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- 2013.06.29:第117話 第4章「ろんどんからの浅草、なう」の巻
- 2013.06.23:第116話 第4章「London Calling? そんなのあったよね?」の巻
- 2013.03.28:第115話 第4章「ノッティングヒルのカノジョ」の巻
- 2013.03.21:第114話 第4章「ロンドンの春はまだ遠い」の巻
- 2013.03.15:第113話 第4章イングリッシュブレックファーストの巻
- 2013.03.07:第112話 第4章「パインツとクリスプス、そしてプール」の巻
- 2013.02.28:第111話 第4章「さよならクリス、そしてこれから」の巻
- 2013.02.07:第110話 第4章「ロンドンの曇り空な朝」の巻
- 2013.01.31:第109話 第3章「カノジョの香りのする部屋」の巻
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第6話「ショードー買い」
ようやくクソ暑い夏も終わり秋風が心地よい休日
カノジョとボクとクリスで遅いランチがてら
いつものように目黒通りに散歩にでかけた。
目黒通りには家具屋さんが多く、
ボクは勝手にファニチャーストリートと呼んでいる。
散歩しながらウィンドウショッピングをするのが
ボクのささやかなる楽しみなのだ。
ウィンドウショッピング、
つまりは買うのではなく見ているだけで満足なんですね。
ましてや服を買うのと違って
家具なんてものはそうそうしょっちゅう買うものではないワケで…
いつも通り、椅子やソファーを見て“にやにや”
プライスを見て「ホー」っとつぶやく、それだけで充分に楽しいのだ。
「あのソファー、イームズだなあ?」
「いいなあ、ちょっと中に入って見てきていい?」
「お好きにどうぞ」
ということで、ボクは店内に。
ショップの店員さんに「これイームズですよね?」と尋ねると、
「そうですね、ソファコンパクトです。シートは張り替えてますけどオリジナルですよ!」
別に詳しいと言う訳ではないが、イームズと柳宗理は好きで、ある程度は見たらわかる。
「いいですよね、イームズボク好きなんですよ」からはじまり、
「ちなみに、これでいくらくらいですか?」
「625,000円ですね」
「そうですよね、それくらいしますよね〜」と、店員さんとしばし立ち話となる。
しばらくして、
ショップの前でしゃがみ込みクリスとじゃれ合っていたカノジョが
「ちょっと、まだぁ〜?早く行こうよ!もう」と、退屈そうに店内に入ってきた。
断りもなくクリスも連れて。
「ちょっと、クリスを内に入れていいか、お店の人に聞いてからにしなよ」
「マナーだろ!」と、ちょっと眉間にしわを寄せていうと、
「私、犬好きですからどうぞ!」と、優しい店員さん。
「犬好きに悪い人いないですもんね〜」と、意味わからない受答えのカノジョ。
そんで、クリスはハシャギはじめ、625,000円、もとい、
イームズに飛び乗り、デカイ体をブルブルと振るわす。
「オイオイ、ダメだよ!クリスおりろ!」といって、
リードを引っ張ろうとするボクを横目に
「クリス、これ気に入ったのぉ〜?」
「クリス用にちょうどいいサイズだもんね!」だと。
たしかに、気に入ったご様子で、ぺしゃっとアゴをつけてくつろぐクリス。
するとカノジョがいきなり
「スミマセ〜ン、これください!もちろん運んでくれますよね〜?」
きょとんとする、店員さん。
ちょっと首を傾げつつ「は、はぁ〜」と苦笑いしながら相づちを打つやいなや
「チェックしてください、カード使えますよね」とぬかす。
しかも、チェックってキャバクラじゃないんだから…
「おいおい、ちょっと待てよ!いくらか知ってんの?イームズだよ!」
「なにそれ?ブランド?どうでもいいじゃん!気に入ったから買うの!それがなにか?」
625,000円、値段を聞く前から購入するカノジョ…
まあ、今さら驚くことではないがね…
ケリーバッグやシャネルの時計を買う感覚なんだろうね…
帰り道「アンナのお陰でまたショードー買いしちゃったじゃんね〜」と、
屈託のない笑顔で文句をいうカノジョ。
まっ、いいか、実は欲しかったしイームズソファコンパクト
2010.10.16