第14便「長野県上田市役所」

取材/文/撮影・鎌田浩宮

OMORO

トイレ

落書き
求め、

に、
東京

出た。

梅雨の時期なのに、
とてもいい天気。
おばあちゃんの、おかげだなあ。

上田駅、お城口。
昨日の夕方、日の暮れる7時前、
沢山の女子高生が
ロータリーのバス停の椅子さ座って
楽しそうにいつまでも
くっちゃべってたなあ。

上田駅から約9分。
商店街を離れ、上田市役所に、近づく。
住宅街でもないし、
オフィス街でもないし、
田畑が多い訳でもないし、
言いようのない道だ。

そんな通りに、日本語学校もある。

三軒茶屋よりも、外国人に優しいかも知れない。
勉強、頑張ってね!

こういう学校が根付いてるってことは
よそ者を受け入れて久しいってことかな。
懐の深く優しい、上田であってほしいね。

おばあちゃんに抜かれるくらい
ゆっくり歩いてやって来た。
ようやく上田市役所、
そのほぼ真向かいにあった塾。
東大、目指すど。

その裏は、山だに。

 

着いた。
乱文

すいません。

 

立派な建物だあ。
上田市役所。
これは6階建ての本庁舎。
他に、6階建ての南庁舎、
2階建ての西庁舎、
3階建ての北庁舎とある。
すごい。

ところで一体、トイレは、いくつあるだず?
気が遠くなるど。

驚いた。
中に、八十二銀行の出張所まである。
癒着か?
いや、地方の役所は、
こういったものが多いのかも知れない。

調べてみると、
八十二銀行というのは
長野県を中心に展開している地方銀行。
はちじゅうに、と読みます。
本店は長野市。

本庁舎1階のトイレに入る。
まずは、和式、だ。
地方らしい、どっしりとした貫禄がある。
落書きは、1つもない。

この時点で、多少ドキドキしている。
東京から来て、俺は何をしているのか。
記者魂。

ちゃんと、洋式も、ある。
ウォシュレットまであるじゃあないか。
落書きは、ない。
しかし、上田ならではのもの、発見。

トイレットペーパーが、
おかしな位置に、
斜めに浮いた格好になっている。

正体は、これです。
ここにトイレットペーパーを差し込んで
ストックしておくんです。
工夫です。
頭いいなあ。

電気は、こまめに消す。
手は、こうして洗う。
細かく、書かれておる。
さすが、長野県。

ちなみにこの後日、
上田から数時間かけて
単線のローカル線・小海線に乗って
標高1135m、
2時間に1本しか列車の停まらない
信濃川上駅というとこさ行ったども、
駅前のトイレ、行ってきただ。

田舎らしい素朴で卑猥な落書きがあって、そのそばに
「乱文ですいません」
と書いてあったのは笑っただよ。
礼儀正しいっつーの。

市役所のそばには、上田城がある。
城の玄関の向かいにある、上田市観光会館。
真田幸村のポスターが、凄いことになっている。

城の敷地から、街を見下ろす。
セブンイレブンがデカすぎて、邪魔だず。
景観を、大切に。

敷地の端っこにはなぜか小さな畑さあって、
おじさんが犬と、ナスさ育ててた。

明治の廃藩置県によって
上田城の土地と建物は
民間へ払い下げになったので
その持ち主が、畑さこしらえてるだか?

上田市役所から離れ、
それほど賑やかでない通りに、あった。
2階建ての、それほど新しくない、小さな建物。

ほ!おらも、こんなテレビ局で、働きてえなあ。

上田駅へ、戻ってきた。
まんずなんでこんな所にまで、
東京五輪誘致のポスター貼ってあるだず?
ここ、東京じゃないだに。

東京都が広告費を打ってるんだろか。
もったいない。
そんなカネさあるなら、
認可保育園増やしてくんろ。

これ、ローカル線の
しなの鉄道の改札。
自動改札じゃないんだ!
これなら寅さんも、帰って来やすいねえ。

なんでか、ガチャガチャまである。
買って行く子供、おるんかえ?

改札の前では、
地べたに座ってお喋りを楽しむ女子高生。
いいだずなあ、
青春だずなあ。
でも、通行者の邪魔にはならんようにね。

駅構内のポスターまで、楽しい。
蕎麦の国、信州に来るなんて、度胸あるだなあ。

ウドニーズのサイト、見つけたど。
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=udonies

こいつに乗って、
どこさ行こうかなあ。
一人旅の、気軽さが
胸に染み込んでくるほど、楽しい。
だって、今日寝る宿さえ、決めてないんだ。

こっちさ、乗ってみるかなあ。

広告の看板が、
ひなびてて、いい。
堪能、堪能。
列車が来るより
うんと前に来といて、よかった。

「欧文タイプライター製造販売 中島オール 東京・長野・アメリカ・ヨーロッパ」

調べたら、
今でも営業している会社だったど。

目の不自由な女性が、盲導犬とベンチに座っている。
可愛い犬につられて、話しかけるどこぞのおじいちゃん。
のどかな、会話。
列車を待つ間にも、出会いがあるだ。

さあ、今日はどこさ旅するかなあ。


2013.06.24