EPSTEIN TALKS ABOUT FUTENMA#41「辺野古を訪問」

撮影/文・鎌田浩宮
協力・やんぼう

映画「鎌田浩宮 福島・相馬に行く」
那覇上映の合間をぬって
名護市辺野古と
東村高江へ
取材に行きましたぞ。

那覇市街地から高速バスで、約1時間10分。
宜野座インターで、いつもエプスタに寄稿してくれている、名護市在住のウチナーンチュ・やんぼうさんが車で迎えに来てくれ、数十分で辺野古に着きました。

逆に言うと、那覇からこれだけ遠いため、関心のある県民も、なかなか辺野古に行けないのが現状です。

名護市はとても広く、市街地から離れた所に辺野古地区があります。

 

 

立ち退き?
小学校?

 

辺野古地区の中に、キャンプ・シュワブがあります。
辺野古とシュワブ、そして海も埋め立て、新基地が造られようとしています。

内地にはほとんど知られていないのですが、立ち退きを強制される住宅も多くあります。
補償金が下りるため、容認する人と反対する人で割れている現状があります。

立ち退きさせられる予定の住宅。

そのすぐそばには、小学校もありました。
ここは立ち退き区域ではないため、滑走路が造られると、相当の危険と騒音に苦しめられることになります。

コンビニエンス・ストアーもあります。
米兵が買い物に来ていました。

そこに隣接するのが、キャンプ・シュワブ。
美しい砂浜には、フェンスが。

貼りつけられた、メッセージ。
米軍によって剥がされては、また新たなメッセージを貼りつけるそうです。

ここをよじ登れば、場合によっては射殺されます。

そこから数分離れた浜辺に、テント村があります。

翁長新知事の誕生は、保革の対立を越えて生まれた「オール沖縄」の結晶です。

8年の闘い、加えて約11年にも及ぶ座り込み。
1996年に海上ヘリポート案が浮上して以来の反対運動は、あまりに長く、疲弊させられたことでしょう。

3人ほどのスタッフの方がいました。
1人は、次々に訪れる人へ、どこが埋め立てられるのかという初歩的な説明から、マスコミが報道しない事実まで、丁寧にしていました。
もう1人は、双眼鏡でずっと海を監視。
もう1人は、休憩されていて…

その方の膝の上に、なついた猫が平和そうに寝ていました。

海を、監視。
この日から、軍艦のように大きな海上保安庁の巡視艇が、13隻も現れたのです。
なぜかというと、翁長新知事の就任日・12月10日の前に工事を進めてしまおうという動きがあったのです。
テントもほんの少々ですが、緊迫していました。

 

滑走路
だけじゃない?
軍港?
自衛隊?

 

このように豊富な資料で、説明して下さいます。
日本の予算による今回の埋め立てで、滑走路だけではなく軍港が造られていることは、意外とほとんど知られていない。
巨大な軍艦が停留できる港を日本の予算で造られるのは、米軍のかねてからの悲願。
そして、米軍の大半がグアムに撤収してしまう予定のに、なぜ新基地かというと、自衛隊もここを使用する予定だから。

次々と教えられ、驚きました。

実はこの後、稲嶺進名護市長にインタビューさせていただく約束になっていたのですが、工事強行で緊急会議となり、お会いできなくなりました。
そこで、車で少し移動し、キャンプ・シュワブのゲートへ行きました。
そこでも座り込み運動がされているからです。

工事強行を受けて、県内のあちこちから、人々が駆けつけています。
車の量に、驚きました。

なんで、キャンプ・シュワブの中に、機動隊の車があるわけ?

このメッセージも、剥がされちゃうのかなあ?

そして、歩いて、数分。

いたいた!

居ても立ってもいられず、輪の中に入り、一緒にコールをしました。

アルソックの警備員。
彼らはただ雇われてここに連れてこられただけ、だから彼らとは闘わないし恨んでないさ、と反対運動の皆さん。

これが有名な「殺人鉄板」。
座り込みができないよう、ギザギザのついた鉄板を設置してるんです。

鉄板の前の公道に座って、スピーチを聴く。
その合間に、コミカルに琉球空手の真似をする、素足のワタブー(太った)なおじさんが出てきて、皆で和気あいあいと余興を楽しみます。

ゲートの左隣にある、日除けのテント。
熱射病にならないよう、こまめに水分補給です。

ゲートに工事機材の搬入がない時は、とてものどかなんです。
平和な、ひとときです。

 

そんな中、
反対運動に
参加している男性に、
インタビュー
をしましたぞ。

 

ヤマトンチュに伝えたいことはありますか?

「昔は偏見があったけれども、考えを改めた。本土の人が頑張ってくれている。北海道から鹿児島まで、駆けつけてくれている。だから、ヤマト対ウチナーの対立はないよ。本土の大多数は、マスコミ、テレビで報道しないでしょ?基地負担を代わってあげるという都道府県は出てこないでしょ?まずはこの状況を全国に知らしめてほしい。新基地が完成すると、軍港+飛行場+オスプレイの3つが揃ってしまう。それを、我々反対派と容認派のウチナーンチュ同士で争わせる悲しさはつらいもんだよ。」

先日の県知事選は、思ったよりも翁長さんの圧勝とはならず、仲井真にも票が入った気がするのですが?

「今回、10万票の差が開いたでしょ。これまでこんなに票が開いたことは、初代の屋良知事以来初めて。保守と革新の闘いだった時は、あり得なかったんだよ。接戦の時もあったしね。だから、圧勝と言っていいんだよ。親戚や寄合の付き合いが強い土地柄だけど、保守の強かった地盤も崩れてきている。徐々に変化してきたんだよ。」

この取材はちょうどお昼頃でした。
残念なことに夕方、県警機動隊が反対市民を強制排除し、けが人が出て救急車で運ばれてしまいました。

しかし、わずか数日後。
衆院選の影響にビビり出した自民党が、工事の延期を指示。
やったね!

辺野古に平和を!
沖縄に自由を!
いつかこの場で、
カチャーシーできるように!

高江編につづく・・・


2014.11.26