4/11(土)より毎月第2土曜、東京⇔小諸バス運行!

文・鎌田浩宮

毎月第2土曜は
昭和にできたレトロバスに乗って
東京から小諸へ行こう!

美味しいお蕎麦を食べた後は
渥美清こもろ寅さん会館地下で
「男はつらいよ」35㎜フィルム上映を観て
その日の夜に東京へ帰れます!

渥美清こもろ寅さん会館復活のためのアピールイベント
「寅さん全作フィルムで観よう会」
毎月第2土曜の午後2時30分より、会館地下のやすらぎ会館にて、今や貴重になった35㎜フィルムでの上映。

1度、行ってみたいなあ。
でもなあ…新幹線で行くのは高いし、小諸は新幹線が停まらないから、乗り換えも面倒だし…。

 

バス馬鹿一直線。
そんな褒め言葉を背に
小諸を、走る。

 

そんな貴方!
専用バスでゆったり座席に揺られながら、たったの3時間で小諸に到着。
到着したら、渥美清さんがこよなく愛したお蕎麦屋さん・古城軒で、小諸名物のお蕎麦を食べ、ゆっくり散歩をした後は、寅さんを前売券価格で鑑賞!

上映が終わったら、会館玄関でバスが待っています。
ゆったりと夜景を楽しみながら、その日のうちにご帰宅!

これで往復、5800円(別途900円で映画鑑賞可)という安さ。

そんな夢のようなバスツアーが
4月11日より、始まります。
題して…
「長野県小諸『寅さん全作フィルムで観よう会』に行くバスツアー」

この企画・運行をして下さるのは、
夢だけでつくった 世界一小さなバス会社・銀河鉄道株式会社


テレビ東京「カンブリア宮殿」出演の際、村上龍さんと。
「69」「コインロッカー・ベイビーズ」「愛と幻想のファシズム」「希望の国のエクソダス」「イン・ザ・ミソスープ」…どれもよかった!

http://www.gintetsu.co.jp/

この会社は現在、東村山を中心に路線バスを展開、地元の皆さんに喜ばれています。
1日に数千人のお客さんが乗られるとか!

社長の山本宏昭さんは、子供の頃からバスが大好きで、遂に自分でバスを購入し、バス会社を作ってしまったという夢のような方。
山本さんは寅さんも大好きで、この度ひと肌もふた肌も脱いでくださいます。
山本さん自ら運転するのは、バスマニアが泣いて喜ぶ、日野自動車製の
RC-701P。
製造年は、1981年。
日本に2台しか現存しないこのバス、もちろん東京を走れるのは、この1台だけ。
しかもすごいのは、シリーズ第25作「寅次郎ハイビスカスの花」のラストで、これと同じバスが登場するんです!

これがそのバス。マニアの方が写真を撮りに来るほどの人気。

 

最初の運行
だけでも
見逃せない
のはなぜか。

 

このバスには車掌さんも乗り込み、様々なお喋りで旅の手助けをして下さいます。
しかも、4月11日の第1回の運行はなんと!
娯楽映画研究家・佐藤利明さんが同乗して下さり、寅さんや渥美さん、山田洋次監督のことなどをとことんお話しして下さいます!

ちなみに、某バス会社の新宿⇔小諸間は、片道2570円。
もちろん、昼食も付きませんし、映画も前売券価格では観られません。

 

それでは、
早速
詳細を…。

 

■集合場所
①東村山:西武新宿線東村山駅東口ロータリー

②新宿:「新宿センタービル」前のバス停「工学院大学前」付近
https://goo.gl/maps/mA3Ee

■集合時間
①東村山 8:00
②新 宿 10:15

■行程
往路:東村山駅(8:15発)-新宿(10:30発)-練馬IC-小諸IC-昼食会場(13:30)
復路:会場(18:00)-新宿(21:00)-東村山(22:00)

[ご予約・お問い合せ]銀河鉄道株式会社 予約センター
TEL:042-398-0088
FAX:042-398-0009
メール:info@gintetsu.co.jp

 

最後に、
マル秘
情報を。

 

銀河鉄道株式会社が、テレビに出ます。
BS朝日 3月14日(土) 23:30より1時間たっぷり…
「華麗なるマニアドベンチャー 魅惑のバスワールドにようこそ」
ナビゲーターはあのサブカル本「ナウのしくみ」で一世を風靡した泉麻人さんと、東京MXテレビの伝説の番組「テレバイダー」の司会をしていた、あのエアギター世界一になったこともある金剛地武志さん。
観て下さいね!


2015.03.03

没後18年「渥美清さん夢をありがとう」小諸より

取材/撮影/文・鎌田浩宮

今年も、
この日が、
やって来た。

8月4日。
渥美清さんの、
命日。

渥美さんが旅立ったのは、1996年。

渥美清こもろ寅さん会館復活運動に奮闘努力するココトラ(コモロ寅さんプロジェクト「いつもココロに寅さんを♪」)のメンバーは、8月3日の日曜日に、会館の中庭にて献花式を行いました。

ちなみに、前日8月2日は、小諸のお祭り「ドカンショ」にココトラが参加。
男は寅さんの扮装をして、女性は浴衣姿で、水木一郎が歌う、浅間山の噴火音にちなんだ「小諸 ドカンショ」の曲に合わせて目抜き通りを踊ってきました。
その際に献花式のチラシも、道行く人に配りまして。

右の男が、ココトラ代表・轟屋いっちーこと一井正樹
振り付けも、寅さんの「お控えなすって」に倣ってます。

この祭りがえらくハードなものでして、曲が45分エンドレスでかかるのよ。
で、目抜き通りを、延々踊りながら歩く。
坂の街小諸は、上り坂も、下り坂もある。
15分休憩して、また45分ぶっ通しで踊り歩く。
サッカーかよ!
延長あったら死ぬど。

そんなハードな夜を終え、翌日。
スタッフは、朝8時半集合。
炎天下の中庭、大慌てで、セッティング開始。
受付作って来賓用椅子並べて日よけテント設営して飲料用意してマイクなど音響セッティングして花用意して。
なぜ、人は渥美さんのために、ここまで無償で汗だくになって働くのか。

 

参列者、
去年の
数倍。

 

去年と比べ、数倍も来賓・献花希望の人が多い。
なんだなんだなんだ。
その数、約50人か。
用意した椅子じゃ足りない。
若い人には立っていただく。

これだけ若い方が参列下さったのも、この運動を応援して下さる地元のお蕎麦屋さんが、おむすびの差し入れと共に、数十人の現役大学生を連れて来て下さったりしたおかげなのです。

そば七さん、ありがとう!

そんな方々全てにうちわと紙コップの飲み物を配り。

そんなもんだから予定の午前10時を少し押してしまいつつ、開会宣言。

続いて、柳田剛彦小諸市長の挨拶の予定だったのであるが、ありがちな
「市長は本日所用のため…」
と代理の人が壇上に立ち、挨拶。
渥美さんは怒らなくっても、俺は怒ったぜ。

さらに怒らせたのが、この代理のおじさんが、渥美清こもろ寅さん会館復活に関して、ネガティブな発言ばかりするんである。
予算がないだの少子化だのああだのこうだの。
今日は何の日だい?
渥美さんの命日を偲ぶ日だぞ?
町おこしだのなんだの机上の会議してばかりで、この国民栄誉賞さえ受賞した人の存在をコケにしやがって。
野次を飛ばしてやろうかと思った。

その反面嬉しかったのは、去年欠席した市議会議員の参加が多かった事。
つまりは、会館復活を望む議員さんも多いという事だからだ。
中には、月イチの上映会に、観に来て下さった議員さんもいらした。

さらに嬉しかったのは、小諸が舞台になった第40作
「寅次郎サラダ記念日」
のロケ地になった小諸病院の院長がいらした事。

拍手で紹介され、地元テレビ局もカメラを向ける。

その他、様々な来賓が紹介され、その次は、ココトラ代表・轟屋いっちーによる、渥美さんへ捧げる言葉。
徐々に、若いファンが増えているは、この国に閉塞感が溢れているからではないでしょうか、と一井正樹。

その次に、僕が山田洋次監督の詩を朗読。
この詩は、中庭の石碑に書かれてあるものです。

わが友、寅さん

寅さん、おまえと日本中を旅して歩いたあの長い年月のことを、僕はどれほど懐かしく思い出すことだろう。
ああ、旅先でおまえと語り合った楽しい日々!
おまえの馬鹿馬鹿しい失敗話に笑いころげ、お前の家族を思う気持ちにしんみりさせられ、そしてお前の数えきれないほどの失恋話についホロリとさせられたりしたっけ。
寅さん、今頃どこで何をしてるんだ。
日本のどこかで相変わらず美女に恋をしているのか。
それとも信州は小諸あたりの道端で、小さな店をひろげて例の調子のいい口上を叫んだりしているのかい?
たまには帰ってこいよ。みんな心配してるんだ。せめて便りの一本ぐらいよこせ、あの金釘流のものすごい葉書でいいからさ。
なあ、聞こえてるのかい、寅さん。
一九九七年八月

山田洋次

 

なんと
今年は
倍賞千恵子さん
笹野高志さん
から
小諸
だけに
メッセージ
が。

 

そしてその次は、「男はつらいよ」の数々、そして山田洋次監督作品に度々出演され、渥美さんとも食事をされたり、芝居を一緒に観に行かれたりと、公私共に交流のあった笹野高志さんから、何と肉声のメッセージを披露。

「自分も渥美さんが亡くなった齢になってしまった。それにしても思うのは、渥美さん、逝くのが早すぎましたよ」

といった内容で、渥美さんへの、そして渥美さんが愛した小諸への敬愛に溢れたものでした。
何度も「ありがとうございました」と語る笹野さん。

これを読んでいる皆さんにもその肉声をお聞かせしたいのですが、笹野さんへ御断りを入れていないので、ごめんなさすって、です。

そしてその次は、これまた何と倍賞千恵子さんから、直筆のメッセージが届いたので、代読。
何だか、柴又の寅さん記念館よりすごいイヴェントになってしまったです。
僕自身、生まれて初めて倍賞さんの直筆を見られました。
こちらも御断りしていないので、数行だけ抜粋して掲載しますね。

 

お兄ちゃんは寅さんの銅像ができるのはちょっとはずかしがっていました。
人間は死んだらおしまい、何も残らないと云いますが、お兄ちゃんは本当に沢山の事を残してくれました

この映画は私にとって人間というものを知り考え、社会や世間を知る、学校でもありました。
でもこの学校、私にとってはずっと卒業することのない学校だと思っています。

倍賞千恵子

その後は、全員で黙祷。
そして、献花。

 

市内外、
老若男女

願いは。

 

こんなに小さい子も、いたんだよ。

次に、現小諸在住、元松竹衣装部、山田組にも在籍、もちろん渥美さんの衣装も担当した、本間邦仁さんの挨拶。

そして、皆で「男はつらいよ」を合唱。
先に配ったうちわに、歌詞が書かれているので、大学生もお子さんも歌えます。

予定ではこの後、葛飾柴又寅さん会館との電話中継だったんですが、あまりの猛暑に熱中症の危険を感じ、一旦中締め。
殆どの参列者が返った後、柴又の会館の広報担当・横山秀一郎さんと中継。
この方も32歳と非常に若い寅さんファンで、話は盛り上がり。

しかし!
何と猛暑のせいで、中継に使っていたiPhoneに「高温注意」と表示が出て、フリーズ!
去年の中継は、大丈夫だったんですが。
電話機を替え、無事中継再開。
どうやら柴又では命日のイヴェントはないようで、小諸の方が盛り上がっていたかも知れません。
とはいえ、柴又はお盆の時に毎年必ず、渥美さんを迎えるために、帝釈天参道でろうそくを灯すんですよね。

僕自身は、この小諸市民の益々大きくなってきていいる会館復活への願いと、それを聞き入れない小諸市側とのズレを感じずにはいられない式でした。
このままでは、市内外の声がいくら大きくなっても、会館復活はないでしょう。

行政を動かすのは、大変です。
行政というのは保守的で、リスクを回避するからです。
しかし、このままでは小諸市はすたれていく一方でしょう。
駅前の土産屋には人気もなく、シャッター商店街になりつつある。

チャップリンが、100年経ってもその芸術性を重んじられ、人々から敬愛されている。
渥美さんの映画が、今でもテレビで放映され、「ムッシュはつらいよ」でのプチ再ブレークも言われている。
小諸市は、会館復活の文化的意義を熟考すべきだろう。

ちなみに、去年、2013年の献花式のレポートは、こちらで読めます。
http://epstein-s.net/archives/13525


2014.08.04