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映画「モナーク三軒茶屋410」批判。連載①
誰も、買わない。
全然、売れない。
財布のひも、硬結び。
しかも、ひも、鋼鉄でできているか。
空前絶後の赤字DVD「モナーク三軒茶屋410」であるが、
徐々に、すこぶる徐々に、
感想が集まりだしている。
そこで緊急連載「モナーク三軒茶屋410批判」と題して、
集まった感想を無理矢理掲載し、
僅少ながら拡販していく所存です。
第1回は、エプスタ内連載トリビュート小説
「天と地の彼方に」の作者、
ジョーオジ・akechi氏が、自身の経営する民宿のブログ
「奄美海風荘ブログ」に執筆した文です。
この文、おもろいし、分析力がすごい。
ひょっとしたら彼、蓮見重彦一派かしら?
奄美大島に、こんな哲学者の巨人がいらっしゃる。
加えて映画の中の台詞を拾い書きしているのだが、
改めて文字にすると、この映画おもろいわあ、と
魅力倍増しています。
では、どうぞお読み下さい。
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映画『モナーク三軒茶屋410』 ジョーオジ・akechi
http://kaihu.blog.ocn.ne.jp/amami/2011/06/401_e576.html
この作品はまだamazon ではみつかりませんが、下記で購入できます。
モナーク三軒茶屋410 EPSTEIN’S
http://epstein-s.net/archives/3779
グローバル資本主義の危機
昭和レトロなリバーシブルなコタツの天板から世界が見える。
「井の中の蛙大海を知らず……」は、続きが大事。
「~されど空(天)の青さを知れり」他いろいろ。
この奄美海風荘ブログ 2011年6月 7日 (火曜日)に掲載した
「映画 『裸の島 』 新藤兼人 (監督) 1960年」
http://kaihu.blog.ocn.ne.jp/amami/2011/06/post_e1ad.html
にも通じることだ。
「井の中の蛙は、井の外に虚像をもつかぎりは、井の中にあるが、井の外に虚像をもたなければ井の中にあること自体が井の外とつながっている、という方法を択びたい」
吉本隆明 全著作13 『日本のナショナリズム』 p234
東京三軒茶屋の一室。
ビデオのカバー映像のサムネイルは、このシリーズで使いまわされている。
小津安二郎監督を思わせるカメラアングル。
だが、それは”ローポジションで撮った「ちゃぶ台を囲む家族たち」”を意識しない。家族ではない。そしてこのローポジションは本編では、一切捨てられる。それ自体が無言ではあるが強烈なギャグとなっている。そしてカメラは動かない。
「家族ではない」のは、2作品のそれぞれ女優さん(毎回代わる)が見事に演じている(常にこの部屋のゲストとしての立ち居振る舞いに徹している)。
そしてそれは、本シリーズを通して、青年役の次の台詞
「わかるかっ!由子
1:37 俺と付き合ってまだ数ヶ月だが」というアドリブ台詞(2本目の作品「日本人の常識」では2:18)に、女優さんはどう反応するかで、試される仕掛けになっている。
↑ モナーク三軒茶屋410 「日本人の常識」
井の中の一室はシリーズ化されることで、ありとあらゆる小道具(時にその不在も)が、意味を持ち、そして語り、気づいた鑑賞者だけを笑わせる。創作者は井の外に一切の虚像をもたないのだ。
計算されていない「へたうま」な演技、これは誰しもが、いつでもできるものではない。下の台詞を読んで実感できる。見所である。このシリーズが長編化されていく過程で、どのような本邦初な手法が採られるのか楽しみである。
グローバル資本主義の危機
ああー
あー、ただいまあ
ああー買ってきたか
うん、買ってきたよー
おー腹減った。もー
はい
どっちもこっちもくっつきそうだ
あー、あー、ああ、も、由子(よしこ)ありがとう。由子のおかげで生きていける。
うん、・・ほんと。・・・はあー混んでたよお
。。。
マクドナルドか
うん
マクドナルド買ったか
うん
ついに買ったのかお前
うん、どうぞ
こんなもの食べるかっ?
んっ?
普通の精神を持った人間が食べるか?マクドナルド
なに・・
普通の心持ちをもった人間が食うか、こんなもの。これはグローバリズムの産物だ。
・・・
グローバリズムだよ
グローオバ、リ・ズ・ム
だってぇ、きのうだって食べてたじゃん。
きのうはグローバリズムと関係ないんだ。きょうはグローバリズムなんだ。これはぜったいだめだ。こんなものはなあ、米軍の、軍事力をもって、世界中に展開し、そして発売されている。これを買うってことはF15を買うってことなんだ。
ていうか。
これを買うってことはなあ、世界中の農民を駆逐し、そしてぇ、その農民を収奪したあげくの産物なんだ、これは。
だって。
わかるかっ!由子
1:37 俺と付き合ってまだ数ヶ月だが、
うふうっ
そんなこともわからないのかっ!由子
だってえ
由子おっ!
一個59円だよ
59円だべF15は。
由子、食わない。真っ当なもの食っとおかせてくれ。俺はグローバリズムに参加する気はないんだよ。ぜったいダメなんだ、こんなものは
もういい、も
食わしちゃだめなんだよ、由子。
私が全部たべますっう。飲み物もってくる。
絶対だめだぞ、由子。(ガサゴソ音 小)・・・これでなあ、・・・世界中の農民がどれだけ・・このお陰で困っているかわかるかあ。ものすごぉぃい勢いで搾取されてなあ、・・そのあげくに、こんなもの売られて、世界中が、もお自分の・・・食い物くえなくってなあ、・・・あれなあ、う~んっ、うぅっうん、ううんっ、・・・ごほっ、うん・・ううん、・ごふぉ、ごほっごふぉ・・うーん・腹減ったあ、腹減ったあー。ううん
(ガサガサ)
あ~、はい、どおぞっ・・・・・・(コン コン)
(ガサガサ音 中) (ガサガサ音 中)
・・・・・あれっ、一個ない。
一個ない?
うん
一個ないか?
・・・
一個ないだろう
ううん
一個づつ減っていくもんなんだよ、なぜだかわかるか?
・・・
グローバリズムゆえのユダヤの怨讐だ。怨讐ってわかるかっ、おんけいと復讐だ。怨讐のカーテンってかいてある。
(編集部注:実際には「恩讐の彼方に」と言っている。菊池寛の名作である)
なんだか::すたっふ。怨讐だよ。ユダヤの怨讐。
もうぉ~!
いらないからこれは
あ、そお。手ぇ洗ってくるから
。。。。
(ガサガサ ゴソゴソ音 大~中)
だいぶ買ってきたなあ
うんっ
うっぶっ
あっ、
うっ、うぶっ
食べてんじゃん!
うっぶふ、ああ、うっ、う
何やってんのお、もー
うっ、う、ああ
由子、由子、飲み物、
はい
のみものっ
あるよー、はいどうぞ
これだめだ
なんでだめなの、つまってんのにい
飲み物、これだめだ
なんで
コーラがいい
はあっ
コーラ
コーラァ?
コーラがいい、コカとかペプシとかさあ
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