2012年8月3日(金)も、首相官邸前、行ってきたど!

取材/撮影/文・鎌田浩宮

no nukes.
そして、
青いロープ
も、
いらない。

1週間、間が空いたために
(実際には国会大包囲があったから、間は空いてないんだけれど)
少し気分がリフレッシュできた。
三軒茶屋からは約30分。
行ってきま~す。

開始の6時より前に着く。

ホームの壁にある案内図。
首相官邸と国会議事堂は、斜向かいにある。

開催前の6時前だからか、警官も少ない。
でも、トイレにも警視庁の人間がいるのには笑っちゃう。

今日も、地上に上がる4つの出口のうち、使えるのは4番出口だけ。
他は封鎖している。
それこそ、地震や災害があったらどうするんだろう?

開催前で警官も少なく閑散としているが、階段を昇っていくと、打楽器の音や人々のシュプレヒコールが、開始前だというのに聴こえてくる。

 


張れる、
整然さ。

 

地上に出た。
判りにくいが、警官と主催者が一緒になって、首相官邸前に辿る最前列へ行く左手ではなく、最後尾のある右手へ歩くよう指示される。
午後5時45分。
6時の開始前なので、シュプレヒコールをしている人は少ない。

いかに人々が、整然とマナーよくデモに臨んでいるかが、判るでしょ?
僕は何カ月もこのデモに参加してるけど、終わった後に、ごみ1つ落ちてないよ。

それでも、これまで僕が報道してきたように、デモの終盤、次第に騒然としてくるのは、政府への怒りもあるが、警察の強固すぎる警備によるものなんだよなあ。
それが再確認できただけでも、時間前に着いてよかったと思ってた。
他の国なら、デモ開始前で、こんなに整然とはしていないんじゃないか?

さらにまっすぐ進むと、直進すれば最後尾に着くはずなのに、迂回して遠回りをし、最後尾へ行くよう強要される。

既に様々な箇所へ鉄柵が施されているのが分かると思う。
こういった面倒臭えことで、デモに参加する人が減ってはまずいよなあ。
本来、自由や、生存の権利を求めるのは、楽しいことのはずなのよ。

迂回路を左折、最後尾への道。
ここは首相官邸と、建物を挟んで正反対、かなり遠方に当たる。
が、ここまでも車道と歩道の間に鉄柵があり、首辺りの位置に青いロープが張られて、危ないなあ。

 

分離
では
なく、
拡散。

 

約5分歩いて、ようやく最後尾へ着く。
僕がデモに参加した当初は、駅周辺の車道はデモ参加者のために1車線が歩行可能になっていた。
したがって、このくらいの時間に来れば、最前列近くで参加できた。

しかし今は、このように数百メートル離れた所に移動させられるんだけど、想像力で一体感を形成できるから、大丈夫。
僕らは分離させられているのではない。
拡散しているのだ。

これ、拡散している証拠なんだけれど、首相官邸前の最前列へ行けず不満な人は、国会正門前にて
「原子力規制委員会の人事を撤回せよ!」
という趣旨のシュプレヒコールをするから、その方面に向かって下さいと、いう案内が出ているんです。

最後尾。
このように、車道と歩道の間に警察車両が隙間なく並び、車道へは行けなくなっている。
この状態が、最前列まで延びている。

今回から新登場の、青いロープ。
なんかあったら、本当に危ないよなあ。

午後6時を回った。
僕も制止を無視して、できるだけ首相官邸前の最前列へ近づいてみた。
こうしてみると、女性、多くて嬉しいなあ。
逆に、男、特に若い男!
しっかりしようぜ。

先日の国会大包囲の影響もあってか、若者の参加も少し戻ってきた感はあるけれど、やはり参加者のメインは50代以上の人々。
そのお年寄りが歩きたいところを歩かせない警察。
孫の世代、20歳代の若い警官たちばかり。
何を怖がってるんだ警察は。
訳が分からない。

このお年寄りたちが、この国もこの街も作ってきたんだよ。
そういうこと、してはいけない。

今日は参加者の、最前列へ自由に進めないフラストレーションが、いつも以上に高かった。
この黒いサングラスの主催者のように、警官と一緒になって、お年寄りらを列へ強要している光景も多く見受けられた。

この高齢の方々が参加者の中心だし、参加しているだけでもありがたいはずなのに、主催者がお年寄りにかける「言葉」を持っていないことはまずいと思った。
まずは感謝し、その意を表すこと。
この光景は、今日のキーワードだ。

この車、「再稼働反対 原発いらない」と書かれてます。
車道は規制されていないので、このような車がよく通り、頼もしい。
パスタ―を貼っただけの車、車内でプラカードを持っただけの車、様々通って嬉しい。
他にもバイクや自転車が、規制を受けずに拡声器さえ携えながら走っている。

 

衝突。

 

今日も著名人を多く見た。
川田龍平君、雨宮処凛さんなど。
もー、渋谷や原宿より、著名人多く見かけるぞ。

そして、今日は報道ステーションに坂本龍一さんの出演となっていたので、多分来ているんだろうなと思っていたら、坂本さんがスタッフ・主催者と共に、目の前をさっと通りがかり、最前列へ向かって行った。
僕がガッツポーズを示すとガッツポーズで返してくれた。
坂本さん、これから最前列でスピーチなのかな?
自由に歩けない、自由に動けないフラストレーションも相まって、多くの人が坂本さんの後を追って最前列へ行こうとした。
そして坂本さんらのみを最前列へ通し、あとはシャットアウトした警察と僕らが、至極激しく衝突した。
その光景が、上の映像です。

騒然。
警官も一点集中でどんどん集まってくる。
逮捕者が出なくて本当にほっとした。

その様子を撮影する私服警官。
滑稽です。

その騒然としたまま、終了の午後8時を迎えた。

一方で感動したのは、衝突した場所が地下鉄の出入口だったのだが、8時近くだというのに続々とデモに参加する人が昇ってきたことだ。
会社帰りなのかも知れない。
ほんの少しでもいいから、と駆けつける人、次々と。
その多くがカメラを手にして、何が起きたのだと撮影しながら、最後尾へ歩いていく。

それから少し経ち、封鎖が解かれた。
ようやく来られた、首相官邸前。
もう、人は少なく、静けささえあった。
十数人の警官が、官邸へ渡る横断歩道を塞いでいる。

主催者の人に尋ねると、ここでは坂本さんのスピーチはなく、日没前の6時半頃に、国会議事堂のデモの方でスピーチをしたそうだ。

 

毎週
来ている
お年寄り

身に
なり。

 

別に坂本さんに会いたくて、うろうろしている訳じゃない。
しかし、毎週、梅雨の大雨の中、酷暑の中をやって来る皆は、相当にタフな状況なのであって、何らかの得るものを求めていないと参ってしまう。

特に、体力や気力の消耗が激しいはずの、中心層を成している年配の方、お年寄りには、主催者側も殊更の気配りが必要だ。
警官と同じ「言葉」で、列に戻らせるだけじゃ、いけないと思うのよ。

でも、僕らは、一方的に主催者を非難はしない。
どこかの政治家や政党みたいに、安易な仲間割れをしてこの国を駄目にする愚行なぞ、もってのほかだもので。

次こそ、この道を奪回するんだ。
自由にものを言い、自由に歩く。

希望、
ひとつ、
見つけて
帰る。

 

そんな思いで三軒茶屋に帰ってきたら、駅中に貼ってあったこのポスター。
あらあら、嬉しいじゃないか。
保坂区長、頑張ってるねえ。

世田谷ヤネルギー

自然エネルギーが、区政としてもビジネスとしても、回転し始めたってことだ。

もう、変わり始めたんだ。


2012.08.03