緊急連載「有志連合と協力して」㉕

構成・鎌田浩宮

この連載、かなり長期になりましたが、まだ投稿が続いています。
早速、お2方からの寄稿を紹介しますね。

本が語りかけてきました
Yさんより

健二さんの著書を拝読いたしました。
「ダイヤモンドより平和が欲しい」
「エイズの村に生まれて」
を読んで今「もしも学校へ行けたなら」
を読んでいる最中です。
健二さんの著書はどれも弱者の目線に立って優しく語り掛けるようなものばかりです。
読んでいても本が語り掛けてくるような気がします

後藤健二さんの歩んだ道
H.Kさんより

昨晩、ある報道番組で
「伝えつづけたい “生と死” 後藤健二が残したもの」
と題した10分程の特集がありました。

後藤さんがジャーナリストという仕事を始めて間もない29才の時、旧ザイールの反政府組織の少年兵を取材しています。
銃を持ち、タバコをふかし、仲間と笑い合う10才の少年。
すごく異様な光景でした。
昨年5月、シリア内戦の中での取材では、後藤さんが一からカメラの使い方を教えたという、シリア人カメラマンの青年と同行し、激しい空爆の中、テープを回す後藤さんが居ました。
その途中、ミサイルが着弾された現場で友人のご遺体をみつけてしまった青年は、カメラを向けることが出来ずにパニックに陥ってしまいます。
後藤さんは青年の名を呼び、
「take?? take??」
と写真を撮るように叫び続けます。
カメラを持てと。
現場は爆撃音が轟き、辺り一面血の海でした。
本当に本当に壮絶としか言いようのない戦場です。
やがて青年はカメラを向けます。
自分の使命を奮い起こした瞬間でした。
後藤さんは20年で50ヶ国以上取材をし、取材テープは800本以上になるそうです。
それぞれの国で私たちには計り知ることの出来ないほどの壮絶な日々を体験されてきたんだと思います。

今の日本は豊かな国となりましたが、逆に心の貧しい人が増えてきたと感じます。
犯罪スレスレの行為をネットにアップして喜んでいる者、人の命というものをいとも簡単に奪ってしまう者、哀しいことに低年齢化する一方です。
日本の総理大臣は何をしているのでしょうか?
どうして自分の祖国、日本に目をそむけているのでしょうか?
重大な犯罪を犯してしまう子どもたちを救うことが、今一番やるべきことなのではないでしょうか?

話がそれてしまいましたが、後藤さんの言葉として遺されたものが2つありました。

自分で自分の人生(生)をコントロールできないということが、この世にあるっていうことを子どもにはわかってほしい。

現場で記録したメッセージは世界中が見ている。
誰もが来られる場所ではなくても自分はそこに居る。
世界の関心を向けさせるために伝えていかなくてはならないんだ。

後藤さんは最初から最期までその想いを全うし、日本の行く先もまた案じてらしたんだと感じ、何だか切なく胸がいっぱいになりました。
少なくとも、後藤さんの意志を引き継いでいる人たちがいらっしゃるということがせめてもの救いです。

以上、お2方からでした。

子供は、大人の影響を色濃く受けるものだと思っています。
ザイールでも、日本でも、同じです。

正義や倫理や話し合いが全く通用しない今の日本の政治を見て、大人のように嘘をついてもいいんだ、正義を貫かないでもいいんだ、倫理よりも金儲けを優先してもいいんだ、戦争をして人殺しをする事こそが正義なんだ、と多くの子供達が影響を受けている事でしょう。

なので、日本では大人でも子供でも、弱者を攻撃する事件は後を絶ちません。
いじめはなくならないし、野宿者を殺したり、修学旅行で被爆者に対して罵声を浴びせた生徒もいました。

これらは全て、大人の影響なのだと思っています。
類似するような事を、政治が行なっているからです。
オリンピックと言って代々木公園や渋谷の野宿者を排除し保護せず、福島や沖縄の被害者に罵声を浴びせるがごとくの圧政を行っています。

後藤さんが生きていてくれたなら、彼が老齢になり海外への取材が困難になった時、日本でどんな取材をしたでしょうか。
それも今ではかなわない事ですが。

馬鹿な大人や政治家は、短絡的に弱者を攻撃し報復を煽り、大衆の支持を得ます。

報復は、報復しか、生まない。
これからも、後藤さんの志を、継いでいきましょう。

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エプスタインズでは、様々な人から原稿を取り寄せ、2月2日から集中連載をしています。
連日更新が途切れないよう、皆さんよろしくお願いしますね。
後藤さんの殺害が安倍政権により、憲法9条改悪に利用されてしまう、大変な時です。


2015.05.29