第5話「カノジョハキタル~後編~」

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なんとなく、終わった。

カノジョの母との初対面。

なんとなく、居場所が見つからず、

気の利いた会話もなく、気の利いたもてなしもできずに…

滞在時間約12時間。

そして、カノジョの母は去って行った。

上京の真の目的とは、はたして何だったんだろう?

目的は達成してお帰りになったんだろうか?

そして、カノジョにとっての真の目的とは?

残された土産の明太子は、もちろんなにも語ってはくれない。

もしかして“結婚”という二文字が絡んでいるのか?

昨夜から、もやもやと考え続けたものの、目的がさっぱり解らない。

答えを導き出そうとカノジョに話しかける。

「お母さんてさ、何しにきたの?」

「きまってんぢゃん、会いに」

「ボクに?」

「きまってんぢゃん、アタシに」

「もしかして、ボクのこと紹介するのが目的?」

「一緒にいるんだから紹介くらいはするでしょ」

カノジョは、テレビに耳を傾け、ガリガリ君をかじりながら、

ソフアーの上で、体育座りをして足の爪の手入れしながらそう答えた。

うーん、さっぱり解らない。

わざわざ上京して、電話で済むような“他愛無い”話しをし、

一緒に夕飯を食べた。で、終わり?

なんか、ホッとしたような、物足りないような…

“結婚”の二文字に連動する出来事は結局のところ無かった。と、思う。

そんな、お盆明けの謎の1日。

2010.08.24