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浪日記㉖ 旅立って丸2年
撮影・庫田久露武
文・鎌田浩宮
今年、2013年も12月2日を迎えました。
ちょうど2年前、浪は旅立ちました。
元々体調が悪かったんですが、東日本大震災で病状が悪化し、闘病の末、2011年に亡くなったんです。
毎日のように吐くようになり、体重が激減し、僕は会社を辞めざるを得なくなり、看病に専念しました。
最近は、浪を思い出して泣くこともなくなり、時が経ったことを実感していました。
目の中にバケツ一杯分の涙があるとしたら、その全部がもうまぶたから流れてしまって、一生分泣き尽くして、もうからからなんだと思っていました。
しかし、12月2日になって、心が急激に苦しくなってきました。
寂しくて、空虚で、何をする気もなくなっちまいました。
浪が、僕を忘れるなよと言っているのか。
僕はつらくて、何日も布団から出られませんでした。
このつらさ、もう、理屈じゃない。
ご心配をかける様な書き方ですみません。
今は落ち込みもなくなり、普段通りに暮らしています。
2年前から、浪の事を忘れたことは、ありません。
毎日水をあげ、写真を撫でています。
他の猫は、飼う気にはなれないですね。
1人息子の浪に、申し訳なくって。
実は、今年の命日の1日前、12月1日には、2人の親友が三軒茶屋に来てくれたんです。
ありがたかったですねえ!
浪の思い出話を訊くと、
「浪にかじられたのは痛かった!」
に終始していました。
皆で、笑いました。
浪は、とっても人懐っこい反面、じゃれているのか遊んでほしいのかストレスなのか判らないんですが、時々すごい力で噛むんですよ。
元気だった頃の話ですけれどね。
甘噛みのレベルじゃないんです。
血が出るまで噛み続ける事もあって、当時僕の家を訪れる友達は、怖がっていました。
だって、僕はと言えば、それを見て微笑んでいるだけで、止めもしないんですから。
浪、1時間でいいから、いや、30秒でいいから、この世に戻って来てくれないかな。
思いっ切り、僕を噛んでいいから。
でも、それよりも、浪がもう病気の心配などせず、あの世で大好きな昼寝をたっぷりして、大好きな花の匂いを嗅ぎ、實おじさん達に可愛がられていれば、と1番に願っています。
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