- 2017.08.27:舞天(ブーテン)メンバーより皆さんへ
- 2017.08.06:got to tell you
- 2017.08.05:fools
- 2017.08.04:ハラペコ
- 2017.08.03:音楽
- 2017.08.02:swallowed hope
- 2017.08.01:正しい運転
- 2017.07.31:1人分のチケット
- 2017.07.30:舞天(ブーテン)ライヴ「越静寂」に非難殺到
- 2017.07.22:キャマダ、訊かれてもないのに自分のヴォーカルを語る
サブ・コンテンツ
- 2023.03.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑦
- 2023.03.04:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑥
- 2023.02.26:[Radio] walkin’ to the beat everlasting⑤
- 2023.02.25:[Radio] walkin’ to the beat everlasting④
- 2023.02.19:[Radio] walkin’ to the beat everlasting③
コイズミクロニクル
文・鎌田浩宮
タカツカアキオ
の曲も
入っている、
小泉今日子さんの
3枚組アルバム。
高いけど、
買うでしょ。
俳優としての彼女もすこぶる素晴らしい。
「あまちゃん」は忘れられない傑作だったし、「スーパーサラリーマン左江内氏」も素晴らしかった。
何しろ「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「ムー一族」の久世光彦にびっしりと鍛えられた素地がある。
俳優としてのエゴを出さず、作品のために、監督のために尽力する姿勢が素晴らしい。
でも、彼女のデビュー時を知っている者としては、歌手としてのキャリアを忘れない。
3年と持たない厳しいアイドルの世界で、一体どのくらいアイドルと言われ続けているんだろう。
僕の無二の親友にして、僕らのバンド・舞天(ブーテン)のメンバー・タカツカアキオの曲も収録されてしまっておる、小泉今日子さんデビュー35周年記念ベストアルバム「コイズミクロニクル ~コンプリートシングルベスト 1982-2017~」が発売された。
そう、これまでシングルカットされた全50曲をリマスタリングしたアルバムで、僕の買った「初回限定盤プレミアムBOX」には、ジャケット写真や彼女が当時書いた直筆の歌詞などが143ページにまとめられた「コイズミ図録」と、楽曲を提供した作曲家や作詞家らへインタビューした350ページ以上もある豪華本「小泉今日子と50のシングル物語」がついている。
めでたい、パチパチ。
通販サイトで予約していたので、発売日の前日に到着。
ビートルズの
アンソロジーシリーズ
のようで。
おお、タカツカさんへのインタビュー、載ってるではないか。
僕が知らなかった事も、多く載ってるぞ。
・公募を見てこの曲を送った際に、採用される自信はいかほどだったか
・なぜこの曲がシングルカットされたのか
・なぜアルバムとシングルではアレンジがかなり異なるのか
いやあ、知らなんだ。
ここにその秘話を書いちゃいたいけど、皆さん、買って読みなさいね。
そこに
いた
こと。
ちなみにタカツカさん作曲「Nobody can,but you」は5ページ割かれているが、彼女の代表曲「なんてったってアイドル」は11ページ、「潮騒のメロディー」は15ページも割かれておる。
こりゃあ、全文読破、時間かかるど。
kyon2本人も、先日放送された特番「小泉今日子のオールナイトニッポンGOLD」で、自分が確かにあの時そこにいたのだという証しになるる本とフォト集だと言っていた。
(53分37秒から、このアルバムについて語っています)
メロディーの
素晴らしさが、
際立つ。
タカツカさんの曲はもちのろんのこと、kyon2の曲、本当にいい曲、多い。
当時アイドルとして曲も良質とされていた中に中森明菜・松田聖子がいるが、僕の好みは圧倒的にkyon2だ。
kyon2は旧態依然としていたアイドルという「偶像」をぶち壊して歩み進んでいたから、当時から曲も冒険的と言われていた。
今聴くとそれらのメロディーは素晴らしいものばかりで、1つの曲として親しめる。
筒美京平作曲の作品が多いのも驚きだった。
筒美は当時、あちこちのアイドルに最前線で曲を書きまくっていたから、逆に言えばアイドルもののド定番、平凡、凡庸というイメージがあったからだ。
アイドルで始まり、
アイドルへ戻る。
僕は歌謡曲マニアでも、アイドルオタクでも、ない。
kyon2の熱心なファンというわけでも、ない。
僕にとってのアイドルというのは、小学3~4年の頃人気絶頂だったピンク・レディーしか存在しない。
それまでビートルズファンだった僕は突如狂ったようにピンク・レディーを拝み始め、小学5年にはもう拝むのを止めYMOの虜になっちまうのだから、その2年間というのは真に濃密なものだった。
したがってkyon2の曲もアイドルのファンとして聴いたものではなく、すこぶる冷静に当時から耳にしていた。
そんな僕でも、タカツカさんがkyon2に絡んでいたという事を差し引いても、いい曲だと思うのだ。
不死鳥。
その姿勢。
デビューから4枚目のシングルまでは、正統派アイドル楽曲。
その頃はもちろんCDではなく、ドーナツ盤と言われた45回転のEPヴァイナル。
kyon2曰く、当時は卓も24チャンネルしかなく、ピンポン録音をしていたそうだ。
そこから先駆者として様々な曲を歌い、とがるところまでとがり、ドラマ「あまちゃん」挿入歌「潮騒のメモリー」でアイドルとして不死鳥のように甦り、チャート2位を獲ってしまうという。
アイドルで始まり、アーティストとして駆け抜け、アイドルに戻っていくという。
35年間、一線級でいるという。
日本のアイドル史・歌謡曲史の中で、多くのページを割く存在という。
最後に、先の曲のレコーディングに立ち会った時のエピソードを記しておこう。
アマチュアの作曲家であるタカツカさんは、コンソール室にいても居場所がなく、ただひたすらスタッフの邪魔にならないよう隅っこにいたそうだ。
その時、kyon2が声をかけてくれた。
どうぞこちらにお座り下さい、と。
作曲家にアマもプロもない、丁重にもてなすべきだという彼女の心遣い、アーティストとしての姿勢。
その姿勢は、1人の人間としても素晴らしいものだ。
タカツカさんは痛く感激したという。