玉音ちゃんradio 第26回「ポール・マッカートニーがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!」

DJ・タカツカアキオ/鎌田浩宮

welcome
back,
sir
Paul McCartney !

もう、来ないと、思ってた。
遂に、来てくれた。
僕は、東京ドームで、号泣するだろう。

そこで。
ポールの曲を、心ゆくまで、聴いてみよう。
100曲挙げろと言われれば挙げられるほどの傑作揃いだけど、
ほんの数曲だけ、レコード針、落とします。

 

 

ちなみに、ジョージの特集は、こちらと、こちら
ジョンの特集は、こちらと、こちら
ジョージとジョンのW特集はこちらです。

 

まず
は、

タカツカアキオ

DJ
で、
いってみよう。

 

ポールの楽曲だと挙げるのが難しいですねえ…。
数多くあるのと、コメントが難しいです。

Till There Was You(1963)

元はブロードウェイ・ミュージカルの劇中曲で、ポールの曲ではないのですが、ポールのリードボーカルを堪能できる曲としてはまずこれではと思い挙げてみました。初期ビートルズのシンプルな楽曲が多い中、異色のロマンティックな雰囲気で、好きな方も多いはず。

We Can Work It Out(1965)

作曲は主にポールでサビはジョン?おそらくジョンとの共作でしょうか。
ポールの歌声がアコースティックギターの軽快なバッキング(たぶんジョンによるもの)に乗り爽快感がある楽曲です。邦題が『恋を抱きしめよう』というのですが、歌詞は男女間の喧嘩のことを歌っているようで、かなり無理やり感があります。

 

僕の立場で考えてごらん
もう喋れなくなるまで、延々話してなきゃいけないのかい
自分の立場にこだわっていると
二人の愛が消えても構わないって事になってしまう
僕らなら何とかできる、
僕らなら何とかできるよ

自分が言っていることを考えてごらん
間違っているかもしれないのに、それでも問題はないつもりでいる
僕が言っていることを考えてごらんよ
二人で力を合わせて解決するか、おやすみを言ってしまうか
僕らなら何とかできる、
僕らなら何とかできるよ

人生はとても短いから
くだらない事で、喧嘩している暇はない
前から思っていることだけど、そんなのは馬鹿げているよ
だからもう一度君に頼むんだ

僕の立場で考えてごらん
僕が正しいか間違っているかは、時間だけが決めてくれる
自分の立場にこだわっていると
下手するとじきに、別れ別れになってしまうかも知れない
僕らなら何とかできる
僕らなら何とかできる

人生はとても短いから
くだらない事で、喧嘩している暇はない
前から思っていることだけど、そんなのは馬鹿げているよ
だからもう一度君に頼むんだ

僕の立場で考えてごらん
僕が正しいか間違っているかは、時間だけが決めてくれる
自分の立場にこだわっていると
下手するとじきに、別れ別れになってしまうかも知れない
僕らなら何とかできる
僕らなら何とかできる

すみません…。
難しいです。

 

ここから

鎌田浩宮

選曲
です。

 

なるたけ、今回のライヴでは演らないだろう、僕が大好きな曲をかけるよ。

Lovely Rita(1967)

アルバムとしては傑作だけど、これだという曲がないと言われる「サージェント・ペパーズ」。でもこの曲は、とてもポールらしいアイデアがたっぷりだと思うんです。途中のカズーのような音、エンディングの転調とかも、サイキョーでしょ?

Penny Lane(1967)

こんなに有名な曲、今さら取り上げるまでもないんだけど、1度だけリヴァプールに行ったことがありまして、その街のBGMには、正にこの曲がぴったりだったんです。故郷の風景を、1枚の写真のように切り取った傑作です。

Junk(1970)

ビートルズ解散直後のソロ第1作「McCartney」から。ジョンのようなメッセージも、ジョージのような慈愛もないけれど、曲そのものの美しさだけが、そこにある。今回のツアーではまず演らない曲。この映像で、堪能してみておくれよ!

Monkberry Moon Delight(1971)

ソロ第2作「RAM」から。坂本龍一さんが昔やっていたラジオ番組で「映像を喚起させられる曲を挙げて下さい」というアンケートに、横尾忠則さんがこの曲を挙げていた。「色彩がぴょんぴょんと飛び跳ねる感じ」と横尾さん。僕も、大好きになっちゃったど。

Another Day(1971)

ソロで、もうこんな名曲を書き上げてしまった。その頃ジョンは「イマジン」、ジョージは「バングラ・デッシュ」、リンゴは「明日への願い」でポールやジョンより先に全米No.1。皆、輝きすぎてるよ。しかも皆、30歳前後。

live and let die(1973)

そう!「007 死ぬのは奴等だ」です。こんなに有名な曲、紹介すんなよって言われそうだけど、だって大好きなんだもん。曲の構成が、すごすぎる。もう、サイコの領域。ジョージ・マーティンのプロデュース力も、すんごいんだと思う。

Bluebird(1973)

どうしたらこんな素晴らしい曲を創れるんだろう?さらさらっと書けちゃうのかしら?それとも、うんうん唸りながら絞り出すのかしら?ビートルズ時代の「Blackbird」と続けて聴くと、天に昇れます。

Listen To What The Man Said(1975)

この辺りから、リアルタイムで聴いてるんです。小学2年生の時に、ビートルズキチガイになって、サンタさんにラジカセをおねだりして、学校から帰ってきて夢中になってFENを聴いてた頃、この曲がかかっていた。

Let ’Em In(1976)

この曲も、そう。まだ英語を聞き取れないので、曲名が解らないんだけど、感動しまくって聴いてました。僕にとってのリアルタイムは、ウイングス。甘く懐かしい思い出。

Silly Love Songs(1976)

この曲も、そう。間奏で入るホーンが、他のミュージシャンにはできないアレンジな気がするんだよなあ。今聴いても、当時の思い出と相まって、熱いものがこみあげてくるです。

With a Little Luck(1978)

アルバム「London Town」より。この頃になると、情報収集はFENから「ぎんざNOW!」の洋楽ベストテンになってくるのかな。そして、こんなイカシた曲を創りつつ、ポールは、そろそろウイングスから飛翔していくんだ…。

ウイングスとして1980年に日本へ入国するも、大麻不法所持で逮捕。ライヴは全て中止。ポールは監獄の中で「オッス!」という言葉を覚える。この後ウイングスは自然消滅。遂に日本でウイングスを聴けることはなくなったんだ。

Coming Up(1980)

そしてポールはソロとなる。この曲は、当時流行したディスコっぽいけれど、それに染まっていない。ポール・イズ・ポール。いいなあ。

でも、この後、ジョンが殺されてしまう。僕は、それを伝えるラジオの前で泣き尽くした。
そしてポールは、スティービー・ワンダーやマイケル・ジャクソンと組んだり、映画「ヤァ!ブロード・ストリート」を製作したりしていくんだけど、僕の琴線には触れなくなってしまう。まあ、これまでスランプがなかったのがおかしいくらいなんだ。ジョージやリンゴが音楽活動から遠ざかっていくのも、この頃じゃないかな。

そしてポールは、低迷しつつもアルバムを出し続けていく…。

Fine Line(2005)

世間の評価は知らないけれど、僕はこの曲が入っているアルバム「chaos and creation in the backyard」が好きで、久々にいいアルバムを出したなあと感激してました。殆どの楽器をポール1人で演奏したそうで。他にもいい曲、たっぷしあるので、このアルバムは、全曲聴いてほしいど。

Jenny Wren(2005)

同じく「chaos and creation in the backyard」から。バッハの作曲法から発想して創ったそうで、さすがだなあ。このアルバムはあまりリヴァーブがかかっていないので、間近でポールが歌い奏でている空気感が素晴らしい。レディオヘッドも手がけたナイジェル・ゴドリッチのプロデュースも良かったんじゃないかなあ。レディオヘッドと言えば、僕がイギリスに行った時、ポールが珍しくBBCラジオでDJをやったんだけど、レディオヘッドもかけていたです。DJをするポールの普段の喋り声は、とても低音で、少しかすれていて、格好よかった。

Only Mama Knows(2007)

アルバム「Memory Almost Full」の中で、この曲は出色だと思う。僕にとっての、ブリティッシュ・ロックの王道です。こういうポールのロック、「Jet」も「Hi Hi Hi」も大好き。

Cut me some Slack(2012)/with Nirvana

こんなに格好いいロックを書ける70歳。才能が枯渇しないすごさ。僕はハードロックが苦手なんだけど、ポールのは、「ヘルター・スケルター」然り、聴いててキモちE。

僕がビートルズ、及びポールの曲を聴く時は、ほぼ歌詞を意識しない。メロディーやコードワークやアレンジ、つまり音そのものだけを、純粋に楽しむ。これは、ジョンやジョージのソロを聴く時とは違う聴き方。ポールは、音だけで、全てを自在に表現できてしまう。その素晴らしさは、卓越している。下手に歌詞を書くと、911を歌った「Freedom」のような駄作になっちゃうしね。

ポールが、同じ空の下にいる。
ちょいとセシウム混じりの、空気吸いながら。

もう、来ないかも知れない。
全身で、音を浴びてこよう。
ハンカチで、涙拭いて。
遂にビートルズを、
生で聴けずに逝ってしまった
實おじさんの、遺影を持って…。


2013.11.13