、人間を描くということは、決してリアリズムに徹するという意味ではない。
チャップリンだって、寅さんだって、あんな人は現実にはいないのに、巧みな人物描写で、笑わせ、泣かせる。

このドラマで言えば、あんなバディが現実にはいるわけないのに、最後までその思いが拭い去れない。
あのバディ、面白いなあ、いたらいいなあ、という思いにはならないで終ってしまった。

関係ないけれども、バディもので好きだったのは、僕が8歳くらいの頃、毎週土曜の夜11時に放映されていた「華麗な探偵ピート&マック」。
あれは、また観たいなあ!




2015.01.26