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緊急連載「有志連合と協力して」㉖
構成・鎌田浩宮
自己
責任
だけが
論点、
では
ない。
この連載も、アクセス数は落ちてきているものの、2月からのこの短期間で投書も多々集まり、連載も26回になりました。
エプスタインズも双方向のメディアとなり、ウェブマガジンらしくなってきました。
しかし裏を返せば、それだけこの国が切迫した状態にあるという事で、ぬか喜びはできません。
戦争法案の可決。
原発再稼働。
辺野古基地移設。
全てが世論と逆行し、カウントダウンに入ってしまっています。
今回は、度々投稿して下さるオーストラリア在住の日本人、Bさんからの文を掲載します。
それでは、お読み下さい。
Bさん(匿名希望)より
今月1年振りに故郷の土を踏みまして約2週間滞在しました。
エプスタインズを拝読し、次回帰国の際には後藤健二さんの本を読もうと決めていました。
「ダイヤモンドより平和が欲しい」をアマゾンで購入し、実家に送っておきました。
後藤さんは私の生き方、人との接し方に影響を与えた方です。それなのに彼の書いた本を読んだことがないということに気が付きました。
オーストラリアでは特定の日本の本を購入するのが難しいため、読みたいと思ってからずいぶん経ってしまいましたが。
後藤さんが人生をかけて、自分とご家族を犠牲にしてまで戦地の子供達や弱い立場の人達について世界に知らせたかったのだ、と改めて分かりました。
後藤さんが殺害されて4か月。
日本ではもうあまり語られていないのかもしれませんが、私の周りの人ですら、「自己責任」という言葉で切り捨てていたのが改めて悲しかったです。
そんなことは後藤さんもご自身で仰っていますし、それはそうなのかもしれない。
でも、亡くなった人に対して「自己責任」の一言で済ますのは本当に冷たいと感じました。
何の「タレント」も無いタレントと呼ばれる人達の中にはやたらに稼いでいる人もいますが、そういう人達はそういう弱者の為に手を差し伸べることもせず、後藤さんを非難するだけ。
自己責任か否かを何故論点にするのか。
大切なのは何故山本美香さんなどのジャーナリストや、ボランティアの人達がそういう場所へと駆り立てられるのかを知ろうとすること。
私は後藤さんの人生の一部を知り、それを通して戦地の弱者について知りました。
そして私にはその人達の為に何ができるのかを考えて、実行してみるつもりです。
戦争によって失うものがこんなに多いのに、日本政府は日本人を戦地に送り、他国の戦争に巻き込ませようとしています。
そんなに戦争に加担したいのなら、安倍さんが参加すればよい。
日本は武器を持って他国に行くべきではないのです。
ところで古い話になりますが、「アメリカン・スナイパー」を観ました。
クリント イーストウッドの映画は大好きなのですが、この映画は正直かなりがっかりしました。
戦争反対というよりは、アメリカの兵士達はヒーローである、と言いたかったような気がします。
アメリカ人にとって兵士達はヒーローなのでしょう。
多くの兵士達はそうなのかもしれません。
でも私は沖縄で少女に乱暴した兵士達や他国に駐在して悪さをしている兵士達についても、彼らは知るべきだと思うのです。だから全てのアメリカ軍の兵士達がヒーロー扱いされているとなんともやりきれない気持ちになります。
アメリカは本当に正義の味方、世界の警察なのでしょうか?
そのアメリカの為に、日本は国民を戦争に参加させるべきでしょうか?
日本が過去の戦争に対してお詫びをしたならば、どういう形でも戦争に参加するべきではないのです。
スイスのように永世中立国になれば良いのだと思います。
なんだかまた熱くなり、長くなってしまいました。
今後のご活動、楽しみにしていますね。
以上、Bさんでした。
僕も「アメリカン・スナイパー」を観ました。
あの映画で戦争はなくならない、というのが僕の感想でした。
イーストウッドの反戦への描き方はどちらにでもとれるもので、案の定アメリカでは、主人公の兵士を英雄視する観客も多かったようです。
不満だった点はいくつかあるのですが、イラク側からの視点が全く描かれていなかったのも不満でした。
彼らは、かつての西部劇で登場する「インディアン」でしかありませんでした。
かつて若松孝二監督は、権力者側、体制側からの視点でしか描かれていない『突入せよ!「あさま山荘」事件 』に憤慨し、自身で体制側と反体制側を冷静に客観視した『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』を製作・監督しました。
それと同じ印象です。
僕は音楽もやっているので、音楽の使い方のひどさが目に付きました。
戦闘シーンではドラムスなどの打楽器による、場面を高揚させる、興奮させる音楽。
最後に使われる、エンニオ・モリコーネが作曲した西部劇の葬送曲。
この引用を評価する人もいますが、僕はあの情緒的なメロディーを使うと、必要以上に兵士の死を讃えてしまうものになってしまうと感じました。
受け手の感受性に委ねる作り方、というものを良しとする人がいます。
それでは、チャップリンの「独裁者」は駄作でしょうか?
あの最後の演説シーンで断固としたメッセージを伝えきったからこそ、あの映画は不朽の名作となったのです。
イーストウッドは、タカ派の反発を恐れたのか、そういった言い切りをしていない。
イーストウッドを擁護する訳ではないけれど、これが今のアメリカへのメッセージとしては、限界なのかも知れません。
しかし、現在のアメリカには、マイケル・ムーアのように真っ向から牙をむく監督もいるのだから…。
報復は、報復しか、生まない。
これからも、後藤さんの志を、継いでいきましょう。
引き続き、この連載に関するご意見ご感想をお待ちしています。
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エプスタインズでは、様々な人から原稿を取り寄せ、2月2日から集中連載をしています。
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後藤さんの殺害が安倍政権により、憲法9条改悪に利用されてしまう、大変な時です。
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