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- 2012.11.14:第九十八夜:「わたしの想うアレやソレ」
- 2012.10.31:第九十七夜:「いきものアルバム最終回 <イヌ>」
- 2012.10.24:第九十六夜:「百夜通い」
- 2012.10.18:第九十五夜:「二度と辿り着けない場所」
- 2012.10.11:第九十四夜:「わたしの理想」
- 2012.10.03:第九十三夜:「ワカゲノイタリ」
- 2012.09.26:第九十二夜:「私は巨大になりたい」
- 2012.09.19:第九十一夜:「近頃のあたしゃ・・・」
- 2012.08.15:第九十夜 :「あなたは知らない世界」
サブ・コンテンツ
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- 2023.03.04:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑥
- 2023.02.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑤
- 2023.02.25:[Radio] walkin’ to the beat everlasting④
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第四十七夜:「ミームの行方」
angelscamp.org title=”diary_memem” src=”http://epstein-s.net/wp-content/uploads/diary_memem1-300×218.jpg” alt=”diary_memem” width=”300″ height=”218″ />
「ミーム(meme)」とは、文化を形成する様々な情報であり、
人々の間で心から心へと伝達や複製をされる情報の基本単位を
表す概念だそうです。 会話や振る舞い、文字、儀式等によって
人の心から心へとコピーされるもので、遺伝子が子孫へ伝達される
生物学的情報であるのとは対照的に、ミームは人から人へ伝達される
文化的情報なのだそうです。 はいウィキペディア転載です(笑)。
こんな事を突然書いたのはこの「ミーム」が
ヒトだけのものではないのを知ったからなのです。
鳥の歌にも文法あるかも 親に学んでる?京大助教ら実験
鳥の歌にも「文法」がある――。京都大の安部健太郎助教(神経科学)らの実験で、こんな結果が出た。鳥は歌の文法を成長期に親から学んでいるらしいこともわかった。米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版で27日発表した。
安部さんらは、「歌」でコミュニケーションをとるスズメ目のジュウシマツを使い、録音したジュウシマツの歌を聞かせて鳴き返しが増えるなどの反応をみる実験をした。
「歌」の要素になっている音の順番を入れ替えて聞かせると、入れ替える箇所によって反応する場合としない場合があった。雄と雌17羽ずつで実験をしたところ、反応したのはどちらも同じ入れ替え方だった。
http://www.asahi.com/science/update/0627/OSK201106270037.html
ヒトだけでなく、ジュウシマツもまた親からの文化伝達があるのです。
親から子へ「歌」を伝え、その「歌」で見知らぬ個々が触れ合い、
それが縁でジュウシマツも子孫を残したりしているのでしょうね。
「歌」が新たな「種」を生み出しているともいえます。
なんだかこの記事を読んで、すごく穏やかな気持ちになりました。
ジュウシマツは歌を子に教えるのか~って。 いい文化だなあって。
やっぱりこんな会話してるのかなあって。
母親「こうよ、いい? ♪ぴょぴょぴょ、ぴょぴぇ~ よ!」
子供「こお? ♪ぼぼぼ、ぺょぴー!」
母親「ちょっとお、パパみたいな歌い方してえ!」
子供「うん、昨日パパにならった」
母親「ダメよ!パパは近所でも音痴で有名なんだから!」
子供「そうなの?パパ昔は歌手だったって言ってたよ?」
母親「だったらGoogleで調べなさい」
子供「はーい」
冗談はさておいて(笑)。
では「ミーム」という概念の発端であるヒトはどうなんでしょうね。
文化の伝達なんてできているのでしょうか?
いや、伝えるべき、残すべき文化を誰が理解しているのでしょうか?
おおげさですがそう思うと、ちょっと不安になってしまいます。
私は今、先立ってしまった夫が大好きだった星や天体観測を、
夫の代わりに息子へ伝えています。
晴れた夜には屋上にマットレスをもっていって、
二人で天体観測をしています。
最近、大きな反射望遠鏡を買いました。 結構なお値段しました・・・。
星を見る事、それはあえて伝えようとしているのもありますが、
そうやって息子と語る時間がなによりも愛おしく感じられるように
なったからもあります。
私は正直、星が昔から物凄く好きだったわけではありません。
小さい頃から星空を見上げると自身が酷くちっぽけに感じる事に
どこか恐怖していました
それが次第に、歳を重ねる度に、私は星空を見上げるようになっていきました。
成長する毎に、様々な事象、様々な人々から学ぶ度に、そして夫と出会い、
星空が私に近くなりました。
多分、元々ちっぽけなのだという事をしゃんと「理解」していったのでしょうね。
息子の鉄郎は私の速度を無視してぐんぐんと育っていきます。
もうすぐ身長も追い抜かされるでしょう。
そしていつの日か巣立ち、伴侶を見つけ、子を授かる。
それはいいのです。 それを私は願っているのですから。
ただ彼の中に、私と夫の「ミーム」は蓄えられたのか、
それは彼にとって、大切で重要な「ミーム」となったのか、
などとも考えてしまいます。
まあ、本当はそんな事どうでもよくて、
餓死しないように生き抜いて、日々の中にちょこっとでも
幸いを感じて暮らしていってくれれば、
愛し愛される生涯であってくれれば、と思っていますが。
そして先日。
望遠鏡をセッティングしていた鉄郎が鼻歌を歌っているのをみました。
それは私と夫が大好きだった曲。
私も普段からよく口ずさんでいた曲。
私よりも夫よりも可愛らしく、澄んだ声で歌う子。
これで私は「ミーム」の行方を恐怖することは無くなりました。
気持ち良さそうに小声で歌っていたので、
終わるまで出て行かないようにしようと思いましたが、
歌詞が大きく間違っていたので、私は即座に駆け寄りましたとさ(笑)。