映画「鎌田浩宮 福島・相馬に行く」制作日誌01

撮影/文・鎌田浩宮

今日という日は
昨日死んだ人の
生きたかった明日だ

オリンピック、開会式前から観てますよ。
上村愛子さんの、何もかもが詰まった笑顔への感動から始まって。

個人フィギュア、真央ちゃんにも泣いたけれど、6選手皆よかった。
これで最後となる、鈴木明子ちゃんのコメント、素晴らしい。

「ずっと足の痛みもあったんですけど、リンクに立った時には何も感じなくて、病気で滑れなかった時期があったので、それを思ったら、それだけで幸せだなと思って(リンクに)立ったので、あまり不安とか緊張よりも、大げさですけど、生きてるなぁと思いました」

 「正直言ってここまでの年齢まで続けられると思っていませんでしたし、いまみんな若くして出てきているんですけど、今ダメだからと諦めるのではなく、遅咲きでも頑張れるということが少しでも、未来のスケーターたちや他の方にも伝わって、何歳からでも出来るという気持ちが伝わればいいなぁと思います」

生きてるなあという言葉、遅咲きでも頑張れるという言葉、いいなあ。
僕なんか、遅咲きどころか、花が咲かずにジンセー終わっちゃいそうだが、励まされました。

そんな感動をしつつ、45歳のおっさんが、あちこち駆けずり回って映画を創っとります。
お読み下さい。

 

 

2014年2月10日(月) 相馬にて0号試写

都知事選で、脱原発派が負けた翌日だこんちくしょう。
金曜から滞在した仙台からバスで1時間半、昨日までの記録的大雪をものともせず、予定通り朝11時に相馬着。
今回の映画の出演をしてもらった杉本家に着き、午後1時、9割方完成した映画の試写。
これで杉本家から許諾が得られなければ、上映はできなくなる。
緊張。
上映終わり、主演の紀男さん(72)と息子の敏之君(44)からオッケー出る。
ほっとしすぎて脱力半端ない。

そこで2人に、2つの話をする。
1つは、相馬上映会での宣伝方法。
もう1つは、実は許諾もらえる前提で、相馬市民会館を1日押さえてしまっている事。
会館に関しては、もう5月まで予約が埋まっていて、早く押さえないとまずい状況だったのだ。
キャンセル料もかからないと言うので、4/6(日)を押さえている事を伝えると、普段物静かな紀男さんノリノリで、あちこちに電話し始める。
そのあちこちから、市の観光課に宣伝してもらったら、とか、商工会議所やスーパーにポスターを貼らせてもらえば、とかありがたいアドバイスをもらう。

  • 大雪ですっぽり埋まった杉ちゃん家の庭。日本庭園だなやあ。

そして紀男さん、急に
「今から市民会館へ行くぞ」
と言い出す。
驚いていると、そこの館長さんが紀男さんのかつての職場の後輩で、今いるから会いに行ってアドバイスをもらおうとの事。
3人で車飛ばして会館へ。
紀男さんのおかげでじっくり下見し、若干の問題点も早期発見する事ができた。
震災で崩落し建て直した会館、音響も抜群だぞ。
さて館長曰く、この手の映画は無料上映がほとんどとの事。
言われてみればそうだ、市民皆が被災者なのだ。
さらに紀男さんの
「俺が映ってるのに金なんか取れねえ」
と謙遜の一言で、無料上映に決定。
製作費の捻出はできないが、いいさいいさ。

あっちゅう間に夜。
紀男さんとうなぎ屋さんで、再会を熱燗で乾杯する。
杉ちゃんは二日酔いだって。

夕方4時に東京を車で出た、もう1人の監督・大友太郎が、地元の人も危険だと言う大雪の悪路の中、夜10時に杉本家着。
よくぞ駆けつけた。
あらためて乾杯。
今は亡き杉ちゃんのおばあちゃんの部屋で、大友君と枕を並べて寝る。
彼とこんな風に寝るの、高校の移動教室以来だよお。

つづく・・・

映画「鎌田浩宮 福島・相馬に行く」特別先行無料上映会

入場無料です!!お気軽にお越し下さい。
日程 2014年4月6日 日曜日
開場 午後1時30分
開映 午後2時
場所 相馬市民会館内 多目的ホール
福島県相馬市中村北町63-3 電話 0244-35-2426

出演 杉本紀男 杉本敏之 チャコ 鎌田浩宮 他
監督 大友太郎・鎌田浩宮・菅野宏彰
撮影 菅野宏彰・平野哲郎
編集・構成 大友太郎
タイトルデザイン 井上綾
音楽 鎌田浩宮


2014.02.21