walkin’ to the beat everlasting①

写真・文/鎌田浩宮


1979年。
バカマダ、小学5年生。
「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」発売。
僕のいた3組はどん臭いのばかりだったが、いまこがいた2組はトガった奴が多く、ラジオでかかる「テクノポリス」を話題にし始めた。

あれ、なんつってんだ?ドンチューノー?いやテクノだろ、いやトキノだろ。トキノまで来ていればほぼ正解なんだが、青っぱな小5はここから先へ思索がたどり着かない。
あのボコーダーが「TOKIO」と発しているのを知るのは、結構経過してこの数年後。 YMOはメディアでほぼ自身について語ることがなく、このことについても解説は皆無だった。

続いて「ライディーン」がシングルカットされ、大沢悠里さんのラジオを聴いていると交通情報かなんかのバックでもかかるようになった。さらに数年後経つと、運動会のBGMでも使われるようになったらしい。

YMOはザベテンにも紅白歌のベストテンにも出てこない。ワールドツアーに出ている。ここからが凄い。そのツアーが衛星中継という形でテレビ放映されたのだ。そんな日本のバンドはなかった。衛星中継で初めて、YMOの演奏を観た。

1980年。
YMOが帰国して、武道館で凱旋ライヴ「FROM TOKIO TO TOKYO」を催すことになった。そうなんすか!YMOはTOKIOから来たんすか!興奮。鼻血が出そうだった。富士フィルムのカセットテープを買って応募すると、抽選で招待券が当たるらしい。びゃんびゃん買った。びゃんびゃん送った。当たった。鼻血びゃん出た。買ったカセットでびゃんびゃんYMOを録音した。三軒茶屋小学校でこのライヴを観に行ったのは僕だけだった。びゃんびゃん:ビャンビャン麵の麺打ちの音だよ!相当な勢いだよ!

アルバムで「NICE AGE」を聴いた時、小学2年の頃から聴いてたビートルズやウイングスと同じ強い興奮を覚えた。洋楽と全く同じ興奮を日本の音楽に覚えたのは、これが初めてだった。これ洋楽だわ!いや洋楽以上だわ!こんな時代来るの信じられないわ!ニュース速報の下りも2組の連中と話題になった。この件もYMOは解説しなかった。レコードのライナーノートにも何も書いてなかった。ニュース速報の後、なんて喋ってるんだ?この女性、アッコちゃんか?アッコちゃんか?NHKのアナウンサーじゃないか?アッコちゃんか?サビのハモりはサンディー!それは聴くだけで分かった。

2023年もキャマダはもみあげ剃ってるぜ。

鼻血を押さえながら武道館で踊る小6。超満員の6~7割が「ユキヒロー!」と叫んでいる。当時、苗字が漢字で名前が片仮名の著名人は2人だけ。ユキヒロとハジメちゃんだけ。Eことを考えるもんだなー。すぐに紙に書いてみた。鎌田ヒロアキ。全然格好Eくない。驚愕した。満員の3~4割は「教授~!」と叫んでいた。僕には正義感があった。ピンク・レディーでさえも、ミーちゃんの方が好きとぬかす奴はぶん殴った。2人揃ってピンク・レディー。どちらを贔屓することは許されない。だから小6は叫んだ。「ハリー!」細野さんはYMO結成前、ハリーと呼ばれてたんだぜ、知らないのかえ諸君達。そんな自負さえあったIQ500馬鹿小6。

この年にジョンが死んだ。涙が全く止まらなかった。少しして覚悟したのは、僕が大病か大怪我をしなければ、殺されなければ、僕より先にビートルズのメンバーは旅立つのだ。で、もうちょい色々考えられる小6。順番でいえば僕より先に、YMOやRCやアッコちゃんやプラスチックスやロケッツやター坊やムーンライダーズやさえちゃんやトノバンやエンケンやミチロウや

つづくっ

2023.02.11

平和は、この曲であろう。30日目 World Citizen

構成・写真/鎌田浩宮

мир / peace / سوله / 和平 / ျမ်း / تىنچلىق

ні війні / no war / جګړه نشته / 沒有戰爭 / စစ်မရှိပါ။ /ئۇرۇش يوق

戦争は、嫌だ。痛い。

30日目
World Citizen (I Won’t Be Disappointed)
坂本龍一+デヴィッド・シルヴィアン



選曲・inachans



本日も、inachansさんによる選曲ですぞ。
教授の曲だったら、どの曲に平和を感じるか?というお題でお願いしました。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを受けて、教授はすぐさまに書籍「非戦」を刊行。そしてこの曲を、2003年に発表。

そして、2004年発売のアルバム「CHASM」ではこちらのヴァージョンを収録。教授はラジオで当時の空気感を「割く」「裂く」という言葉で表していた記憶がある。chasmは「割れ目」「裂け目」という意味だ。その後、世界中で「分断」という行為が横行していく。

「ワールド・シチズン」の歌詞・訳詞はこちら

当時、僕はこの曲を日本語のヴォーカルでも展開していけばいいのに、と思った。アルバム「CHASM」には、もっと冷静になろう、頭を冷やそうと呼びかけた「undercooled」という曲がある。こちらも素晴らしいライムなのだが、日本語ではないため、ラジオやテレビで流れても、その意味は分からない。911以降の混沌の中にもかかわらず、それはBGMになってしまうのだ。

もちろん、今になればそうは思わない。「undercooled」は韓国のラッパーを起用したところが素晴らしいし「World Citizen」は英語であるからこそ、耳になじみやすく、広がりが生まれていく。


小山田さんのギターも、美しい。大好きだ。復帰を、心待ちにしています。


皆さんからの「平和な曲」をお待ちしています。
hironomiya.kamada★gmail.comまでお待ちしています。
(★を@に変換して下さいね)

これまで[contact]から送って下さった方、大変申し訳ございません。システム不調のため、上記メールアドレスへ再送いただければ幸いです。恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。


平和は、この曲であろう。
1日目 愛の戦場
2日目 Come Together
3日目 イマジン
4日目 Hallelujah
5日目 空
6日目 Peace Love & Understanding
7日目 LUPIN WALKIN
8日目 Power to the People
9日目 Je T’aime…Moi Non Plus
10日目 ごはんができたよ
11日目 花はどこへ行った
12日目 Radioactivity
13日目 Samadhi
14日目 あなたのいない世界で
15日目 死んだ男の残したものは
16日目 Nuclear War
17日目 Over The Moon
18日目 Happy Xmas (War is Over)
19日目 I girasoli(ひまわり)
20日目 A Natural Woman
21日目 Amazing Grace
22日目 Vynnaya Ya
23日目 The Mother of God
24日目 あなたのものではない戦争 Не твоя війна
25日目 天使のらくがき
26日目 花はどこへ行った
27日目 Parolibre
28日目 世界中が I love you
29日目 スマイル
30日目 World Citizen

Потягни свої брудні удари, Путін.
Pull your dirty punches,Putin.
خپل ناپاک ټکان وخورئ، پوتین
拿出你骯髒的拳頭、普京。
ပူတင်ရဲ့ ညစ်ပတ်တဲ့ လက်သီးတွေကို ဆွဲထုတ်လိုက်ပါ။
مەينەت مۇشتلىرىڭىزنى تارتىڭ ، پۇتىن.

2022.04.28