キャマダの、ジデン。㉕悪い先生に出会う

著・鎌田浩宮

小学4年で、
生涯最愛の恩師
和田先生に出会ったわけであるが
なんと先生、
5年生に上がる際に
異動で他の学校に行っちゃったんである。

寂しかったなあ・・・。

しかも、クラス替えがあり、
4年2組のメンバーは
バラバラになったんである。

これがね、
今まで一緒に悪さしまくってた
大の仲良し、
馬鹿丸出し軍団のメンバーが
全部違うクラスに
割り振られちゃったのよ。

しょんべんサヨナラホームランのさときん→1組
俺の改姓をクラス皆に言っちゃったいまこ→2組
俺→3組
将来共にパンの耳を食うことになるかときん→4組

びびったのはさ、
大人になって
和田先生から聞いたんだが、
これ、全部、
和田先生が仕組んだことだったのよ!

微笑みを絶やさず
4年2組を仕切ってた先生も、
ウラでは
「こいつら全員バラシた方が世のためだわ」
と決意、後任の先生が苦労しないよう
バンラバラにしたのである。

ひでえよ、先生!
俺、友達、いなくなっちゃったじゃん・・・。

輪をかけたのが
後任の我が3組担任
大木美代子先生である。

世田谷区ではヒョーバンのいいこの先生、
和田先生と全く逆の、
異常なほどの管理派教師なんである。

余った給食を他のクラスや給食室に
もらいに行くなんて
みっともない、と、
給食探検隊を廃止。

僕、当然、暴れる。
罰を、与えられる。

先生が所用で不在・自習の時は
私語厳禁。
違反した者を互いの児童がチェックし
先生に告発する制度を作る。
これによって、
クラスメートが互いを監視する
江戸時代の五人組のよーな状態になる。

僕はポリシーとして、
不在時でも
先生がいる時と同じように
差別なく喋り、ふざける。
クラスメートが後日告発。
「鎌田君のように、かげひなたのある子は最低」
と先生が、全員の前で説教。
「僕は先生がいてもいなくても
態度を変えないだけで
かげひなたがあるわけじゃない」
と言う俺の言い訳、全く通じず。

罰の多い者(俺)は
1番端の席に移動させられ
そこは先生によって
「網走収容所」
と名づけられる。

レッテルを貼られた僕は
クラスの腫れ物となり
友達が離れていき、
外れ者になってもうた。

すると今度はシンセツにも
先生が俺のために
学級会を開いてくれるという。
議題は、なななんと、
「何故鎌田君に友達ができないか」

すごいなあ、この先生。
もーこの時点で、
名実共に、僕が村八分であることを
宣言しちゃったよーなもんだ。

しかも結論が、
「皆も悪いけど、鎌田君も悪い」
とゆー、ダメ押し満塁ホームラン。

僕は遂に卒業まで
クラスの中では、
石井友規君、
1人しかできなかったんだじょー。
あの楽しかった
4年2組を思い出しては
ぐすんと来たりするもんでした。

僕の他にも、
○○さんの態度が悪いと、
その子の友達を放課後集め
「○○さんと遊ぶのは控えなさい」
と命じたり。

先生に年賀状を出さなかった○○君に、
何故出さなかったのかを
皆の前で1時間詰問し、
無言の抵抗で遂に一言も喋らなかった彼に対し
「この子は最低の子です」
と、クラス全員に称したり。

先生は、締め切りの迫った
自身の書道のコンクールのために
1時間自習をさせ、
自分は書道の練習。

まー色々ありましたが、
今以上に元気な僕は
まるで映画
「大脱走」
のスティーブ・マックイーンのよーに
反抗を続けて行くんですねえ。

孤独でしたけど、ねえ…。


2013.02.26