2012年。福島県相馬市で夏をすごす③

撮影/文・鎌田浩宮

飯舘村。
御用学者

安全だ

言った
翌日
に。

 

のっけから関係ない話だけど、
なんでパラリンピックのメダル受賞を待ってから、
両方のメダリスト皆で
銀座パレードにしなかったんだろうね。
ねえねえ、おかしいよね??

 

さて前回、
「御用学者が福島のあちこちに出向き、
原発と放射能について
とんでもない嘘っぱちを講演して回っている」
と書いたんだけど、それについて反響があって、
こんな情報を教えてもらいました。

原発事故から1ヶ月も経って
「実は汚染されてました。避難してください」
と知らされた飯舘村でも、計画的避難区域に指定される前日まで、
村に御用学者が来て

「放射能を正しく理解するための講演会」
なるものが開かれていた。
「『放射能は大丈夫』『コメも植えられる』って聞かされて、
翌日に全村避難しろ、だもの。あの人は何言ってるか、と思った」

とは村の人の言葉。
事故から数日後には、米国エネルギー省による実測値が出ていたのに・・・。

 

これは、写真家の三留理男さんという方の取材によって
判明したことだそうです。
その取材による写真集のタイトルは
「3・11 FUKUSHIMA 放射能汚染の555日」
でして、発売中とのこと。

もう、唖然、でしょ。

でも、こういう真の情報は、相馬の杉ちゃん一家には、
そして多くの善良な庶民の皆さんには、伝わってないのだろう。

 

新盆。
だから、か?
バーベキュー!

 

とにもかくにも、その日の夜、杉ちゃんちの庭先で、
盛大にバーベキュー大会、決行されたんであった。

照明はプロ仕様、ばっちりさあ。
だって、遂に明かしちゃうけれど、
僕らは杉本家を、ドキュメンタリー映画にしようとして
今回やって来たんだもの。

映画にして、儲けてやるぜ。
原発を造って儲けている東芝日立三菱よりも
原発ゼロに反対している経団連のヤツらよりも
儲けてやるぜ。

田舎は、家も、庭も、広い。
天ぷら油だって、
「固めるナニガシ」
みたいなもん、買ってこなくっても、
庭に撒いて捨てりゃあいいんだもん。

呑んだ。
笑った。
食った。

僕は、除染してない杉ちゃんちの家庭菜園で採れた野菜を除け除け、
スーパーで買った肉中心に攻めたんだぜぇ。

杉ちゃんのおばあちゃんが亡くなって、新盆。
僕の最愛の浪が亡くなって、新盆。

自分の母の死から立ち直りつつ、
毎日を楽しく過ごすことが1番だと、
人と交流することを楽しみとするお父さんと、
会社の裏切りと退職、浪の看病と死、と
311以降、何もいいことがないと感じながら懸命に歩く僕の、
それぞれの新盆、過ぎて行ったです。

夜は、更けていく。

こうした古い寺社が、津波に流されずに現存するのを、多く見ました。
なのに、この観音堂さえも放射線量が高かったらどうしよう、
恐れながら、測りました。

つづく・・・


2012.09.18