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選挙近いんで、話してみる2
構成・写真/鎌田浩宮
文/名無シー・鎌田浩宮
2019年7月21日、参議院選挙がありんすね。
前回は、2019年最高の傑作「新聞記者」について、
お喋りしました、おっさん2人。
鎌田浩宮と、映画評論家の名無シー。
連載第2回は
れいわ新選組についてお喋りします。
国会議員・山本太郎が立ち上げ、
公明党に異を唱える創価学会員、野原よしまさ
家族を北朝鮮に拉致された、蓮池透
元銀行員であり元セブン・イレブンのオーナー、三井よしふみ
など、二度観したくなるメンツを、立候補者として擁立。
久々に、政治が楽しくなってきたのでは。
しらけ切っていた
今回の選挙に
れいわ新選組が。
鎌田浩宮
当初、れいわ新選組は注目されていませんでした。しかし、2ヶ月という短期間で2億円超えの寄付金を集めた事が、マスコミの注目を集めました。政治には、カネが必要です。活動基盤として不可欠なカネを保有している事が、マスコミから政治団体としての信頼を得たのです。
政治資金規正法により、政治団体に対して個人が献金できるのは、150万円までです。したがって、うん千万円という大口の献金がいくつもあったのではないようです。朝日新聞「山本太郎氏に異例の寄付金 なけなしのお金、託す理由は」を読むと、1000~5000円という小口の寄付が6~7割を占めているんですって。すごいぞ、これ。
名無シー
大きい希望無いなりに、れいわは堅実に戦おうとしていますね。山本太郎は、仮に言うほど議席獲得できなかったとしても、政治家としての成長には目を見張るものがあると思います。表層的に見ても、ディストピアムーヴィーのカウンター判官じゃないでしょうか。映画「トータル・リコール」のシャム双生児の指導者であり、スカイウォーカーの血筋の役どころです。
鎌田浩宮
そうそう!僕も、安倍政権を含む世界中の悪政は、シスが率いる帝国軍だと思ってました。太郎はジェダイですね。
庶民にとっての最大関心事
“経済”について
かなり勉強をしたようだ。
鎌田浩宮
半年か1年前だったかなあ、僕の近所・三軒茶屋駅前に、太郎君が演説に来たんですよ。脱原発など、彼が今まで強く訴えてきた話題はなし。全ての時間、液晶モニターを使って、消費税増税がどれだけよくないのか、どうすれば財政が健全化するのか、ていねいに持論を説明し、質疑応答の時間もたっぷり取っていました。
聴衆は次第に増え、30~50人ほどになったかなあ。どんどんスマホンで拡散してね!と、ツーショット撮影会もしてた。この数年、経済について相当勉強したんだなあと感心しました。彼の消費税に変わる代替案は、説得力があったんです。
名無シー
三井よしふみ氏の会見でもそれはやってました。三井氏は被搾取の代表として擁立されていて、消費税が零細事業主を追い詰めていることを、コンビニオーナー店長の例で語っています。
上に掲げたyoutubeを、是非見てみてください。東北の震災で、社会インフラと言う政府が掲げた旗印で、どれどけのコンビニ店長が避難せずに死んだかもリークしています。その他、報道できない系の物凄いリークもあります。
彼は住友銀行の出身で、恐らく山本氏への立ち上がった素人イメージを、彼が擁立を受けたことによって、少し刷新する効果のある人選でもあるとみられます。
れいわ新選組が
野党の二の舞に
ならないために。
名無シー
野原よしまさ氏が山本氏の対抗勢力への交渉力の象徴となるのと同じで、擁立の人選は、多様性や話題性、クリティシズムの他に、山本氏の政治家としての手腕の演出も考えられている事と推察できます。
鎌田浩宮
安倍らを七人の侍に模してイラストを描いた、馬鹿な漫画家がいるんでしょ?キャラクターの豊かさであれば、れいわ新選組をチョイスして描くべきっしょ。クリエイターとして、アンテナどうかしてるぜ。
茂木健一郎のツイートより
『れいわ新選組の候補者ラインアップは、その文脈の選択の仕方自体に情報があり、ある意味では「現代アート」のキュレーションに似ている。そこが新鮮なのだけれども、逆に言えば、今までの政党の候補者選定が月並みというか、いかにも、ということが多かったということだろう。』
名無シー
芸能人を擁立と言うのと真逆ですが、有権者がどの位それを受け止めるリテラシーがあるか?という難しさもありますね。山本氏も成長しましたが、必ずしたたかな参謀もいるはずです。今はこれでいいと思います。
将来、勢力を拡大できたとしたら、いつかは必ず火器の流通阻止と経済的ヒエラルキーからの政治の脱却、貨幣との対峙の思想の有無が問題となるでしょう。 表立たなくとも潜在的にそれは問題なのです。
そうでないなら、山本氏もこれまでの政治家と同じ轍を踏むことになるのです。今から、そう言う事に関するシンクタンクの構築も、党内のこととしてではなくとも視野に収めなければ、早晩新しい時代の政治を諦めることになるはずです。
勿論、山本氏の時代に全部顕在化させる必要がある訳では無いですが、その片鱗は出して行かなければ、これまでの野党同様、存在意義を疑問視されるわけです。
2019年のこの息苦しさ
を、少しでも変えたい。
鎌田浩宮
名無シーさんが「火器の流通阻止」という言葉で象徴している、自民・公明の先にあるアメリカへ対しての戦略…「こいつを今のうちに考えておかないと、辺野古問題に対して何もできなかった民主党政権の二の舞になるよ!」っつーことですよね。 それはよく分かります。
民主党に対するどデカい期待が、どデカい失望に転じて、安倍一強を産んでしまったのですから。 それは分かるんですが、民主党政権当時を思い出すと、2019年の今を覆い尽くしている息苦しさが、あそこにはないんですよ。風通しの良ささえ、記憶に残ってます。
だからといって、安直な二大政党制を称賛するわけではありません。安直にアメリカの民主党・共和党、イギリスの労働党・保守党を真似しても、ダメな事は分かっています。アメリカもイギリスも、分断と差別の真っ只中ですから。
ただ、長期政権ってろくな事がないな!というのが、今の安倍政権への印象でもあります。政治にベストはない。どちらがベターかを選択するしかない。であれば、長期政権をぶっ壊したい。
野党が、過半数を取る必要はない。
自民・公明の議席数を
一定数減らせられれば
今回はそれで、成功。
名無シー
まず、野党と与党の逆転と言うのは、現実的にはいきなり起きることはないと思います。山本氏もそんな事は勿論考えていません。今彼等に獲れる議席数を、最初の足がかりにしたい訳です。
鎌田浩宮
僕も、そうです。誰も、今回の選挙で二大政党制の復活は考えていないでしょう。
名無シー
そして現実味として期待の及ぶところで考えると、少なくとも与党内で、もう今のスリートップではまずいと言う機運が高まって、トップの交代が起きる、現状を支えた内閣情報調査室に責任を問う声が起きると言うところでしょう。
鎌田浩宮
今回の選挙で、自民・公明の得票が前回より減れば、安倍一強じゃまずいんじゃねえの?という声が、党内外から出てくるわけだ。まずはそれを目標にしよう、と。
名無シー
実際はそう簡単に行かないとしても、その方向性が示唆されれば、大分良いという感じだと思われます。そうなってくると、以前のように与野党を越えて、福祉的な事案等に同じ法案を通すための、共同歩調等も生まれうる希望も見えてくるかも知れません。そのためには、野党が与党内の責任論を醸成するだけの、議席の一定数の伸長を見せる必要があると思われます。
鎌田浩宮
僕がこれまで生きてきた50年間で、現在の第二次安倍政権以外、全ての政権は野党へ歩み寄り、共調していたよ。だって、そうしなけりゃ国民の信頼が失われ、次の選挙で大敗する羽目になったんだから。
名無シー
現与党指導部一強については、与党内にも以前のような多様性がなくなっていることが一つの徴候に見えます。恐らく指導部ではない会派は、暗示的なレベルの脅迫的な示唆によって黙らされているのではないでしょうか。
この記事、次回につづく…
ちなみに前回の「新聞記者」についてのお喋りは、こちら…
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