神保町のでっかい書店にて、港の人フェア開催中。中編

取材/文/撮影・鎌田浩宮

前回、紹介し損ねたので
この素晴らしき出版社、ご案内しますね。

港の人 

〒248-0014 鎌倉市由比が浜3-11-49
TEL: 0467-60-1374/FAX: 0467-60-1375
http://www.minatonohito.jp/
電車:江ノ電「由比ケ浜駅」下車、徒歩5分。
バス:JR鎌倉駅東口より大仏方面行バス乗車、「長谷東町」下車、目の前。

 

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それでは早速、た~くさんある港の人の書籍から
こ、こ、これは…!と思ったものを、
どもりがち興奮しがちに、紹介していこうではないか。

一発目は詩集、
「夜は庭が静かだね 一行読めればいい」本郷武夫・著
(エプスタでの販売ページはこちら
http://epstein-s.net/archives/6583 )

もー、しょっぱなから、バツグンです。
詩集にしては大き目のブックサイズに、
どれがタイトルなのかそれともキャッチコピーなのか
困惑するような文字の並び。
「一行読めればいい」という言葉が
俄然、深く強く迫ってくる。

これは「夜は庭が静かだね」を黒文字、
「一行読めればいい」を白文字に配色した
デザイナーの方のセンスが秀逸なんですよね。

つーかね、もーコーフンしちゃって、
本屋さんの中で、写真、撮りすぎです、僕。
追い出されないのか、僕。

次に紹介したいのは、エッセイ集
「星吐く羅漢(限定特装本)」江崎満・著
(エプスタ販売ページはこちら
http://epstein-s.net/archives/6578 )

そう、装幀が布装なのよ!
昔、小学校の図書室とかに、あったよね。
こういったデザインを、
単なるレトロとしてくくっちゃうのは、早計です。
これからの紙媒体デザインの可能性として考えたい。

あと見逃しがちなのが、
タイトルなどが手書き文字で書かれているところ。
何でもパソコンでデザインしちゃうと
文字をレタリングするという考え方は忘れがち。
しかもありがちな、
筆者による書き文字、だとか、
毛筆にして安易に迫力を増加させる、ではなく、
文字をデザインするということが肝心なんです。

にしても、発行部数が少ないと、
自ずと販売価格は高くなってしまうもの。
なのでこの本は、カバー装にて2730円でも販売されてます。

さて、お次はってぇと、詩集
「未生 MIU」佐々木淑子・著
(エプスタ販売ページはこちら
http://epstein-s.net/archives/6569 )

もー、インターネットじゃ到底かなわない、
この本のすごさをコマ送り写真の如く紹介していきましょ。

ブックカバーをちょっと外してみるでしょ。

 

あら、めくれてしまうでしょ。

 

完全に外してみるでしょ。

 

ほら、やっぱりめくれるでしょ。

 

もう1回表側にしてみましょ。

 

そして、上の部分を全部めくってみるでしょ。

 

下も全部めくってみたでしょ。
ほら、1枚の紙となりました。

 

ブックカバーとは、すなわち、包装紙である。
という原点回帰を試みる装幀なんである。

 

はい、元に戻したでしょ。

本当に手が込んでいるし、
ただ手が込んでいるだけじゃなく、
コンセプトをしっかり垣間見ることができる。

それにしても、
どこからどこまでが機械折りで
どこからが手作業なんだろう?
しかし、それによって販売価格が上がることを恐れない。

それどころか、
港の人の本を「ジャケ買い」する
僕のような者まで現れるんだから
細部にまで手を抜かない芸術は、素晴らしい。

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「書物、さらなる海へ 港の人全点フェア」
は2月23日(木)まで東京堂書店本店にて開催予定。
東京堂書店は、その翌日2月24日から3月29日まで
リニューアルのため一時閉店となります。
ご注意ご注意!

東京都千代田区神田神保町1丁目17番地
営業時間 10:00~20:00
休業日 年始(1/1,1/2)を除き無休
TEL 03-3291-5181
■ 東京メトロ半蔵門線「神保町駅」
■ 都営新宿線「神保町駅」
■ 都営三田線「神保町駅」
いずれもA7出口より徒歩2分

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この記事、2月10日(金)につづく・・・


2012.02.03