受賞コメント・エプスタ随筆大賞

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」
受賞者からのコメントが届きました。

 

大賞の発表後、再び受賞作「ヴィラ・コーポ笹野101号室について」へのアクセスが増加しています。嬉しい限りです。しつこいですが、第1回レコ大大賞は、黒い花びら。第1回エプスタ随筆大賞は、ヴィラ・コーポ笹野。

何度もすみません。審査員の高橋基(秋田県横手市)によるクラウドファンディング「地元秋田の仲間とともに、クッキングアップルの郷をまもりたい!」、2021年1月18日をもって終了しました。

https://readyfor.jp/projects/cookingapple

ご支援下さった皆様、本当にありがとうございました。では、受賞者の皆さ~ん、おいでませ~! (文責・鎌田浩宮)

 

 

大賞;藤坂鹿

わー!ありがとうございます…!びっくりです。とてもうれしく思います。
この受賞は、ヴィラ・コーポ笹野101号室とともにあります。名前も顔も知らない、故・元住人との共作とも言えるかもしれません。

死者はどの生者とともにいつも歩んでいるということを忘れず、ヴィラ・コーポ笹野に心のなかで花を手向けたいと思います(実際に手向けにはいきません。もうネズミたちには会いたくないので)。

 

 

読者賞;番場正志

このたびは読者賞などとたいそうなものをいただきありがとうございました。エントリー番号が早かったため、みなさまが投票していただいたのだと思います。また機会があれば、ぜひ読んでください。ありがとうございました。

 

 

読者賞第2位;梨乃

10周年おめでとうございます。ました?!
企画を知り、面白そうだな〜と軽い気持ちで初めて随筆というものを書いてみました。随筆ってこんなでいいのかな?と迷いつつ、書くことでその時の気持ちを昇華(消化でもある)させることができ、一区切りつきました。

他の方の文がどれも面白くて、自分が気楽に出してしまったことを後悔したくらい、、なので、自分は賞などまずないと思っていました。読者賞の2位と言う、本来ならなかったであろう賞をいただき、1位だけでいいはずのところ…恥ずかしい気持ちですがありがたく賞品はいただきます!

いろんな経緯で審査が難航し、結果的に一人の方にその責務がかかってしまうことになり、さらに豪雪による被害の中ご負担だったことでしょう。元々雪深い地域に住む友人たちでも例年以上の雪の除雪に毎日何時間も追われてもう降るなと嘆いています。まだ大雪が続くようで心配です。一日も早く、復旧されることを願っています。

貴重な機会をありがとうございました。
 

 

開催者撰賞;表参道が好き

ありがとうございます。ああそういう風な文章なのか、嬉しいな、と朝から、おぉ、、と思っています。読んでくださった皆さまありがとうございます。

久しぶりに文章を書いて、書くのは難しいけれど、楽しいなあと思った良い経験でした。また、これを書いたことで、我が家の父さんに少しずつ変わってもらう声かけをしていく工夫もする様になってきています。書いたから自覚したのかな。ダーラナホース、大好きなのでとってもうれしいです。大切にします。

 

 

Mr.Boo!ギャンブル大賞;名無シー

ミスターBoo賞ありがとうございます。選考経緯を伺ったところ、元々この賞には該当作品は無かったようですが、この賞なら実質賞品を上げなくても称揚可能であるとの魂胆から呉れてやろうかと言う話等が出たのではないかとなどという邪推は無粋。

とにかく、襟を正し有難く頂戴するのですが、居住まいを正すのにはそれなりの理由もあり、この話に登場する老母が兄に先立たれた事を苦にする余り、到頭先日物故してしまいました。人の死とはその様に深く人の心を捉え思いを致さざる事の出来ない、更にエネルギーを奪うイベントです。

わが家の死の連鎖は、未だ続きます。死ぬことによってではなく、考え続ける事で続いて行くのです。受賞各位への賞品調達発送係でもある私のタスクの進み具合はそんな私事のこともあり捗々しくないですが、遅滞はあれど送ります。ちょっとお待ち下さい。あ、あと、宝くじ買いに行かないと!

 

 

裸の大賞/青大賞;鎌田浩宮

僕自身、随筆を書きたくってうずうずしており、3作も応募してしまいました。しかも、クラウドファンディングに関する2作は随筆というよりも、ルポルタージュ・体験記ですよね。主催者が主旨を誤解しておる。すみませんでした。海より深く反省します(マカロニほうれん荘。1977~1979)。それでは、第2回エプスタ随筆大賞でお会いしましょう。これをお読みの皆さん、それまでに随筆を書き溜めておいて下さいね。

 

 

ブログ・エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
エプスタ随筆大賞
応募締切:2020年10月11日(日)
ジャンル:随筆
形式:Microsoft Word または googleドキュメント
   ペンで紙に書いて、または点字などの郵送も歓迎です
枚数:制限なし
テーマ:以下の6つの中から選び、応募下さい。
   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
   ・三等同僚
   ・死ぬのは奴らだ
   ・ビッグトゥモロウ
   ・耄碌と恍惚
賞品/賞金:後日発表
賞一覧:・大賞
    ・投票による読者賞
    ・裸の大賞
    ・若大賞
    ・青大賞
    ・のんき大賞
    ・Mr.BOO!ギャンブル大賞
審査員:高橋紅(くれない)
    高橋基(もとい)
    スズキスキー
発表:2020年10月吉日
応募先:info@epstein-s.net @を半角に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 

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応募作品#1 老人と笑み
応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
応募作品#3 自転車泥棒
応募作品#4 ヴィラ・コーポ笹野101号室について
応募作品#5 我が家の家電製品
応募作品#6 昭和四十五年九月十七日木曜日 火山、川、犬、人のことなど
応募作品#7 江戸Σ
応募作品#8 ミラノの奇蹟
賞品決定・エプスタ随筆大賞
応募作品#9 首から上の世界は…
読者賞発表・エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case1 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞


2021.01.19

審査結果発表 case3 エプスタ随筆大賞

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」
遂に発表します。

 

素晴らしき随筆を送って下さった方々、3名の審査員、欠かせない共同企画製作者・名無シーさん、そしてお読みいただき温かく見守って下さった読者の皆様のおかげで、この企画が実現し、予想外に時間がかかったものの、ようやく大賞発表までにたどり着きました。心の底から、お礼を申し上げます。

こんなにわくわくする楽しいイヴェントは、久しぶりでした。色んなことがある現在でも、この企画に取り掛かりわちゃわちゃしている時は、楽しくってたまりませんでした。

随筆というすこぶる古い媒体を使って、新しい試みをする。さらには、アクセス数だのSEOだの「映え」だのから解放、もしくは追放される悦楽。

ここまで至ったのは何よりも、素晴らしい作品が集まったおかげです。どの随筆も、本当に豊かでした。続きを読みたくさえなりました。年賀状を書く人が増えたそうで。気持ちが安らぐからだそうで。じゃあ次は随筆っしょ。ほんだば随筆っしょ。安らぐもなんも、すごいもんさ。

第1回レコード大賞は水原弘「黒い花びら」。これ、永久に変わらない事でしょ?エプスタ随筆大賞もおんなじです。第1回受賞作は、永久にその栄誉を保ち続けます。

審査に関しては、スズキスキー・高橋紅の審査員両名は、高橋基に審査を一任することになりました。彼もそれを了解し、遂にこの誌面で発表となります。

各賞に対して、高橋基による選考理由を、下に記載しております。また、授与される賞品も掲載しております。名無シーが心を込めて探しあてた物ばかりです。いずれも、中央に対する周辺、現在に対する古を代弁しています。

秋田県横手市在住・高橋基はクラウドファンディング「地元秋田の仲間とともに、クッキングアップルの郷をまもりたい!」を展開中です。

こちら、2021年1月18日(月)深夜11時で終了します。集まったお金は豪雪で損害を受けた農業施設の復旧と、折損したりんごの代替苗木購入などにも充てられます。こちら、そのURLです。
https://readyfor.jp/projects/cookingapple

ご支援・情報拡散などご協力いただけたら、すんごく嬉しいです。よろしくお願いします。では、いよいよ大賞および各賞の発表です。 (文責・鎌田浩宮)

 

 

大賞
応募作品#4 ヴィラ・コーポ笹野101号室について
著:藤坂鹿
テーマ;ビッグトゥモロウ

腐敗、汚染、侵食、ロクでも無い結末を予感させながら、最後まで目を離させないスピーディな展開に読み込まされました。廃墟となったヴィラ・コーポ笹野が崩れ落ちる時、禍々しいものが街に解き放たれるのでしょう。(高橋基)

賞品は大賞としてふさわしい、SCHONDSGN #01を差し上げます。
ステンレススチール素材を削りだして作られた、シンプルな構造のペンです。

 

 

読者賞
応募作品#1 老人と笑み
著:番場正志
テーマ;耄碌と恍惚

どの随筆が読者賞を取るのか?あれだろうこれだろう、スタッフとわちゃわちゃしとりました。毎日首位は変わり、接戦の様相。結局、現役銀行員による作品が栄冠に輝きました。内情ここまで書いていいのか。いや、いいのだという筆の勢いに、番場さんの信念を感じるんです。行内で秘密にすべき事なんかないぜ。組織だのシステムだの、しゃらくせえ。自己の中の正義のみに従う。ハマー!俺が掟だ。番場さんだけではないんですが、今後の執筆が楽しみでなりません!(開催者・鎌田浩宮)

賞品として地球の真裏のウルグアイ製、
手作り陶器のオウムを差し上げます。

 

 

読者賞第2位
応募作品#9 首から上の世界は…
著:梨乃
テーマ;耄碌と恍惚

僕は今、佐藤由美子さんという音楽療法士が、ホスピスなどで終末医療に携わる本を立て続けに読んでいます。読むきっかけになったのは、梨乃さんのこの随筆を読んだからかも知れません。家族から見るとボケてしまったように見えても、聴力は健在である場合が多いんです。好きだった曲を聴くと呼吸がなだらかになり、楽しかった記憶が呼び起こされ、ストレスや不安や痛みが軽くなる場合もあるそうです。梨乃さんのおばあちゃんは、何を感じ、何を考えていらっしゃったのでしょう。梨乃さんの声は、おばあちゃんが好きだった音楽と等しかったのかも知れません。この随筆から学ぶ事はあまりあり、ご応募いただいて本当によかったと感じています。本当にありがとうございました。(開催者・鎌田浩宮)

賞品として、文鎮…啄木が愛した盛岡天満宮の石馬=狛犬を差し上げます。
南部鉄器の老舗の一品で、啄木ゆかりの神社に本物があるそうです。
啄木の作品にも出て来るとか。

 

 

開催者撰賞
応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
著:表参道が好き
テーマ;お楽しみはこれからだ

この随筆の強烈なフォーカスが無いところがいいと思いました。写真のノーファインダースナップショットの様に、そこにある空気が乗るんです。こう言う日常の空気は、それが無くなった時、ああ、そうだったとしみじみ思い起こされるものです。何かを注視しすぎると見えないものです。湯水のようでいて、遠い未来には枯れる泉のような、大事にすべきとてもいいものです。(開催者・名無シー)

賞品として、スウェーデン・陶器製のダーラナホースを差し上げます。
今から400年も前、父親が子供に木を彫って作ったものが由来。
今では、幸せを運ぶ縁起物とされています。

 

 

裸の大賞
応募作品#5 我が家の家電製品
著:鎌田浩宮
テーマ;お楽しみはこれからだ

家電が長持ちするという話を「大切にものを使う」という文脈以外で書かれているのは珍しいと思います。しかも家電オタクっぽい話でも無いですし。何ともマイペースで脱線し放題な語り口にホッとするエッセイでした。(高橋基)

賞品として、アイヌ文化において
神の唇にお酒を含ませるための道具=イクパスイを差し上げます。

 

 

若大賞
該当なし

今回のエッセイには若さを感じるものはなかったです。(高橋基)

 

 

青大賞
応募作品#8 ミラノの奇蹟
著:鎌田浩宮
テーマ;ビッグトゥモロウ

鎌田さんの作品ばかりが多くなってしまいましたが、自分は世捨て人、余生を生きている、みたいなことを語りつつ、自分の育った街を何とか支えようと奔走する姿が面白いし、それに応え共鳴する方々の登場に救いを感じました。なんか人生捨てたもんじゃ無いという気持ちにして貰える作品でした。(高橋基)

賞品として、滑石のイヌイットの犬の彫刻を差し上げます。

 

 

のんき大賞
該当なし

外国語随筆部門ってあるけど、外国語随筆なかったので該当なし。(高橋基)

 

 

Mr.Boo!ギャンブル大賞
応募作品#6 昭和四十五年九月十七日木曜日
火山、川、犬、人のことなど

著:名無シー
テーマ;おれは悪くない

「血」を感じさせる私小説的なすぐれた作品だと思います。自らの内側に確かに流れている「一族」という「血」があります。人はすべからく歴史的な存在であるということは、日常の中ではあまり自覚しないものですが、ふとしたときに刻まれたDNAを感じることがあります。この作品を読んだとき、その感覚が蘇りました。(高橋基)

賞品として、ホイ3兄弟に敬意を表しつつ、宝くじを差し上げます。

 

(受賞者へのインタビューは次回「受賞コメント・エプスタ随筆大賞」へ続きます)

 

 

ブログ・エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
エプスタ随筆大賞
応募締切:2020年10月11日(日)
ジャンル:随筆
形式:Microsoft Word または googleドキュメント
   ペンで紙に書いて、または点字などの郵送も歓迎です
枚数:制限なし
テーマ:以下の6つの中から選び、応募下さい。
   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
   ・三等同僚
   ・死ぬのは奴らだ
   ・ビッグトゥモロウ
   ・耄碌と恍惚
賞品/賞金:後日発表
賞一覧:・大賞
    ・投票による読者賞
    ・裸の大賞
    ・若大賞
    ・青大賞
    ・のんき大賞
    ・Mr.BOO!ギャンブル大賞
審査員:高橋紅(くれない)
    高橋基(もとい)
    スズキスキー
発表:2020年10月吉日
応募先:info@epstein-s.net @を半角に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 

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応募作品#8 ミラノの奇蹟
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読者賞発表・エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case1 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞
受賞コメント・エプスタ随筆大賞


2021.01.14

審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」
遂に発表します。

 

この度は、中央にいる者ではなく、首都にいる者でもない、地方に住む人で審査をしてもらおう!との明確な意図の下、スズキスキー・高橋紅・高橋基の3名に審査を依頼。

しかしながら、高橋紅・基夫婦の住む秋田県横手市がどえらいことになり、クラウドファンディング「地元秋田の仲間とともに、クッキングアップルの郷をまもりたい!」が開始された。僕も寄付をした。しかし、ただお金を支援するんではなく、秋田を味わえないか、秋田へ踏み込めないか。そこで、なるべく毎日秋田のラジオを聴くことにした。

 

秋田に、踏み込む。

 

中でも注目している、ABS秋田放送「歌謡曲ふれあい電話リクエスト」(毎週月曜夜6時20分から夜9時まで。長いぞ)。昨晩も、風呂とばんめしの時間に聴いた。

聴取者から電話なりメールなり、事前にリクエストがあったから本番に司会者が電話をするわけだが、これがまあまあの確率で、電話に出ない。つながったらつながったで「迷惑電話防止のためこの会話は録音されます」と自動アナウンスが入る。ご高齢で、オレオレ詐欺対策をしているのだ。留守電の場合は、司会者が律儀に番組の旨を吹きこんでから切る。

やっと電話がつながると、司会者が相手の名前を間違えることがある。電の向こうが呆けてしまい、無音になる。会話が始まる。若い人もなまっているが、高齢者はそれが強く、何を喋っているのか分からない。司会者もつられて「んだんだ」となまる。そもそも電話の向こうの聴取者が、誰も緊張してない。敷居の高低が、東京の番組と違う。

 

横手市・クッキングアップル農家の方が撮影

 

AM電波のラジオ放送でこれ以上なまっているのは「暁でーびる」(ROKラジオ沖縄)くらいじゃなかろうか。「暁でーびる」はあらかじめ、全ての会話をウチナーグチで話す番組という主旨を掲げ、それが名物となり全国でも人気があるんだが、この番組はそれを主旨に掲げているわけではない。電リクという、今ではあまりなくなったスタイルを標榜する番組だ。

リクエストはほとんど演歌なんだが、その曲は置いてないのよねえと司会者が拒否する場合も多い。CDやレコード、置いてないのか。本当にリクエスト番組か。本当にラジオ局か。

男はおおむね男の歌手の演歌をリクエストする。「北酒場」のような明るい演歌じゃない。マイナーコードの曲ばかりで、どんなに元気でも気が滅入ってくる。俺なんぞ独り暮らしの初老で独りでめし作って酒吞んでるので、演歌が染みすぎてチャンネル変えたくなる。

演歌じゃないが暗いなと思うと、アリスだった。菅田将暉がかかったので驚くと、やたら歌詞の暗いフォーク調だ。最後から2番目にかかったのは沢田知可子「会いたい」だぞ。しかし曲が終わると聴取者とのお喋りに戻る。ここまで聴いたら意地なので、切るに切れない。

 

 

しまいにお礼のプレゼント(3点の中から選べる。細川レコード店で売っている鏡五郎「男富士」のCDか、秋田銘菓・金萬か、ボルダー潟の湯の入浴券10枚)を拒否する(この3点さえ聴き取りにくく、ラジコで繰り返し再生して書いている)。ないしは、テープ下さいとか言う。

そんなにプレゼント魅力ないのか。カセットテープ好きなんて逆に若者か。コーネリアスのPARCOコラボカセットか。確かに県内どこも豪雪なので、配送困難を慮っている人もいるんだが、そうでなく本当にいらなそうな人もいるぞ。

電話切る際、司会者に「帰り気をつけてね」と言う。聴取者は、司会者の足を心配しているのだ。豪雪、車での帰宅が困難なのだ。こうして僕は、秋田を味わえ、踏み込めたのであった。

なお、前述したクラウドファンディングですが、集まったお金は豪雪で損害を受けた農業施設の復旧と、折損したりんごの代替苗木購入などにも充てられます。
https://readyfor.jp/projects/cookingapple
ご支援・情報拡散などいただけたら、すんごく嬉しいです。横手を応援しようじゃないか。よろしくお願いします! (文責・鎌田浩宮)

 

https://radiko.jp/#!/ts/ABS/20210111190000
このURLは「歌謡曲ふれあい電話リクエスト」
2020年1月11日放送分のrajikoです。
1月18日まで聴取可能です。

 

 

2人目の審査員は、高橋紅。

 

さて、「審査結果発表 case1」で発表されたスズキスキーの講評を読み、随筆応募者はどう感じたか。以下、列記します。

 

とても細やかでボリューミーなレビューで、何より読みものとして楽しく読ませていただきました!(どうやらスズキさんによるとわたしは死んでいるらしい)しかもなかなかディープなテクノ系の音楽家とは…!面白かったです。御礼をお伝えください。

 

講評読みました!キレッキレですね。すごい、この人!面白い!頭いい!知らないことばがいっぱいで、調べてみます。ほかの2人の講評も楽しみです!

 

大寒波すごいですよね。随筆のことは忘れてたくらい過去になっていますが、スズキスキーさんは辛口ですね。正直ですね。10周年の企画だし、本気の文筆家とか作家になりたい人が応募するでもない、素人が出して良い、もう少し気楽な随筆選考と思っていたから、こんな厳しい審査があるとは…。

 

 

ちなみに、スズキスキーがテクノ系のミュージシャンだと知っていた応募者はいなかった。

そして今回は、2人目の審査員・高橋紅(くれない)による講評なのだが、夫の高橋基(もとい)より、なんと連絡が入った。12月2日のことだ。元を正せば、応募締切であった10月からこの時期にかけて、県内はりんごの収穫・出荷で忙しい。妻は仕事に目処がつかない。家内から一任され、自分が妻の分も審査を行うとのことだった。

ガーン。この時編集部は、スズキスキーからの講評を既に受け取っていた。前述の通り、スズキスキーは高橋夫妻に審査を一任すると記していた。審査結果に影響されてはいけないので、その時点で高橋夫妻には伏せていたのだが、まさか審査員が2名も降板するとは…!

高橋基本人は知らなかったが、この時点で審査は彼1人で行うことになった。そのことを伝えようとした時に、クラウドファンディングの起ち上げ・未曾有の大寒波が起こり、彼は多忙を極めた。こちらも、連絡を控えざるを得なくなった。

クラウドファンディングも大寒波も終わってはいないのだが、先日ようやく彼と連絡を取ることができ、諸々を了解してもらえた。次号「case3」で高橋基の審査を発表するが、それが即、最終審査結果となります。乞う、ご期待下さいませ。

(次回「審査結果発表 case3」へ続きます)

 

 

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エプスタ随筆大賞
応募締切:2020年10月11日(日)
ジャンル:随筆
形式:Microsoft Word または googleドキュメント
   ペンで紙に書いて、または点字などの郵送も歓迎です
枚数:制限なし
テーマ:以下の6つの中から選び、応募下さい。
   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
   ・三等同僚
   ・死ぬのは奴らだ
   ・ビッグトゥモロウ
   ・耄碌と恍惚
賞品/賞金:後日発表
賞一覧:・大賞
    ・投票による読者賞
    ・裸の大賞
    ・若大賞
    ・青大賞
    ・のんき大賞
    ・Mr.BOO!ギャンブル大賞
審査員:高橋紅(くれない)
    高橋基(もとい)
    スズキスキー
発表:2020年10月吉日
応募先:info@epstein-s.net @を半角に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 

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エプスタ随筆大将のしほり
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応募作品#1 老人と笑み
応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
応募作品#3 自転車泥棒
応募作品#4 ヴィラ・コーポ笹野101号室について
応募作品#5 我が家の家電製品
応募作品#6 昭和四十五年九月十七日木曜日 火山、川、犬、人のことなど
応募作品#7 江戸Σ
応募作品#8 ミラノの奇蹟
賞品決定・エプスタ随筆大賞
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審査結果発表 case1 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case3 エプスタ随筆大賞
受賞コメント・エプスタ随筆大賞


2021.01.12

審査結果発表 case1 エプスタ随筆大賞

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」
遂に発表します。

 

この度は、中央にいる者ではなく、首都にいる者でもない、地方に住む人で審査をしてもらおう!との明確な意図の下、スズキスキー・高橋紅・高橋基の3名に審査を依頼しました。

実は…!

昨年2020年で、実はほとんどの審査は終わっておったんです。しかし、秋田県横手市在住・高橋基がクラウドファンディング「地元秋田の仲間とともに、クッキングアップルの郷をまもりたい!」を開始することに。多忙のため、最終段階へ進めずにおりました。

横手市のクッキングアップル…加工用りんごは通常、首都圏のお菓子屋さん・飲食店などへ買い取られています。しかしコロナウイルスの影響で、買い取りは激減。大打撃を受けている地元りんご農家を救わんと、動いたのでございますよ。

しかし、予期しとらん出来事が!

2020年12月半ばから、秋田を含む日本海側・北日本に雪が降り始め、下旬から未曾有とも言える大寒波と豪雪に。しかも、1月に入っても雪が止まないのです。昨年からの数週間、太陽を見ない日々です。過去の天気を見てみて下さいませ。12月14日から、雪。日照時間ゼロ。そこから毎日、積雪量は22~123㎝。12月27日に1日だけ雪が止んで、また、雪です。

県内各地で、被害は様々なんです。秋田市と横手市では、天気予報も降雪量も風速も異なります。

低気圧が原因で、1月7日には暴風雨が発生。八峰町八森では最大瞬間風速42.4㎧を記録、観測史上最大となりました。2019年の台風19号の最大瞬間風速が、東京江戸川臨海で43.8㎧なので、巨大台風並みなんです。県内38件で、屋根などが飛ばされました。秋田市などで67,000戸の停電が発生し、避難所も開設。全復旧は、9日深夜11時32分までかかりました。

中央・首都ではあまり報道されていませんが、ビニールハウスの倒壊・りんご樹木の折損など、深刻な被害を受けています。現時点で、被害額は約2億円という報道です。高橋基や仲間の農家は、心労は既に限界を超えている、朝起きて雪を目にし吐きそうになると、SNSで状況を伝えています。

横手市・クッキングアップル農家の方が撮影

そのような理由で、審査発表が遅くなってしまいました。大変お待たせしましたが、遂に3名の各審査を順に発表し、そのうえで最終審査結果をお伝えします。

その中でスズキスキーは、エプスタ随筆大賞募集締切の2020年10月11日をもって、応募作品をほぼ読み終わっており、文を送ってくれました。まずは、スズキスキーによる素晴らしき寸評です。私達編集サイドも、断固支持します。以下、お読み下さい。

なお、前述したクラウドファンディングですが、集まったお金は豪雪で損害を受けた農業施設の復旧と、折損したりんごの代替苗木購入などにも充てられます。
https://readyfor.jp/projects/cookingapple

ご支援・情報拡散などご協力いただけたら、すんごく嬉しいです。横手を応援しようじゃないか。よろしくお願いします! (文責・鎌田浩宮)

 

 

審査員など、おこがましい。読んで、感じたことを、素直に書けたら。読んで、ひとつでも、良かったと思えた箇所を皆ンなと共有出来たら。
なんて積もりは毛頭無い。基本、褒めない。褒めて伸ばすとかは、しない。「こんな胸糞の悪い審査を受けるなら随筆なんか書くんじゃなかった」と怒られるくらい悪態をつきます。

番場正志氏。コンプライアンス感と事なかれ感が横溢してこの上ない息苦しさ。それを支えているのが氏の「医者でもないくせに」「応接室にノックもせずに入りこむ」「アポもなく来店」といった目線。自らが律している程度には他人にも自らを律することを要求している様子だが、それを唯一ぶち破る「だまされてもいいのよ!」、これは実に爽快だし、お金の使い方として決して無益ではないだろう。世の中には、損しても構わないという人はいくらでもいるのである。ただ、金融機関は、それを認めてしまったら仕事にならないから認めないだけであって、もしかしたら数年後には、お年寄りと犯人と双方の同意があれば送金が可能になるかも知れない。そういう世の中も悪くないかなと思う。ところで最後の2行、この正論が全体の力を削いでしまっている。これについては後述する。

表参道が好き氏。ディストピア小説の登場人物が作品内で書いた日記と読んだ。「ナチュラル」「個性を受け入れる」「死を意識している」、これらが圧倒的な同調圧力の結果で無いとは言い切れない。確かに彼らも自分の意見は言うだろうがその意見は宥和の範囲内でのみ交換されて、破綻の萌芽を発見すると「いいね」でよってたかって攻撃してまるっきり田舎の村八分じゃないか。ラクな世の中とは、お互いに認め合う世の中じゃなくて、お互いに「どうでもいい」と思い合える世の中のことである。

鎌田浩宮氏(在日ファンクだのサルゴリラだのどうしてこんな名前にするんだろう)。クラウドファンディングでお店に冷遇された原因が読み解けなかった。便乗詐欺扱いされたということか。「ボクはこのお店の常連で、良かれと思ってやってあげてるんですよ、なのにその態度は何だ!失敬な!」くらい言ってやってしかるべきだ。自転車撤去委託組合なる団体(実は個人かも知れないけれど)の文言は何を言っているのかさっぱり解らなかった。色々あった様だが、大体、徒労である。やらなかった後悔よりやった後悔を選ぶのは熟考の余地がある。折角ジンセー終えたんだから隠れて生きよ。

藤坂鹿氏。細やかな筆致で描き連なれる地獄物件の日々。読みながら顔をしかめずにいられない。時折挿入される夫婦漫才(グーグルの検索ワードっていつも滑稽だ)。管理会社とのネゴシエーション。そして新天地への残暑の陽射しの中での脱出。そんな奮闘の記録というのが表向きの顔で、実はこれはこの部屋で死んだ前住人の独白である。ネズミやゴキブリや(アオダイショウもか)カビが出た。だから前住人はこの部屋を退去した。退去したから死んだのである。死んだから退去したのでは無い(それでは怪談になってしまう)。生きることを終えた人には、次に向かう場所は、無い。死者は、空間の無い永遠の明日のなかにいる。それが、生きている人間には、スクリーンを照らす白い光の様に感じられるから、これを映像化するなら最後の中華料理屋のシーンは夜ではなくて露光オーバー気味の白昼にしたい。

鎌田浩宮氏再び。平成生まれ(平成生まれという時点で最早フリークスである)がこれを読んだらどう思うのかということが想像出来ない。何年前の何々、何年前の何々、と繰り返されるが、実際にその時間に居合わせた人だったら一挙に呼び起こせる当時の感覚を平成生まれの諸賢は得られない。それでいいんですよ。それだからいいんですよ。普遍的立法の原理として妥当し得るよう文章は、至極真ッ当かも知らんけど、面白く無いですよ。楽しく無いんですよ。想像だけなら、逮捕されない(FOE「DECLINE OF OTT」1986年)。鎌田家の永久機関、つまり時間から開放された故に死んだ機械。動かなくなったから死んだのでは無い。永遠に動くから、死んでいるのだ。

名無シー氏。色が、人物の立ち位置が絵コンテ的に浮かび上がってくる。噴火の朧げな赤。仔羊虐殺は、スローモーションで。遊ぶ子供達ははしゃがずに物静かに遊ぶ。不器用な長兄と気難しい三男のぎこちない会話。火葬場に響く雨音。赤ん坊をガラス越しに見つめる少年。終盤の、死を本棚になぞらえる話は、意識の逆走を思わせた。人は、生まれて、死に向かって生き続けているが、死を出発点として、母の胎内に還るような意識の持ち方は可能か?などと考えてみたりした。すると、誕生と死は、同じ現象を別の言葉で言い換えているだけなのだろうかなどと考えてみたりした。死者も生者も、大して変わらないのかも知れない。長兄が正月に引き合いに出した映画「ラストエンペラー」と通奏低音を響かせる太宰の『斜陽』。弟よ。僕は、貴族です。

名無シー氏連投。江戸Σには苦い思い出がある。横須賀の書店で雇われ店長をしていた頃、ベテルギウスという名前のアルバイトの女の子がいた。彼女は父親がアフリカ系の軍人で母親が日本人だった。そういう人は大抵バイリンガルだが彼女は英語を全く話せなかった。彼女は左目に義眼を嵌めていた。ふとした雑談から彼女がテオ・パリッシュが好きだと知って会話が増えた気がする。theoの発音がセオなのかテオなのか判別するのは日本人には難しいが、英語を話せない彼女がテオを選択したその根拠は永遠に仏滅。永遠の仏滅。ある日の閉店後バックヤードで成り行き的なセックスをした。陰茎に包茎手術の痕跡を認めた彼女は、それをユダヤの割礼と思い込み(後日に彼女がそう語った)、翌日、書店のエンド台に平積されていた、全然売れないのに取次が勝手に送品してきたキャス・キッドソンのバッグ付きムック本を全て返品ストッカーに押し込み、持参した変な鍋や変な石鹸を無断で陳列したのである。そこに社長(創業者の息子でどうしようも無い盆暗)が来店。いつものように怒鳴り喚くかと思いきや、エンド台の前で社長とベテルが、日本語では無い、聴いたことの無い言語で小声で話し合い始めた。聴いたことの無いその言語を理解しながら聴いている。

鎌田浩宮氏season3。毎朝仕事帰りのルーティンで買う麦焼酎かのかはローソンでは211円だがファミマだと214円するから必ずローソンで購入するかというと3円得したとか損したとかせこいことは考えたくないから躊躇せずファミマも使うががその癖レジ袋に3円支払うということには抵抗があり実家で貰ったエコバッグを利用するにせよコンビニの店頭には袋詰めスペースというものが存在しないため多量の商品の一括購入がためらわれるからわざわざコンビニを梯子して各店で2点か3点のみ入手することでレジでの煩雑さを回避するという分散購入方式を採用しているものの問題はつい最近折り畳み式から買い換えた長財布でこれはダイソーで300円の高コスパ商品だが折り畳み式に比して小銭入れの空間がほぼ倍の広さで現在どの硬貨が何枚入っているかを一瞥で知ることが困難であり例えば211円を支払う際にもたもたしたくないので511円出した後で50円玉に見えたのが実は100円玉で結果として財布の中に100円玉が5枚揃ってしまうという極めて不愉快なていたらくを招来することがままあるがそれがどうかした?としか言いようが無い文章であった。

皆さん本当に優等生でしたね。優等生過ぎて、随筆というよりも弁論大会あるいは青年の主張でした。
正論を、テレビやラジオのインタビューで小学生が答えている。「とてもおもしろかったです。またきたいとおもいました。」この小学生は大して面白いと思わなかったのでもう来たくない癖に必ずこう答える。そうしないとインタビュアーも困るし視聴者も嫌な気分になることを(小学生だからこそ=子供はこうやって社会をサヴァイヴする)想像出来るからだ。こうして正論は共犯を強要する。そして令和2年の現在、この共犯関係に基づいた安定した人間関係の構築にやっきになっている連中はいくら戸籍上大人でも中身は小学生である。大人なのに中身が小学生な大人は小学生以下の大人である。

今ここに1次関数のグラフがある。中心のゼロ点より下が暴論で、ゼロ点より上へ行くに従って正論という縦軸があり、横軸はゼロ点より左へ進めばポエム、右へ行くほど博物誌となる。これが随筆の座標軸である。諸作品を改めて拝読すると(名無シー氏の江戸云々はさておいて)正論を維持しているのは確かだが横軸の触れ幅が殆ど感じられなかった。つまりポエム側でも博物誌側でも無くゼロ点の極く近い範囲に留まっているように感じられた。それは「自分のこと」「自分の現実」に閉じこもっているからだ。もっと自分から離れて、むしろ自分を無くした方が、随筆は面白くなる。必要なのは人間性ではなく知性である。ものやことへの好奇心と偏愛と嫌悪・知識が新たな知識へと連鎖するコンボ即ち時空間の非連続的な抽出などが「とてもおもしろかったです。またきたいとおもいました。」のどこにあるか。

主催者の提示したテーマが抽象的過ぎる嫌いがある。その抽象性に引っ張られて、抽象の殻を抜け出せなかった感がある。試みにテーマを考えてみた。
「犬にとってリードとは何か」「胡桃割られ人形」「邦題問答」「日本人と仲良くする方法」「悲鳴学」「ハラカミが聴こえる夜」「ダサい服着て不味い飯喰った話」「マスク美女・視姦の代償」「始めるのに遅すぎることなんかない・遅すぎるのに始めることなんかない」
どうもいまひとつだな。すんません。

すんませんついでに、入賞作は、無いです。どうしても減点法でしか採点出来んくて、作品のマイナス幅の小ささでしか、判定出来へんかったです。折角の10周年記念に水を差して申し訳無いがこういう狭い時空間で馴れ合うの気持ち悪いから審査放棄します。高橋夫妻に丸投げします。本ッ当すんませんでした。すんませんでしたついでに一言。

まだまだ物足りないぜ。

(次回「審査結果発表 case2」へ続きます)

 

 

ブログ・エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
エプスタ随筆大賞
応募締切:2020年10月11日(日)
ジャンル:随筆
形式:Microsoft Word または googleドキュメント
   ペンで紙に書いて、または点字などの郵送も歓迎です
枚数:制限なし
テーマ:以下の6つの中から選び、応募下さい。
   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
   ・三等同僚
   ・死ぬのは奴らだ
   ・ビッグトゥモロウ
   ・耄碌と恍惚
賞品/賞金:後日発表
賞一覧:・大賞
    ・投票による読者賞
    ・裸の大賞
    ・若大賞
    ・青大賞
    ・のんき大賞
    ・Mr.BOO!ギャンブル大賞
審査員:高橋紅(くれない)
    高橋基(もとい)
    スズキスキー
発表:2020年10月吉日
応募先:info@epstein-s.net @を半角に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 

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応募作品#1 老人と笑み
応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
応募作品#3 自転車泥棒
応募作品#4 ヴィラ・コーポ笹野101号室について
応募作品#5 我が家の家電製品
応募作品#6 昭和四十五年九月十七日木曜日 火山、川、犬、人のことなど
応募作品#7 江戸Σ
応募作品#8 ミラノの奇蹟
賞品決定・エプスタ随筆大賞
応募作品#9 首から上の世界は…
読者賞発表・エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case3 エプスタ随筆大賞
受賞コメント・エプスタ随筆大賞


2021.01.10

募集・第1回エプスタ日記大賞

編集・鎌田浩宮
協力・名無シー

 

「バカマダのブログ、読んだ読んだ」
と疑問なく言われ続け、早十年。
実はウェブマガジンですよエプスタインズ、創刊10周年。

エプスタインズ創刊10周年記念特別事業第2弾
「第1回エプスタ日記大賞」のお知らせです。

 

昨日の日記が、楽しかったです。
一昨日の日記が、楽しかったです。
日記を、募集します。

 

 

遂に終了した「第1回エプスタ随筆大賞」。盛り上がりは、ミニマムでいい。ミニマムであればあるほど、キトクなんです。そもそもこのウェブマガジン、キャッチコピーが「キトクなwebマガジン&通販サイト」です。

YouTubeやインスタグラムのように手垢にまみれておらず、流行に感化されておらず、ものごとや心の動きをペン1本で現す「随筆」に着目しましたが、その考えをさらに推し進めてみました。

誰に読まれるわけでもなく、その日あったことを、メモや箇条書きもしくは文章で書きとどめておく、日記。随筆と同じくらい、いやそれ以上に手垢まみれになりようがない、流行りすたりからは解放/追放されているメディアです。

随筆も面白いが、日記も面白いに違わない。
だから、日記を募集します。

年齢も国籍も、どうだっていいわ。
どなたでも、参加できます。

その人の1日を記録する、日記。読んでみると、何か感ずるものがあるはずです。その人は、何を切り取り、何を記録し、何を記録しないのか。自分の感情も記録するのか、排除するのか。何を克明に記録し、どの記録を疎かにするのか。

そこに文章のうまさですとか、文学的な意義を評価し、大賞を決めるつもりはありません。なので、普段つけている日記のスタイルが箇条書きであれば、そのままでお送り下さい。その人の日記から浮かび上がる何かを楽しみ、面白がり、大賞を決めたいと思っています。

次の10日から成る候補日より選び、日記をご応募下さい。

 

1981年12月8日(火)

1991年12月8日(日)

2001年12月8日(土)

2011年12月8日(木)

2020年12月8日(火)

2021年1月8日(金)

2021年2月8日(月)

2021年3月8日(月)

2021年12月8日(水)

〇〇〇〇年〇月〇日(〇)

 

【締切】

2021年3月9日(火)となります。

 

【細則】

当然ですが、その日が訪れる前に、その日を空想して、フィクションとして日記を執筆しないようにお願いします。ただし、2021年12月8日は締切日以降なので、空想でお書きいただいても構いません。

過去の日程を選ぶ際も、その時に書いた日記があれば、それをそのままご応募いただければ幸いです。日記が残っていない場合でも、フィクションを織り交ぜずにお書きいただき、ご応募下さい。

〇〇〇〇年〇月〇日(〇)をお選びの場合は、過去や未来を含めてご自由に、その日の日記をお書き下さい。

 

【応募本数】

1本でも結構ですし、複数の日程を選び、複数の日記をご応募下さっても結構です。

 

【文体】

日記なので、箇条書きでもメモ書きでも構いません。随筆や小説のように普段書いているのであれば、それでも結構です。普段日記をお書きになっている文体で、ご応募下さい。著名人が発刊・掲載している日記に似せた文体でも、結構です。

 

 

ブログ・エプスタインズ創刊10周年記念特別事業第二弾
第1回エプスタ日記大賞
応募締切:2021年3月9日(火)
ジャンル:日記
形式:Microsoft Word または googleドキュメント または 紙に書いて郵送 点字ももちろん可
枚数:制限なし
賞品/賞金:後日発表
選考委員:後日発表
発表:2021年4月吉日
応募先:info@epstein-s.net @を半角に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 


2020.12.01

読者賞発表・エプスタ随筆大賞

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」
大賞を発表する前に
まずは読者賞を発表します

 

 

Twitter上で読者による投票を行い、以下の通りとなりました。
投票期間:2020年10月20日~27日
総投票数:40
うち無効票:2

1位 老人と笑み 10票
2位 首から上の世界は… 9票
3位 ヴィラ・コーポ笹野101号室について 7票
4位 我が家の家電製品 5票
5位 我が家の困った習慣変わるかなあ 3票
6位 昭和四十五年九月十七日木曜日 火山、川、犬、人のことなど 2票
7位 自転車泥棒 1票
7位 ミラノの奇蹟 1票
9位 江戸Σ 0票

 

事前の予想を大きく覆し「老人と笑み」が、読者賞受賞となりました。

よくよく考えてみると、現役銀行マンによる内情の口外なんである。逆探知さえしない怠慢警察への、告発ズイヒツでもある。筆者は課長のようだが、上層部に知られたら、解雇なんではなかろうか?減点至上主義の企業における、体を張った、決死の筆払い。

そして、老人は何に対して笑うのか。何に対して、笑う価値を見出しているのか。私たちはいずれ、老人になる。あまり遠くないその時に、私たちは何に向かって破顔するのか。偽物の子供に騙され会話を交わすことに、私たちは喜び恍惚するのだ。

番場正志さん、この度は誠におめでとうございました。読者賞を祝して、地球の真裏のウルグアイの手作り陶器のオウムを贈呈いたします。

 

 

読者賞受賞「老人と笑み」著・番場正志さんより

「このたびは読者賞などとたいそうなものをいただきありがとうございました。エントリー番号が早かったため、みなさまが投票していただいたのだと思います。また機会があれば、ぜひ読んでください。ありがとうございました。」

 

 

ブログ・エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
エプスタ随筆大賞
応募締切:2020年10月11日(日)
ジャンル:随筆
形式:Microsoft Word または googleドキュメント
   ペンで紙に書いて、または点字などの郵送も歓迎です
枚数:制限なし
テーマ:以下の6つの中から選び、応募下さい。
   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
   ・三等同僚
   ・死ぬのは奴らだ
   ・ビッグトゥモロウ
   ・耄碌と恍惚
賞品/賞金:後日発表
賞一覧:・大賞
    ・投票による読者賞
    ・裸の大賞
    ・若大賞
    ・青大賞
    ・のんき大賞
    ・Mr.BOO!ギャンブル大賞
審査員:高橋紅(くれない)
    高橋基(もとい)
    スズキスキー
発表:2020年10月吉日
応募先:info@epstein-s.net @を半角に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 

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応募作品#1 老人と笑み
応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
応募作品#3 自転車泥棒
応募作品#4 ヴィラ・コーポ笹野101号室について
応募作品#5 我が家の家電製品
応募作品#6 昭和四十五年九月十七日木曜日 火山、川、犬、人のことなど
応募作品#7 江戸Σ
応募作品#8 ミラノの奇蹟
応募作品#9 首から上の世界は…
審査結果発表 case1 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case3 エプスタ随筆大賞
受賞コメント・エプスタ随筆大賞


2020.10.28

応募作品#9 首から上の世界は…

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」
終盤に差し掛かりました。
SMAPも小林幸子も美川憲一も北島三郎も和田アキ子も
出終わって
大好きな綾瀬はるかさんがダメ押しで嚙み倒して
孤独のグルメはどうなったんだチャンネル変えよか変えまいか
そんな時分になりました。
そろそろ、さよならです。

 

 

題:首から上の世界は…
著:梨乃
テーマ:耄碌と恍惚

 

 ∮       §       ∮       §       ∮

 

「ちょっと、梨乃ちゃん
“ハンケチ”と”バッグ”とって。」

ハンケチとバッグを渡すと、祖母はバッグからファンデーションと口紅を取り出し、鏡に向かってファンデーションを塗りたくる。
祖母は鏡がよく見えていないので、ファンデーションはまだらで浮いて層ができ、口紅ははみ出ていた。
ちょいとホラーだ…

でも、その表情を鏡越しに見ると、うっとりと、そして満足気な祖母がいた。
(やっぱりホラー!)

ある日から「籠の鳥」となった祖母。
籠の鳥になった祖母の唯一の楽しみは
私たち家族が会いに行き、近所のマックまで祖母を散歩に連れて行くこと。

せいぜい1時間、週に2回の。

(籠、と敢えて言いたい。
祖父が亡くなってから90歳までの20年を気ままにひとり生きてきた祖母からしたら、籠なんだもの。籠に入れたのは私たちなんだけれど。)

ハンケチとバッグのやりとりは、散歩の前の祖母の高揚なのだ。
そしてこのやりとりは私でなくても、娘である叔母や嫁である私の母が行っても、同じように毎週毎週繰り返されていたことで
そして叔母も母も、その時間がかなり苦痛なようだった。
毎週、毎月、何年も。

なぜなら、現実の祖母はというと
首から下は…歩けないしトイレも自力でできない、
服は常に食べこぼしで汚れて侘しい状態だった。

籠の鳥の日々は、一日が非常に長い。曜日の感覚も失う。
起きて着替えて、寝るときにまた着替えるなんてことは普通のことだし、
生活のリズムを作るものではないか。
籠では、もちろん最初はやってくれていたことが多かったが、
どこの籠もそうなのだろう、人手が足りなくなっていく。
元気いっぱいに話しかけてくれていた人が1ヶ月後には目も合わさないくらい疲弊している。
家族に代わり下のお世話を毎日してくださっている、
そんな中で強く言えないこともたくさんあった。

でも、、汚れたら着替える、寝る前に着替えることさえしてもらえないなんて。
汚れていたらこちらで着替えさせていたが、
洗濯物を増やしてしまうし、着替えてもまたすぐ汚してしまう。

「お散歩を優先するならパジャマには着替えさせられません。」
この言葉の衝撃は大きかった。
(介護は点数の範囲なので、こんなことが起きるようだ)

元来祖母はとてもマメで綺麗好き、人一倍気位も高く、
ズボンやリュックを嫌い、フレアスカートとバッグにこだわり
床にも座らず、当然ごゴロ寝でテレビなんてことも一度もしたことない。
いつも籐のソファーに座りNHK-FM のクラシックを聴いていた姿が焼き付いている。
わたしゃ毎日酔っ払って床に寝っ転がってお笑いなんぞみてガハガハしているけど…

まだらなファンデーションと、はみ出た口紅に満足気な祖母が
トイレに行きたいと言うので連れて行く。
すると「やっぱり出ないからいいわ。」
と言うので、ズボンを履かせていると粗相をする。
(そう、籠に入るにあたり、あれほど拒否して履かなかったズボンの生活になった。)

粗相をしている真っ只中なのに
「ねえ、私の髪の毛ボサボサじゃないかしら?鏡ちょうだい。」

オイオイ、あんた今何が起きてるかご存知ないかい?と言いたくなる。
こちらは汗だくで粗相の処理しているのに。
なんてシュールなんだ…

祖母はなぜだか、常に首から下の出来事は他人事なのだった。

「私家に帰れるわよ。一人でできるから。」
歩けないのに、トイレに一人で行かれないのに?
散歩先のマックで「じゃあここで失礼するわ。」
どうやって一人で帰るの?!

祖母の首から上の世界は
今、目の前の鏡に映る自分の顔
今、目の前の見えるもの
その一瞬と、
遠い遠い過去の記憶
で構成されていた。

現実の自分、、首から下は
祖母にとっては、「ない世界」なのだった。

叔母や母のストレスはここからきていた。
現実を見ない、受け入れていない祖母に憎しみすら覚えていた。

おばあちゃん、ボケちゃったわね…
お漏らしをしているのに口紅をつけたがり、髪の毛の乱れを気にしているその姿を、ボケとして受け入れるしかなかった。
でも私は、これは生きる力なのではないかと思った。
いや、そうするしかないというのか。
下を向いて現実を見たら、生きていくことが辛くなっちゃうから…

ある日
祖母が鏡に向かって無心で口紅を塗っている姿を見た時に
ふと私の子ども時代の記憶が蘇った。

子どもの頃
母や祖母がお化粧をしている姿を見ると、なんともいえない幸福感、恍惚感に包まれた。
それは祖母がわたしの髪の毛を結んでくれている時の吐息にも感じたし
アイロンをかけてくれたり靴を磨いている姿にも。
年下の従兄弟が一生懸命絵を描いてる時の鼻息にも
猫が日向ぼっこをしてゴロンゴロンしている時にもぼんやり恍惚を感じた。

あれはなんなんだろう?

気持ちよくて、心地よくて。
人が集中している吐息に、なぜ自分が恍惚になるのかさっぱりわからない。
わたしってヘン?!
あまり人には言えないことだ…

そんなことを思い出していると、
祖母が
「梨乃ちゃん、わたし髪の毛ボサボサでしょう?ブラシとってくれない?」

正直いうと、ブラシでとかしてもあんまり意味ない髪型になっていたが
祖母は昔から人一倍髪の毛が乱れるのを気にしていた人だったので
「そうね、ちょっととかした方がいいね。」
と言って、とかしても変わらない髪の毛をひたすらとかす。

ふと見た鏡には、恍惚とした祖母がいた。

そして…わたしも。

人から見たら、祖母のそれは耄碌というのかもしれない。
実際、老いは耄碌することなんだろう。

でも、祖母を見ていたら、それは恍惚と表裏一体のよう思えた。

あのお婆さん、ずいぶんと耄碌しちゃったね!

あのお婆さん、ずいぶんと恍惚しちゃったね!?

いずれ自分も首から上の世界に
浸る時が来るのかもしれない。。

その時には、
「梨乃ちゃん、ずいぶんと恍惚しちゃったね!」
って言ってくださいね。

 

 

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エプスタ随筆大賞
応募締切:2020年10月11日(日)
ジャンル:随筆
形式:Microsoft Word または googleドキュメント
   ペンで紙に書いて、または点字などの郵送も歓迎です
枚数:制限なし
テーマ:以下の6つの中から選び、応募下さい。
   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
   ・三等同僚
   ・死ぬのは奴らだ
   ・ビッグトゥモロウ
   ・耄碌と恍惚
賞品/賞金:後日発表
賞一覧:・大賞
    ・投票による読者賞
    ・裸の大賞
    ・若大賞
    ・青大賞
    ・のんき大賞
    ・Mr.BOO!ギャンブル大賞
審査員:高橋紅(くれない)
    高橋基(もとい)
    スズキスキー
発表:2020年10月吉日
応募先:info@epstein-s.net @を半角に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 

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応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
応募作品#3 自転車泥棒
応募作品#4 ヴィラ・コーポ笹野101号室について
応募作品#5 我が家の家電製品
応募作品#6 昭和四十五年九月十七日木曜日 火山、川、犬、人のことなど
応募作品#7 江戸Σ
応募作品#8 ミラノの奇蹟
賞品決定・エプスタ随筆大賞
読者賞発表・エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case1 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case3 エプスタ随筆大賞
受賞コメント・エプスタ随筆大賞


2020.10.15

賞品決定・エプスタ随筆大賞

文・鎌田浩宮/名無シー

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」
遂に受賞者への賞品を発表します。

 

 

受賞者への賞品は、以下の通りとなりました。

大賞:ペン
投票による読者賞:オウム
裸の大賞:イクパスイ
若大賞:狛犬
青大賞:犬
のんき大賞:ダーラナホース
Mr.BOO!ギャンブル大賞:宝くじ

 

迷った挙げ句、SCHONDSGN の #01を。
大賞には大賞らしい称賛を贈りたいと考えました。

 

地球の真裏のウルグアイの手作り陶器のオウム

 

シンプルなイクパスイ。
カムイや先祖へ祈る際、この先端に酒をふくませ、祭壇に垂らす。

 

スウェーデン、陶器製のダーラナホース。

 

滑石のイヌイットの犬の彫刻。

 

文鎮は、啄木が愛した盛岡天満宮の石馬=狛犬。

 

おそらく、年末ジャンボを授与しようかと!こちらは見本です。

 

名無シー
大賞用のペンです。剣より強いペン。SCHONDSGN 無垢材切削のボールペンは矢張り高すぎてお財布を圧迫するので、フィッシャーのブレットチタンコーティングにしょうと思ったのですが…矢張り、SCHONDSGN #01に決まりました。インクはフィッシャーの宇宙インク!

鎌田浩宮
フィッシャー、テレビで観たことあります。無重力で書ける!「100万ドル以上の巨費を投じて開発した窒素ガス充填の内部均等圧リフィール」という宣伝文句で!


どれか一つの賞によさそうな置物をきのう瀬戸物屋さんで見つけました。直ぐ買えばよかったのですが、他の案なども考えて、その時買わず、今になって未だ残っていればいいなあと思い始めた次第。一点ものとかで、他の人に買われるともう買えないらしいので。

鎌田浩宮
瀬戸物屋さん、嬉しいなあ!ありがとうございます。なんと幸福なウインドーショッピングでしょう。


いずれかの賞の景品に使えればと、スウェーデンのダーラナホースを注文しました。普通のダーラナホースは木製で20㎝位ありますが、これは陶器製で15㎝位の小さなものです。ダーラナホースもロイヤルコペンハーゲンのはスタートがほぼ10万円で、とても手が出ません…。


今から400年も前の、北欧。お父さんが子供に木を彫って作ってあげたものが由来なんですね。今では、幸せを運ぶ縁起物とされている…。ロイヤルコペンハーゲンって、なんだっけ?ああ、陶磁器のメーカー!披露宴の引き出物でいただきたい。


それと、骨董品のアイヌの木彫りの熊を捜しているところです。普通の鮭を噛んでいるやつではない、机上に置けそうな感じのを捜しているところです。


色々と集めていただき、ありがとうございます。北海道・二風谷を最初に訪れた時(かなり前)に売っていた熊の木彫りは、7万円だったかな?買いたかったんだけど、当時はライダーハウスに寝泊まりしてたほどで。バイクの免許持ってないのに…。


世界の様々な場所の呼吸を感じられる物をテーマに探しております。さっき、このシンプルなイクパスイを購入。北海道の木彫りの熊は、神事に使う軽んずべからざる一品となりました。


北海道のお土産屋さんでよく見かける熊の木彫りですが、エプスタでは神の唇にお酒を含ませるための道具=イクパスイをチョイスしました。


啄木お気に入りの狛犬。南部鉄器の老舗の一品で、啄木ゆかりの神社に本物があるそうです。ミニチュア版ですね。啄木の作品にちょいちょい出て来るそうです。受注生産なので半年以上待たされます。受賞者には待って貰いましょう。


南部鉄器!中学の修学旅行が東北だったので、そこで初めて手にしたんです。1983年かな?東北新幹線が開通したばかりで、僕の中学が実験校として東北へ行くことになったんです。だから修学旅行で訪れるはずの奈良・京都には、大人になるまで行ったことがありませんでした。でも、当時は大仏や仏閣のありがたみなんぞ分からなかったので、東北の自然や名産に触れることができて、と~ってもよかったですよ。


さて、随筆のダービーはどうなるか! 心から溢れ出す詩でなくても、滲み出す染みや、忘れた頃に滴る雫のような言葉で、YouTuberを撃破!


さあ、誰が大賞を受賞するのか?僕も名無シーさんも作品を応募しとりますが、審査員は別の3名にお願いしているので、僕らもドキドキしております。失禁間際です。

 

 

募集期間を延長しました。ぜひ、ご応募下さいね。

 

ブログ・エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
エプスタ随筆大賞
応募締切:2020年10月11日(日)
ジャンル:随筆
形式:Microsoft Word または googleドキュメント
   ペンで紙に書いて、または点字などの郵送も歓迎です
枚数:制限なし
テーマ:以下の6つの中から選び、応募下さい。
   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
   ・三等同僚
   ・死ぬのは奴らだ
   ・ビッグトゥモロウ
   ・耄碌と恍惚
賞品/賞金:後日発表
賞一覧:・大賞
    ・投票による読者賞
    ・裸の大賞
    ・若大賞
    ・青大賞
    ・のんき大賞
    ・Mr.BOO!ギャンブル大賞
審査員:高橋紅(くれない)
    高橋基(もとい)
    スズキスキー
発表:2020年10月吉日
応募先:info@epstein-s.net @を半角に変換して送信して下さい
郵送は〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-20-13-410 鎌田浩宮まで

 

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審査員決定・エプスタ随筆大賞
応募作品#1 老人と笑み
応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
応募作品#3 自転車泥棒
応募作品#4 ヴィラ・コーポ笹野101号室について
応募作品#5 我が家の家電製品
応募作品#6 昭和四十五年九月十七日木曜日 火山、川、犬、人のことなど
応募作品#7 江戸Σ
応募作品#8 ミラノの奇蹟
応募作品#9 首から上の世界は…
読者賞発表・エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case1 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case3 エプスタ随筆大賞
受賞コメント・エプスタ随筆大賞


2020.10.12

応募作品#8 ミラノの奇蹟

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」

アクセス数は、5人前後でいい。
伝わる人に、強く伝わればサイコーだ。
最も小さな文学賞を、目指しています。
私たちの「綴方教室」が、今日も始まります。

 

 

題:ミラノの奇蹟
著:鎌田浩宮
テーマ:ビッグトゥモロウ

 

 ∮       §       ∮       §       ∮

 

クラウドファンディングの一件を記した随筆、「自転車泥棒」。

参加店を回っていて、ビルに自転車を停めて、10分後に戻ると撤去されていた。貼り紙を読むと、自治体ではなくビル側が撤去をした模様。私営のビルに、そのような権利はあるのだろうか?1週間後、彼らにメールを送る。内容は、ビルが建つ前そこにあったパチンコ屋とレストランの思い出話。すると、思わぬ内容の返信が。

救いのない随筆で、非難殺到。

ヨーゼフ・ヴォイス、すげえよなあ。中学生の頃から、羨望してました。社会彫刻か。いいこと言うぜ。僕は、似非隠居です。地に足をつけて社会貢献をしている人とは、比べるのも失礼な人物です。クラウドファンディングを始めて数日で、ヘロヘロの耄碌初老。

ただ終盤で書いた通り、このクラウドファンディングはその後、やや好転していったのです。「自転車泥棒」(1948)の次は「ミラノの奇蹟」(1951)ですぞ。

2020年4月20日から開始した、2か月間のクラウドファンディング。5月下旬になり、俄然お金が集まらなくなりました。起床して、メールをチェック。支援金入金の知らせ、なし。朝から極度の鬱。抗鬱剤を飲んで、1日がスタート。体重もばっちり痩せていきます。「コロナ太り」という言葉を耳にすると、羨ましかったものです。

馬鹿な頭を振り絞って、この町にある企業を回り、支援金をお願いしようと思い当たりまして。びっくり。三軒茶屋には200以上の企業がありました。子供の頃から三茶にいますが、目につくのは、飲食店や商店ばかり。オフィスビルは数えるほど。こんなに会社があるとは…。

片っ端からメールを送ります。コロナの中なので、飛び込み営業はいかんです。数日後、支援金を入金下さる会社が出てきました。個人で事務所を構えている方や、最近三軒茶屋で事業を始めた方。ご自身も大変なはずですが、そういった方々からご支援をいただきました。

また、会って話を聞きたいという大きな企業が、ちらほらと現れました。営業マンとして民間企業に勤めていた頃に買ったスーツ(生意気にJ・P・ゴルチエ)とメガネ(生意気だぞヴィヴィアン・ウエストウッド)を久々に着こんで、会社を訪問です。今どきのオフィスの皆さんは、おおむねカジュアルスーツ。自分はもう、石器人みたいなもんです。

営業マンの頃も、そして今も、頭が良いわけではありません。ただ、ウィンウィンという言葉が嫌いなんです。ウィンウィンだってよ。反吐が出る。竹中平蔵のような偽者ケーザイガクシャが、もっともらしくほざく方便です。僕はルーズ(負け)のままでもあなたへ恩を返すといったことを、企業に伝えます。

お金が集まり始めました。この度のクラウドファンディングは、支援額1個口が3000円・5000円・10000円となっています。しかし企業の多くは、数万円単位でご支援を下さいます。そこが、個人の方によるご支援と違うところです。

1929年の大恐慌では、ニューディール政策が有効でした。現在このコロナにおいては、大企業による消費者・自治体・地域への還元・支援が、非常に有効なのではないでしょうか。

一方、参加店にも動きがありました。自発的に、キャンペーンを始めてくれたんです。こりゃあ嬉しかったぞ。

ある1軒の参加店が「私たちのクラウドファンディングのサイトをスマホンで提示し、支援すると言った方に、〇〇の料理を100円で提供」という企画を打ちあげたんです。クラファンに参加していることすら隠した店さえあった中で、どれだけ感激したことか。

さらに、これに同調した別の1軒が、「私たちのクラウドファンディングにご支援下さった方に、無料で〇〇を店頭でプレゼント」と発表。

ただし!この2つのキャンペーン、蓋を開けるとほとんど効果がありませんでした。2店合計で、まさかのたった4名。ふんがー。でも、2軒の心意気が嬉しかった。ようやく僕は、孤軍奮闘ではないと感じることができたんです。

そして、参加店の1軒と知り合いというだけで、お手伝い下さった方がいました。遠方から何度も三茶にお越しいただき、チラシを一緒に配布。食事してそのお店を知りたいと、半日に3軒もメイン料理を召し上がりました。そして期間内に3度も支援金をお振込み下さり、その総額はなんと67000円。地元では決して現われない類の方でした。

タレント、落語家、俳優…三軒茶屋に縁のある著名な方々からも、快くご支援をいただきました。社会活動を行うとすぐに揶揄されるこの国で、名乗り出て下さったわけです。

そんな彼らの居住まいや作品から、いかに学ぶところが多いことか。クラウドファンディングのおかげで、出会えたんです。社交辞令で言っているんじゃありません。

その中で、国際的にご活躍だったファッションデザイナーの方が、先日お亡くなりになりました。病床から、大変な思いでご支援下さったのだと思います。そのことを忘れてはいけません。

2020年6月19日、クラウドファンディング終了。

その後も支援を続けることは、当初から決めていました。コロナウイルスが、消えてなくなったわけではない。持続的な支援がなければ、生き残れないお店が出てくるでしょう。

僕と同じ考えの方が、1人だけいました。

この度ご支援下さった企業の中の、ある社長です。「いくらでも、今払えるお金はある、でも、継続的な支援方法を考えないといけないはずだ」とおっしゃいました。耳を疑いました。彼はそれから現在に至るまで、30食ものランチデリバリーを、毎週参加店へご注文下さるようになりました。

そのランチは1000円相当のものですが、1500円でお買い上げ下さっています。それらは、福利厚生として社員の方々が無料で召し上がります。今もなお社長は、他にも何か地域貢献できることはないかと、打ち合わせに応じて下さっています。

クラウドファンディングが終わり、少しゆっくりしたかったのですが。

コロナの影響で中断していた、駅前の高層マンション建設計画がまた動き始めてしまいました。三軒茶屋キャロットタワー(27階建て)の隣に、16階と12階の2棟が計画されています。周辺は木造家屋がほとんど。日陰になっちまうし、キャロットタワーと共鳴しビル風悪化を生じます。現在、近隣住民の方々との打ち合わせに日々追われています。

実家の老猫が体調悪化し、ずっと看病していたんですが、7月に旅立ちました。僕が背中から点滴を注射すると、具合がよくなり一緒に遊ぶまでになっていたのですが。ここでまた、体重が減っていきました。

そして、本業のライターの仕事をいただきました。かなり大量の原稿を書くことになり、7月から8月の1か月間は、ほぼ缶詰でした。

そしてついに、閉店に追い込まれそうな参加店が出ました。先に書いた社長が、尽力下さいました。連日夜中まで経理を洗い直し、損益分岐点を導きました。さらには、資金面での援助をするともおっしゃって下さいました。その話は断ったものの、女将さんには笑顔が戻りつつあります。

そんなことを公言する団体はいないでしょうが、このクラウドファンディングの裏テーマは、自殺者を出さないことです。お店を孤独にさせない。1人で苦しませない。ウィンウィンなんぞとは、極北の話です。

世界は、糞味噌に問題を抱えています。地球温暖化、香港やウイグルへの圧政、新自由主義経済による分断と差別。しかし、僕はあまりに頭が悪く、それらに対するアクションのアイデアが浮かびません。一方、自分のすぐそばで困っている人がいて、放置されている。であれば、まずは眼前にある問題に関わっていこうと思っています。そこで学べることがあれば学び、糞味噌な問題へのアイデアを得られれば。

まあ、既にすこぶる耄碌していますので、鼻毛はぼうぼう、頭は禿げ散らかし、ダセえシャツ着古して。アイデアが浮かんだって、誰からも相手にされませんから。同い年の友人が立て続けに亡くなった話を、「自転車泥棒」で書きましたよね。その時、僕のジンセーも9回裏が終わったと思い込むようにしたんです。0対100くらいの大敗です。試合終了なんです。

そうそう!
最近、ようやくコロナ太りし始めました。
今頃かよ!ってな話ですね。
間食も増えたし、外食も増えましたよ。

 

 

募集期間を延長しました。ぜひ、ご応募下さいね。

 

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エプスタ随筆大賞
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枚数:制限なし
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   ・死ぬのは奴らだ
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   ・耄碌と恍惚
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応募作品#2 我が家の困った習慣変わるかなあ
応募作品#3 自転車泥棒
審査結果発表 case3 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case2 エプスタ随筆大賞
審査結果発表 case3 エプスタ随筆大賞
受賞コメント・エプスタ随筆大賞


2020.10.10

応募作品#7 江戸Σ

編集・鎌田浩宮

 

ブログのくせに長めの事業でこざかしい
エプスタインズ創刊10周年記念特別事業
「エプスタ随筆大賞」

随筆は元々、自由度の高いものです。
頭の中で描いたことを書いてもいいし。
過去にあった出来事を書いてもいいし。
つれづれなるままに、筆を滑らせるのですね。
私たちの「綴方教室」が、今日も始まります。

 

 

題:江戸Σ
著:名無シー(原案:Ω)
テーマ:死ぬのは奴らだ

 

 ∮       §       ∮       §       ∮

 

東京は嘗て近世まで江戸と呼ばれていた。
当時、江戸は世界でも有数の大都市だったが、その繁栄の影に「Σ(シグマ)」が存在していたことを知る人は少ない。

Σは、錦の御旗を掲げた薩長の間諜によりその実態を追及されかけたが、Σについて書き記された古文書は、全て上州の楮で漉き上げた水に濡れても絞っても破れない特殊な和紙にしたためられていたので、Σを護る町人達は、その古文書を江戸のいずれかの井戸に投げ込んで秘匿し、今もその井戸がどこにあるのか誰も知らないと言う。
ただ、それが真実ならば、Σは関東大震災も、東京大空襲も掻い潜り生き延びた可能性は高い。

薩長の間諜達は、ウンデット・ニーやソンミ村の如くΣの根拠地を血の海に変えるべく臨んだが、Σの返り討ち──それは敵の攻撃を傘を斜めに傾けてかわしたり、拳一つ分腰を浮かせてかわしたり、敵の間違えを指摘したりせずに寧ろ同じ事をして場を和ませる謎の力と言う人もいる──に遭い、誰一人帰還できた者はなかったという。

その話をしてくれたのは、仮の名をΩとするが、私が昔いた職場の十位年上の先輩で、Ωは嘗てその姿を消したΣの所在を突き止めるべく、東京の井戸という井戸を巡り歩いているといっていた。

まだ平成も始まって間もないある夏の夜、Ωが〓〓区の舌状台地の崖下にある井戸のポンプを、誰にも見つからない様そっと取り外して、井戸の中を懐中電灯で照らしながら、マジックハンド式のタモを差し入れようとした正にその時だった。
崖上に立つブロック塀の上に巨大な満月を背負いスローロリスの様な動物が座っており、両手を器用に使って巨大な虫を貪り食いながらも、その目は完全にΩを凝視していたと言うのだ。
しかも、そのスローロリスは、頭髪をチックでオールバックにしていたという。
あの強い眼力…… Ωは、思い出して語りながらも震えていた。
何らかの強い力を受けたΩの腰は拳一つ分浮かび上がり…… そこまでは覚えているが、その後の記憶が無いという。
ただ、薄れる意識の中で、最後に見たのは、スローロリスの巨大な目と固められた髪、そしてΩの懐中電灯が偶然照らし出したスローロリスの左胸に輝く議員バッジだったと言う。

次に目を覚ました時、Ωは自宅の風呂場で着衣のまま──靴すら履いていた──湯槽の湯に浸かっていた。
しかも、湯は冷めておらず、適温だった。たった今そこに運び込まれたかのように。
キッチンのテーブルにはバラバラになった虫の食いかすが散らばっていて、室内に整髪料の中年臭いにおいが漂っていた。

Ωの話はそこまでだった。Ωはその話をしてくれた後程なく職場を去った。
大分後になって、私は職場を辞めたΩに似た男が、ある議員に秘書として随行しているのをテレビのニュースで見たことがある。
今は鬼籍に入ったその議員は、オールバックで、飛び出そうな目玉がトレードマークだった。

江戸Σの存在を信じるも信じないも皆さん次第だが、一方、真実はとなると、それはただ一つだけなのではないだろうか。

残念ながらその後のΩの行方も、Σの所在も私は知らない。

 

 

募集期間を延長しました。ぜひ、ご応募下さいね。

 

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   ・お楽しみはこれからだ
   ・おれは悪くない
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発表:2020年10月吉日
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応募作品#9 首から上の世界は…
読者賞発表・エプスタ随筆大賞
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2020.10.09