映画「鎌田浩宮 福島・相馬に行く」制作日誌05

撮影/文・鎌田浩宮

もう、
3年。
まだ、
3年。

まずは、お知らせです。
3月15日発行の、相馬市の広報に、今回の上映会の事が掲載されるそうです。
市外の人も、このサイトから見られますど。

http://www.city.soma.fukushima.jp/koho_PDF/2014/20140315.pdf

お楽しみに。

あと、福島のミニコミ誌「小さなくらし」にも掲載されるので、詳細が分かったら報告しますね。

 

 

2014年2月14日(金) 取材を受ける

昨日の杉本会で皆からお酒を注がれたお父さん、今朝はつらそう。

週末に2度目の大雪が来て、交通がマヒする可能性があるというので、1日早く帰る事に。
相馬へ来る直前、1週間前に、1度目の大雪。

午前8時半、福島民友の記者さんが、今回の映画の取材に、杉本家へ来てくれた。
おお、相馬で、スーツ姿、初めて見たど。
ほんの形式程度の取材かと思いきや、じっくり話を聞いてくれ、30分以上も長居してくれた。

お父さんも、杉ちゃんも同席。
お父さん、二日酔いを隠し、立派に質問に答える。
お父さんと僕の、この映画へ託した思いというのは、口裏を合わせたわけでもないのに、見事に一致していた。

「テレビをつけるとあちこちで震災や原発事故のドキュメントやニュースをやっている。どれもつらそうで、苦しそうで、ついチャンネルを変えてしまう。こちらも見ているのがつらいからだ。僕らの映画は、そういうものにしたくなかった。被災者だって、酒を呑んで笑いたい、歌だって歌いたい、でも、楽しそうにしていると、自粛という標語がついて回った。僕らの映画は、自粛を飛び越えて、呑んで笑って歌っている映画だ」

記者さんは、とても興味を示してくれた。

「楽天イーグルスの優勝があって、『あまちゃん』の大ヒットがあって、東北でも笑って呑んで歌って盛り上がりたい、自粛なんかしたくない、そんな気分を映画にした。だから、この映画には、がれきが1つも出てこない」

記者さんのメモが追い付かないほど僕の喋りはとめどなくって、途中でゆっくり喋るように心がけたほどだ。

「現在、震災や原発事故を扱ったドキュメンタリー映画は、200近くあるようで、そのどれもが、つらさや苦しみを伴うものであれば、僕らは別の物を創りたかった」

これはただの取材で、記事になるかどうかは後で決めるんですか?
と記者さんに尋ねたら、いや、記事には必ずします、と答えてくれた。
僕より若い、真摯な姿勢の方。
最後に、3人並んで記事用の写真を撮られた。

記者さんが帰った。
テレビでは、NHKが天気予報のように、福島各地の放射線量を報じる。
これは特別な事ではなく、毎日の風景だ。

杉ちゃんが、おにぎりをにぎってくれた。
帰りの電車で、お昼に食べるために。
嬉しいなあ。

昔なら相馬駅から、東京行きの特急が出てたのに、原発がその間にあるので、電車は不通のまま。
内陸部の福島駅までバスで1時間半かけて行き、そこから東北新幹線に乗って帰る。
以前のように、あっという間に東京に着くわけにはいかないのよ。

明日は、東京で内々の試写会だ。

つづく・・・

映画「鎌田浩宮 福島・相馬に行く」特別先行無料上映会

入場無料です!!お気軽にお越し下さい。
日程 2014年4月6日 日曜日
開場 午後1時30分
開映 午後2時
場所 相馬市民会館内 多目的ホール
福島県相馬市中村北町63-3 電話 0244-35-2426

出演 杉本紀男 杉本敏之 チャコ 鎌田浩宮 他
監督 大友太郎・鎌田浩宮・菅野宏彰
撮影 菅野宏彰・平野哲郎
編集・構成 大友太郎
タイトルデザイン 井上綾
音楽 鎌田浩宮


2014.03.17