神保町のでっかい書店にて、港の人フェア開催中。前編

取材/文/撮影・鎌田浩宮

エプスタのトップページでは、色んなもの、売っております。
その中に「港の人」という、
“(株)”

“(有)”
もつかない風変わりな名前の
小さな小さな出版社の書籍も販売しているんでぇございやす。

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なにゆえにこの出版社の本をエプスタで売るようになったのだ?
という謎は後で明かすとしてですね、
港の人が出す本、皆さんは知らないかも知れないんですが、
新聞・雑誌などの書評で取り上げられること、多いんですよ。

インターネットでは表現できない、
書籍だからこそできる表現をし続けている、
大好きな、出版社。

そして遂にこの度、港の人が出版した「きのこ文学名作選」が、
東京TDC賞2012特別賞を受賞したのですよ。
http://tdctokyo.org/jpn/?p=3097

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東京TDC賞は、
文字や言葉による視覚表現の追求を目的に活動する
東京タイプディレクターズクラブが主催する、
タイプデザインのコンペディション。

すげえ、
理事長、浅葉克己さんなんだ。
理事には、
RCサクセションや清志郎のアルバムをデザインした井上嗣也さん、
YMOのアルバムをデザインした奥村靫正さんなどがいる。
‘80年代のグラフィックデザインの流行に
ワイワイとはしゃいだ僕なんぞは
にんまりしちまうメンツです。

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そんなこんなで港の人の書籍は、
色んな書店でのフェアやトークショウの開催も増えたんだが、
この度遂に、本のメッカ、東京・神保町にある東京堂書店にて
これまで港の人が刊行したほぼ全ての書籍を陳列した
「書物、さらなる海へ 港の人全点フェア」が
1月7日から2月中旬まで開催されているんです。
http://tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=2291

っつーことで、涙拭いて飛んで行きました。
浪、行かせてくれて、ありがとう!

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げっ!
でっかい本屋さんじゃないかい。
支店もすぐ傍にある、本店のほう。
自社ビルだわ。
新しいし広いし鉄筋だし3階まで販売フロアがあるし。
その上の6階までは書店オフィスだわ。
失礼だけど、こんな小さな出版社を取り上げてくれる店なんて
もっと趣味的な小さい本屋さんだと思ってたわ。

しかもフェアは、入り口を入ってすぐ左で、
広いスペース陣取って、盛大に行われていた。
嬉しゅうて、ああ、涙腺…。

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僕は、厚かましく港の人の創立パーティーでスピーチをし
勝手に創立10周年の時に社歌を作ったほどの古い仲。

元を辿ると、僕の学生時代の親友が、
卒業してすぐ、割合大きな出版社に入社した。
そこで彼は必死に営業マンとして頑張っていたんだが、
自分の好きな本を出版したいという夢が膨らみ、
その会社で意気投合した仲間と3人で退職・独立し
職場は鎌倉、それも海の傍がいいな!
1997年、港の人を創立したんだった。

仲間が大勢集まったレストランでのパーティーの後、二次会は海岸だった。
皆で缶ビールを片手に、破顔の写真を撮りに撮った。

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3人は夢を1つそしてまた1つ、具現化していった。
しかし、バブル経済崩壊後の大不況と、
インターネット普及による本離れの、
二重の大打撃をくらう。

親友でもある3人は、自分が犠牲になる、いや自分が、と、
涙ながらに幾度となく相談したんだろう。
会社が取り返しのつかない状態になる前に
友情だけはなくなってしまわないように、と
僕の親友ともう1人が身のちぎれる思いで退社し、
その時のリーダーであり、現在の代表者でもある里舘さんが
赤字も全て抱えたまま会社に残った。

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それからだ。
驚異の巻き返しで、今に至るのは。
その途中で、新たに入った1人の素晴らしい社員さんも、
馬車馬のように頑張られたのも想像に難くない。

そして数年前、万事無事に10周年を迎えたんである。
…と、記憶に誤差があったら申し訳ないんですが、
これが港の人の歴史です。

さあて、次回は、
東京堂書店はじめ全国書店で販売している
そしてエプスタでも販売予定の書籍を紹介しましょうね。
これがまたすんごい本なのよ。

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皆さん、東京堂書店、ぜひ行ってみて下さいね。

東京都千代田区神田神保町1丁目17番地
営業時間 10:00~20:00
休業日 年始(1/1,1/2)を除き無休
TEL 03-3291-5181
■ 東京メトロ半蔵門線「神保町駅」
■ 都営新宿線「神保町駅」
■ 都営三田線「神保町駅」
いずれもA7出口より徒歩2分

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この記事、2月3日(金)につづく・・・


2012.01.27