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弐千拾伍年新年乃御挨拶以候
ケーザイセーチョー
しなくたって
豊かな国、
ある。
去年は、相馬、石垣島、奄美大島、小諸、東京、大阪、那覇、広島と、
「鎌田浩宮 福島・相馬に行く」ロードショウで巡りました。
こんなに沢山旅をしたのは、生まれて初めてでした。
旅費で大赤字、体力的にもきつかったんですが、様々な出会いから受ける刺激は、他に替えられないものがあります。
石垣で、初対面なのに「初めて会った気がしない」と手作りのキーホルダーを宿に届けてくれ、身の上話をしてくれた女性。
奄美で、酒場で仲良くなり、タクシーで酒場に連れてってくれご馳走してくれ、上映にも来てくれた情の厚いおじさん。
小諸で、僕が2015年に新聞にも載る有名人になると占った、人が死ぬ前に歯が抜ける夢を見るという霊感の強い、実際に前歯のないおじさん。
東京で、久々に映画を創った僕らのために、台風の最中来てくれた、沢山の旧友たち。
大阪で、他の土地ではあり得ない、観に来てくれた初対面の客と、3日連続で呑みに行った、それぞれの3人の人々。
広島で、365日休みなく朝から晩までたった1人で、もぎりから映写まで全てを行う苦労の人、横川シネマ館主・溝口徹さん。
ああ、まだまだまだ、書き切れない。
アベノミクスで経済的に豊かになんぞならなくても、僕はこの国の生活が豊かであることを、実感できたんです。
特段金儲けなんぞしなくとも、楽しく=豊かに生活できている人の多いことに、ほっとしたんです。
かつての高度経済成長期や、バブル経済のような豊かさなど目指さなくっても、ああ、今日もいい1日だったなあと思える街々。
戦争のできる国なんかにならなくっても、いい。
そんな軍事費の増強よりも、お母さんが男と平等に働けるよう保育園が増えたり、お年寄りが安心して年金をもらえ安らかな老後を暮らせたり、夜中でも女性が安心して1人歩きできたり野宿生活者が襲撃されずに、貧しい人が家を失ったり飢え死にしないように、幼児が虐待されないように、子供や大人が自殺しないように、外国籍の人が安心して住める、国。
経済成長よりも、生活や心の充足を重視してくれるんなら、北欧のように税金がいくら高くなったって、いいぜ。
アベノミクスの恩恵は富裕層にしか回らず、貧困層の鬱積した不満が、ネトウヨという形で顕在化し、彼らが安倍を支持し支えているという、矛盾。
しかもそのネトウヨが、実はこの国のごく少数しかいないという、事実。
そんなからくりが今年のうちにばれて、楽しい=豊かな1年になりますように。
もー、後がないんですから。
2015年1月1日
エプスタインズ非代表取締役社長 鎌田浩宮