第八十四夜:「つっこむ女」

日々ボヤキ、日々ツッコむ女、けい子です。
私は元来ボケ担当のはずなのですが、ここのところ
ツッコミばかりさせられているようでございます。
 
 
 
ある日のできごと。
東京のママンからメールが届きました。
 
「いとこの麻衣ちゃんの娘のミーちゃんのね、
 お遊戯会のドレスの写真送るわね!」
 
ほほお。どれどれ・・と添付された画像を開きましたら
可愛らしいドレス姿で写る、成長したミーちゃんは何処にもいなく、
写真の中では見知らぬ老婆がピースして笑っておりました。
 
ミーちゃん成長しすぎ! いや、変わりすぎ! って未来写真かよ!
 
後で分かりましたが、その写真はたまにヘルパーをしている母が
行っている介護先のおばあちゃんの写真だったとの事。
添付する写真をママンが間違えたのです。
私はとうとうママンは未来まで撮影できるスキルを身につけたか、とか、
いや、これはボケの始まり??とムダな心配をしました・・。
 
 
 
またある日のできごと。
男性スタッフが休憩中、私の噂をしているのを盗み聞きしました。
それは私が芸能人では誰に似ているか?というネタでした。
これは良い機会なので査定材料にしようと思いました。
 
 
ある紳士(査定後表現)は言いました。
「夏川結衣とか竹内結子とかに似てるかもね」
 
おお!いいね!私もあの人たち大好き!給料大幅アーップ!
 
ある普通男は言いました。「はなまるの岡江さんっぽい」
 
うん、いい判断だ。人気あるしカワイイしね。いいね!給料アップ!
 
あるチャラ男は言いました。「え?友近じゃね?笑い方とか」
 
おい、それ前も言ってたなコノヤロー!給料ダウン!
 
ある解雇寸前男は言いました。「痩せたマツコじゃん。顔もボヤキ方も」
 
おい!それデラックスの事かよ!?しかも男じゃないか!解雇ー!
 
 
そんな荒れた場になったので、私は突撃してやりました。
みんな「ヤバッ・・・」って顔してましたが、私はすかさず
あんたら誰の事言ってたんだい?と突きつけてやりました。
皆、口を揃え、一斉に渦中の人を大女将にスライドさせました・・・
この度胸ナシがあ!!!
ちなみに私がこれまで似ていると言われて、
一番気分良かったのは今井美樹さんです!
昔の話です、昔の。 ここのツッコミはいらんです。
 
 
 
またまたある日のできごと。
不意に、小さい頃よく読んでいた童話
 
「不思議な500のぼうし」
 
の事を思い出し、ネットやウィキペディアで調べてみると・・・
おいおい、すごい話だったんだね・・・
こんな話でした。大分私が意訳してるかもですけど。
 
ある少年は帽子をかぶっていました。
それはお父さんも、お父さんのお父さんも、そのまたお父さんも
かぶっていた帽子だったそうで。物持ちいい一族だあね。
それをかぶって街に出て行ったら王様に遭遇。
しかし童話って結構簡単に最高権力者に会えるよね・・・
さて王様の前なので帽子を取ろうと思った少年。
しかし帽子をとった頭にはまた帽子が!!何故に!?
もちろん王様激怒!そんなで怒んなよキング・・・
少年の帽子を取ろうとするが、取っても取っても
アタマの上には新たな帽子が出現している。
それから色んな人間が少年の帽子を取ろうと現われる。
少年、涙目だよ・・・
弓の名人が打ち落としてもダメ。意味ないだろー!
最後には断頭台に連れて行かれる少年。逃げてーー!
しかし帽子を取らないと首は落とせないしきたりとの事で
死刑は回避!ヒュー♪
最後は逃げるように高い塔に登っていく少年。
階段に一つずつ帽子を落としながら歩いていく少年。
しかし、次第に落とされた帽子は少しずつ変化を始めていました。
最初は小さくキレイな羽が装飾されたり、それが増えたり、
次には小さな宝石がついていたり、それがどんどん大きくなったり。
追ってきていた王様(追ってきてたかなあ?)に最上階で
詰め寄られる少年。しかし王様は見るのです。
少年のそのアタマに乗せられていた帽子はそれまで見たこともない
それはそれは美しく、荘厳で煌びやかなものでした。
そのこの世のものとも思えない帽子を王様は所望しました。
金はいくらでも出すから!と。おお!王様っぽいセリフだ!
元々、この少年、何にも歯向かっている様子はなく、ただただ帽子が
取れなかっただけの子でした。なんて不運なんだ・・・
だから王様の所望にもすぐに「OK!」ってしました。
少年は頭の上の帽子を王様に渡しました。
するとこれまでどんなにしても取れなかった帽子が取れたのです。
王様は喜び、少年は大金をもらって帰路につきました。
 
これ、一日のお話です。
さて長々と書きましたが、私が思った事、
 
 

コレ、何の教訓になってんのおおおおお!?!?!?
 
 
 
 
こんな具合で日々ツッコミが絶えない私です。
皆様もそうだと思います。 そうじゃない???
最後に、ママンメールのオチをば。
間違った写真を送ってきた母に、
 
「お母さん、写真ミーちゃんじゃないよ、もう。写真送ってよ」
 
と送ったところ、母は「間違って送ってごめんね」とメールをよこし、
そして添付された画像を開くと、
写真はお遊戯会で可愛らしいドレス姿のミーちゃんではなく、
両手を合わせ、必死に謝罪する表情の母の写真でした。
 
 
 
だから、そうじゃないだろママン!!!
 
 
 
わたしのツッコミ能力は母に育成されたようです・・・ 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2012.06.06

第八十三夜:「日食と働きアリ」

金環日食、皆様はご覧になりましたか?
もうそんなイベントもお忘れになった事でしょうね。
私もギリギリの記憶で書いています。
はい、もう蟻が数百匹のみんなでやっている作業を
わたし一匹でやりくりしてたような日々でございました。
だから巣穴ボロボロ、エサは極貧、幼虫(息子)ほったらかし、
ついでにキリギリス笑い、そして何より孤独、みたいな(笑)。
ちょっとスタッフに休暇を与えたら、飛び込みのお客様祭りとなった、
そんなところでございました。
 
 
 
さてさて、金環日食の話に戻ります。
私も朝のバタバタの中(いや一番忙しい時間だってば…)、
お客様が楽しそうに日食を見ている最中、
コソリ、幼虫(笑)と盗み見ておりました。
勿論、厨房と裏庭を行ったり来たりですけど…。
薄曇りの空ではありましたが、太陽に月が次第に重なる様を
私はなんとも不思議な気持ちで眺めておりました。
 
えっと、わたし、なにも想わなかったんです。
 
何百年に一回とか、もう見られないとか、
次は何時何時、何処何処でしか見られないとか、
わたしにはあまり興味がないを知ったのでした。
日食自体の現象は凄いなあって思いますけど、
それでも日食の煽り文句に多分辟易していたんでしょうね。
それでも幼虫の前では感動したフリをしましたよ?
だって子供の向学心を汚しちゃいけないでしょ。
 
 
 
その後、わたしは色々考えてました。
何故私は日食に感動しなかったのか?
それは、私は奇跡に近い環境で、タイミングで、
ここでしか出会えないお客様と常に対面しています。
その奇跡、不思議さ、荘厳さは何物にも代えがたい。
いや、別にわたしの職業が特殊だからじゃないとも思いました。
私達も何十年に一度、いや何百年の一度、いや一生に一度、
いや、今を逃したら何千年に一度すら起き得ないほどの奇跡に
私達は毎日出会っている。毎日奇跡が起きている。
もしかしたらそんな想いが私の中にあったのかな?
なあんてね~そんなアタマ良く考えてはいないか(笑)
でもね、日食とか派手な事だけで喜ぶんでなくてさ、
日々の、もっともっと確率の低い、真の奇跡を見なさいな、
もっと周囲を見なさいな、変なサングラスもいらないから、
とわたしはふと想うのですわ。
 
 
 
最後に、ある占い師さんが日食についてこんな事を書いてました。
月は「今」を表し、太陽は「永遠」を表すそうです。
だから金環日食は「今が永遠よりも力を持つ」という意味なんだとか。
うん、そう想う。今が一番素晴らしい!今が一番輝いている!
とまあ日食なんかどうでもよくて、
世界各地で起きまくっている地震が少しでも減ってくれたらいいな。
と、ぼんやり想う、働きアリでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2012.05.30

第八十二夜:「新・今宵のあたしゃ・・・②」

さいきん、
やる気ない顔をしていると、
大女将に言われた。
  
 
くやしい・・・くちおしい・・・
 
 
そんなことないもんっ!
こちとら、めちゃくちゃやる気満載なんだもんっ!
写真のコイツよりはやる気ある顔してるもんっ!
でも最近、鏡見る時間は減ってたかもな・・・
気をつけよ・・・
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 

2012.05.17