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“Endless Transit” 第6便 「特技は『妄想』です ~明日、本で旅しよう。」
ちす。弥生でございます。
最近、70代の父親が携帯のメールを覚えました。
ただ、漢字・句読点・各種記号・促音など、
難易度の高い(?)文字がほとんど打てないので
先日届いたメールの文章はコレ↓。
“でんしやがとまつてるのでおきおつけてください”
・・・・キュン ときたね。ジッサイ。
30年前、躾と称して私にキック&ラリアートをくらわせた人と
同一人物とはとても思えないわ(笑)。
——-
さて。
旅、旅とは言うものの、忙しい現代人が、そんなに頻繁に
ガッツリと旅に出ることはなかなか難しい。
私も(一応)働いてる身分として、
1週間を超えるような旅ができるのは、年に一度がせいぜい。
や、1週間だって決して長くはないんだけども。
しかーーし、やはり旅はしたい!! もー辛抱たまらん!
・・・という時はあって、そういう気持ちのある種の
「代償行為」として、私は山に登ってるフシがある。
でもそれすらもできないほど時間がないとき・・・、
そんな時、「ショートトリップ」の一番簡単な方法は
読書なんじゃないでしょうか。
時間も場所も選ばず、あらゆる土地へ飛んでいける
・・・ん~~ 至福のひとときです。
自慢じゃーないが、私は強烈な妄想癖があるので、
一旦本の世界に没入すると、その世界に完全に浸りきって
ワイルドなイケメンから薄幸の美少女まで、ひとりで何役もこなします。
ハッキリ言って、読書と深酒で、これまでの人生で
何回電車を降り損ねたか分かりません!!
(エラソーに言うな、エラソーに)。
そこで今回は、そんな私の「おすすめショートリップ本」を
ほんの少しだけご紹介したいと思います。
できるだけ誰でも読みやすい一般的&著名なモノを選んだつもりですが、
ワイルドな旅が好きな関係上、本のチョイスに偏りがある旨、
ご了承くださいませ。
(旅本というか、もはや“ヤマ本”?)
******
■『深夜特急』 著/沢木 耕太郎
学生時代にバックパッカーをやった人で
この本を読んでない人はいないんじゃないか、ってーくらい
バイブル的な本ですな。私も高校時代に読んで大いに刺激され、
21歳の時にトルコを旅しました。
最初に読んだ時は、一見若い力を持て余した、
無目的な「自分探しの旅」だと思っていたのですが、
30歳を過ぎて再読した時は、実は主人公の“私(沢木)”が旅をしていた
本当の理由は、「他人と、自分を赦すこと」だったんじゃないかなー と
思ったことを覚えています。
■『凍』 著/沢木 耕太郎
沢木耕太郎繋がりでもう1冊。
不屈のクライマー、山野井泰史・妙子夫妻のヒマラヤの高峰・
ギャチュンカンへの挑戦と、その生還を描いたノンフィクション。
8000mを超えるゾーンは、一般の人には全く想像が付かない世界で、
その世界を垣間見れるだけでも手に汗握ります。
何より、雪崩事故で夫婦そろって凍傷でほとんどの指を
なくしているというのに、「この人達、おかしーんじゃないか?」
ってくらいに(笑)ナチュラルに生きる夫婦で、
「人間に限界ってないんだなー」と感じさせてくれます。
■『空へ』 著/ジョン・クラカワー
少し前に「Into the wild」という映画がありましたが、
あれの原作を書いたジョン・クラカワーの著書。
ご存知ない方のために説明すると、「Into the wild」は
アメリカのある青年が、言ってみれば「自分試し」のように
アラスカの荒野を旅する話で、最後この青年は亡くなるんですね。
この「空へ」も、世界一の山・エベレストで行われたガイド登山で、
大量遭難が出た実際にあった事故をレポートした、
「Into the wild」同様、旅における「自己責任」を問う内容。
「旅は自己責任」・・そんな当たり前の事実を、改めて突きつけられます。
■『放浪記』 著/林 芙美子
森光子のでんぐり返しばかりがフォーカスされる作品ですが(笑)、
本当は素晴らしい旅本なんすよ。特に女性におすすめ。
女性の地位が著しく低かったこの時代、極貧に負けず欧州に向かい
自立の道を歩む芙美子の強さやしたたかさがすばらしい!
ココ・シャネルや、平塚らいてうに通じるものがあります。
私はこの本で、「自分の愛人になれ」とほのめかす男が、
極貧の芙美子の元にやってきた際、男がお見舞いに持ってきた果物カゴを
芙美子が窓からブチまけるシーンが大好きで、
前後のストーリーは全然覚えてないのに、そこだけが鮮明に記憶に残っています。
やっぱ、「ボロは着てても心は錦」ですな。
■『河童が覗いたインド』 著/妹尾 河童
数あるインド本の中で、個人的には一番好きです。
インドという国は、バックパッカーにとって「検定試験」みたいなところで、あの国を好きになるか、負けて帰ってくるかでその後の旅生活は随分変わってくるような気がします。
少々古い本なので、今のインドとはかなりずれているところありますが、
著者の異様なまでのインドへの好奇心を見ると、「インドに行きたくない!」
と思うこと請け合い(笑)。
■『奇跡の6日間』 著/アーロン・ラルストン
古い本ばっかりなので、ここで最新作を1本。
映画もまもなく公開されますが、私は本を読む事をオススメします。
登山家(冒険家?)のアーロンが、ユタ州のキャニオンで冒険中、
右腕を落石に挟まれ動けなくなる。
そこから、自分で自分の腕を切り落として脱出するまでの生還劇。
話の中心は腕を挟まれてから脱出するまで・・・つまり、まったく場所を
動かないわけで、「どこが旅本?」と言われそうですが、脱出を試みる
アーロンがこれまでの様々な冒険を振り返るシーンがあって、それが本ではとても刺激的です。
■『星野道夫と見た風景』 著/星野直子 写真/星野道夫
最期は、番外編で写真集です。
アラスカと野生動物をこよなく愛した写真家、故・星野道夫の妻、
直子さんが著者。
星野道夫自身も多くの写真集や著書を残していて、どれも秀逸なんですが、この奥さんの本をあえてあげたのは、夫・道夫の旅の軌跡をとても客観的に見て綴っていること。
「旅の記録」を第三者視点で見るってなかなかないので。
道夫は、最期は愛する熊に襲われて亡くなりましたが、
妻の直子さんの「私は熊を恨んでもいないし、彼もきっと同じ」
という言葉に、自然や世界への、壮大な愛情を感じます。
結局「旅」って、“大地を愛する”ことなのだな~。。
他にもいっぱいあるんですが、キリがないのでこの辺で。
・・・・やー だいぶ駆け足で説明してるので、全くもって魅力を伝えてきれていませんが、やっぱり本は「自分で読んでナンボ」なので、興味のある1冊があればぜひご一読を。
Have a good trip from tonight!
【Photo Collection】———————————————————–
先日の大型連休、某山域で、ふもとのキャンプをベースに
連日飽きもせず岩に張り付いてきました(クライミング)。
その姿は、さながら虫です。
しかし、登ったその先に待っているのは、
一般ハイカーには拝めない絶景。「虫」になった甲斐があった~。
「旅」も「登山」も、かなり「やらなくていいこと」の
部類に入ると思うけど、人はなぜ旅をし、山に登るんだろう・・・。
分からない事を知るための旅をしているうちに、
人は“いつの間にか”死んでいくんだろうな~。
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