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サブ・コンテンツ
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2015年映画ベストテン
鎌田浩宮・選
1位と
2位以下は
かなり
離れてる。
それほど
1位は
断トツ、
です。
1位
野火
断トツ、です。
細部に至るまで、丁寧に丁寧に、誠実に、忠実に、慎重に、針に糸を通すように創り込む。
そのためには手を抜かない、綿密に取材をする、勢いに任せない、無自覚のうちに生ずる妥協を、絶対に許さない。
それは、ピカソのゲルニカに匹敵する。
あまりに感動して、鑑賞直後、こちらに感想を書いた。
ぜし、お読み下さい。
2位
スター・ウォーズ フォースの覚醒
小学4年の時、初めて子供達だけで行った映画が「スター・ウォーズ」だった。
あの頃は、全米公開より1年も遅れて封切されたのだ。
もう感動しまくって、翌日から雨でもないのに折り畳み傘でライトセーバーごっこをして日が暮れて行った。
そうしたらびっくり、この作品は全9作になるっていうじゃないのよ!
「帝国の逆襲」がまた良くってねえ、もうこれ以上話が展開していって新しい登場人物が出てきたら、興奮しすぎて胸がはちきれるんじゃないかと思っていた。
残念ながら新3部作(ep1~3)では、その感動がなかった。
脚本が完全にジョージ・ルーカスの手を離れた最新作に、ジョージ自身がどれだけ納得しているのか不安だが、今回は久々に、とにかく何度も銀幕へ歓声を上げそうになった。
3位
ジミー、野を駆ける伝説
ローチも、79歳か…。
山田洋次同様、キレがなくなってきているのかも知れないが、しっかりと描く。
1930年代のアイルランド、ただ村人のためのホール(講堂)を造ることが、教会(為政者)にとっては恐怖であり、弾圧の対象になり、ホール建設の中心人物・ジミーは国を追われるという実話を映画化。
今のこの国みてえじゃねえか。
護憲派のイヴェントは軒並み後援を取り下げられ、へたすりゃ自粛に中止させられ、会場を借りられなくなる時も近いだろう。
4位
母と暮せば
エプスタインズのあちこちで不満を書いたが、最後、安易なハッピーエンドにしなかったのはよかったと思う。
山田監督は「おとうと」「東京家族」と、モデルのある映画ではことごとく失敗してきたが、本作も「父と暮せば」には及ばなかった。
坂本龍一さんは若い頃、小津の「東京物語」の音楽が不満で、自分で創った音楽を演奏しながら「東京物語」を上映したほどだったが、本作では大船調の音楽へのオマージュになっているところが面白い。
5位
恐怖分子 デジタル・リマスター版
これは新作じゃないけど、所見なので許して下さい。
編集、面白い。
1986年の、台湾。
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」が、キネ旬第1位になった年だ。
同期してる。
6位
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
作品のテーマは全然胸に迫っては来ないんだけれど、この実験精神はすごい。
CGなどのテクノロジーに頼らず、人力による努力でこの作品を完成させた。
7位
インターステラー
ベネックスやカラックスの「ヌーヴェル・ヌーヴェルヴァーグ」も、早一昔。
ノーランはずっと旬を保っていて、「ニュー・ニューアメリカンシネマ」の1人だ。
まあ、ニュー・ニューアメリカンシネマなんてジャンル、僕のでっち上げだけれど。
8位
ラブ&ピース
2015年は、誰が何と言おうと園子温の年だった。
この年で一体何本、彼の作品が封切られたんだろう。
本作はサントラも含め「バットマン・リターンズ」に寄ってしまったが、この映画のテーマにはとても共感する。
9位
妻への家路
自由を描く場合、中国にいる限りは、これが限界。
文革に絡めて自由を描くわけだが、それはノスタルジーへと気化してしまい、現在への批評になりえない。
張芸謀に、国外で思いっ切り映画を撮らせてあげたい。
10位
岸辺の旅
「リアル 完全なる首長竜の日」といい、最近の黒沢清はどうも冴えない。
でも、作品に漂う空気感は、彼なりのもの。
次点
真夏の夢
高校生だけで創った作品が、ゆうばりファンタでいい線行っちゃったっていうんで観に行ったら、まあまあやるじゃないの。
僕らが高校の時分に創った映画と比べ、社会に対する批判精神が見受けられないのが、ちと寂しい。