第71話 第2章「ナポリタン」の巻

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「じゃじゃじゃーん!ボクジャイア〜ン!」
お店のキッチンで叫ぶカノジョ

ちなみに、それをいうならボクドラえも〜ん!であって、
ジャイアンの場合は、俺はジャイアンが正しい

なこたぁ〜 どうでもいいけどね…

「どしたん?なんか新メニューでも作ったの?」

「ははは、高校2年のたいさくだよ〜ん!」

それって、もしかして構想2年?
付き合いが長くなってくると、
不思議とコイツの間違ってるけど言いたいことが、
瞬時に解ってくるというもんだ

「んで、なに作ったんですか高校2年の女子高生さん?」

「喫茶店の定番、懐かしのナポリタンだよ、キミ!試食したいか?」

「いいね、ちょうどオナカすいてきとこなんだ」

見た目はナポリタン
一口食べてみるとナポリタン
まあ、そんなもんだねナポリタンなんてものは

「うん、美味しいよ」

「オマエ、わかりやすいな、フツーだなとおもってるべ…」

ギク!

ボクがコイツの間違い日本語を理解できるように
コイツもボクの心理がわかるらしい…

「まあいいや、ナポリタンなんてそんなもんなのだよ、キミ!ということで、今日から定番メニューに決定〜☆値段はいくらにしようかな?380円くらいなら客は嬉しいだろうけど、アタシが儲からないから500円にしよう」

どういう、料金設定してるんだろう?
多分、感覚だろう、
コイツのことだから原価とか考えてないだろうからね

感覚とはいえ
380円では儲からず500円で儲かるということは
カノジョの中では120円儲かるワケだな

しかし、キャバ嬢やっていて、
おそろしい金銭感覚の持ち主だったコイツが
120円の儲けのためにナポリタン作っているとはね…

ボクはカノジョのことをわかっているようで、
ホントのところは何もわかっちゃいないのかもしれないな

などと、考えながら食べているうちに完食してしまった

「あ!しまった!」

「ん?」

「後半にタバスコかけようと思ってたのに忘れてた!」

そう、ボクは前半はそのままで、
後半に味の変化を付けるためにタバスコをかけて食べる主義なんだ
けど、考え事しながら食べていて忘れた…

「んじゃ〜、お客さん、お変わりしますか?お変わりは380円でいいですよ〜♡」

 

 

2012.03.15